『ずっと隣で』
おじいちゃんが
猫と犬を飼い始めた
まだちょっと若いぐらいではあるけど
人付き合いが苦手で
動物には好かれやすい
寂しがり屋なおじいちゃん
飼い始めてすぐ
やっぱりその子たちは
すぐに懐いて行った
おじいちゃんはイキイキしていた
おばあちゃんが先に亡くなったから
しばらく塞ぎがちだったけど
ペットを飼うのを進めたら
しぶしぶ受け入れてくれた形
飼うのがイヤとかそういうんじゃない
ただとにかくおばあちゃんとの別れが
ものすごく寂しくて辛かったようで
飼うまでに時間がかかったのだ
そりゃ……無理もないよね
おじいちゃんは
少しずつ元気になり
その子たちもすくすく育って行った
おじいちゃんは
たまに小さくお願いをする
―――もし
君たちにお迎えが来たら
良かったら
一緒に行ってもいいかい?
―――と
その願いは、
僕は見届けることになった
最初は猫だった
歳をさかねていくうちに
腎臓の病気になり、
10歳をすぎたあたりから
おじいちゃんと僕たち家族は
順番に猫を病院に連れて行っていた
しばらく良かったが、
やはり歳と病気はゆっくり進み
そして―――
私たちに気づかない所に
隠れるように旅立った
猫が病気の時、
おじいちゃんも
ガンになってしまっていた
家族が気になって病院に連れていき
見つけた時には、
既に相当ステージが進んでいた…
これは、
おじいちゃんの願い―――
ずっと黙ってたおじいちゃん
自分で―――選んだのだ
そしてある日
猫が旅立った―――
おじいちゃんは病気の中
猫を見送ると、ほんの数日後に
追いかけるように旅立った
僕が驚いたのは 実は、
それまでずっとおじいちゃんのそばに
犬も離れずそばに居たことだった
片時も離れなかったほど
病院の検診に行く時だって
ものすごく暴れていた
まるで、離れるわけに行かないのだ!
とでも言ってるかのようで―――
おじいちゃんが旅立つのを
犬は黙って見送っていた
1度だけ悲しそうに
遠吠えをしたあの夜を
僕は今も覚えてる
その日から犬は、
何も食べなくなった
まるで、役目は終わったのだと
言ってるかのように
……いや、
次の役目を果たすためだろうか
人の静止も振り払い
犬は頑なに何も食べようのしなかった
この子は………選んでる
まるでおじいちゃんの魂を
少し分けてもらったかのように
僕達は、
苦渋の決断、断腸の思いで、
犬の気持ちを尊重した―――………
数日後、犬は旅立った
猫が先に行き
おじいちゃんがついて行き
犬がおじいちゃんを支えるように
僕は
今も覚えてる
みんなずっと隣に居ることを
心から望んでるようだった
もしも神様が
転生する権限をみんなに与えても
きっとみんなは、
その手段を選ばないだろう
もしも強制的にすることになっても
3人は一緒に逃げ出すか
またいつか3人一緒になるか
そのどちらかじゃないかな?
―――なんて、僕は思ってしまう
ずっと一緒にいたい人
おじいちゃんは、そんな人
僕ももしもお迎えが来たら
まずは3人に、会いに行きたいな―――
〜シロツメ ナナシ〜
3/14/2026, 9:14:09 AM