『平穏な日常』
刺激が欲しい
ゾクゾクワクワク
ドキドキハラハラする刺激
私はそれを願ってた
代わり映えのしない日々に
そんなエッセンスがあれば
毎日が楽しくなるはずだと
行ったことない場所
会ったことない人たち
見たことの無い生き物
苦労を重ねた先にある絶景
ゾクゾクするよね―――
もっと……もっと刺激を…!!
そう願い続けてると
神が贈り物をした
――――――『天変地異』
天候は荒れ、大波が起こり、
山は崩れ、氾濫が起こる、
木はなぎ倒され、火事も起こる、
人は逃げ惑う、為す術なく呑まれ、
――――――…………違う
刺激は……そういうのじゃない
願ってない……
それは……あんまりだ
万能機で私が願って
叶えてもらった訳じゃない…
だけど私は……なぜか後悔していた
何が刺激だ……なにが……
足元の平穏がなければ……
刺激なんて……楽しめる物じゃなくなる……
私はそれを身をもって知った
私は私の罪悪感を拭うために
あちこち走り回った
みんながイヤな刺激を受けないよう
ひとつでも辛い刺激を和らげるよう
できることも、伸ばせる手も、
あまりに限られてるし、
伸ばせなくて辛い思いもしたけど…、
たとえエゴと言われても、
私は伸ばせる手を伸ばして行った
見送って失うより
伸ばした手で残せるものを
ひとつでも多く、
私が私でいられる範囲の
手の届くものを…少しずつ、ひとつずつ
私は、
平穏をもう一度作り始める
みんなが喜ぶ 優しい刺激を
楽しめるようになるその日まで―――
〜シロツメ ナナシ〜
『愛と平和』
私に―――愛や平和を
解く資格が、あるのだろうか…
私は最果ての魔女
生きながらにして、
この世の果てにたどり着いた
たった一人の存在
―――あぁ、
たまに使いの猫やカラスが
ちょいちょい顔出してるけどね
だが私は―――逃げたのだ
この世の摂理から
この世の果てまで
誰もたどり着けないとこまで
私はたどり着いてしまった
ここで身につけた、
この世の全てを見通せる「千里眼」
全てが見えるようになってから
私はさらに、確信した
もうここにいることの方が
幸せな気がしてくる……
だからこそ……、
私に愛や平和を語る資格は一切ない
宇宙一の逃亡者
それとも―――
宇宙一の引きこもり……だろうかね
そんな私でも、
この世に愛が無いわけじゃないのは
私でもわかる
自分の産んだ子供達を必死に守る姿
自分が愛した人や生き物を
懸命に守り支え抜く姿
それは良く見える
命をかけて守ろうとする人や
権力を振りかざしてそれを守りという人
行き過ぎた人から
力が無さすぎて共に倒れる人まで
自分の愛や願い
それがずっと続くこと
どれだけ難しいことか……
こんな私が言うのもなんだけど
それでもひとつ自信を持っていいことがある
あなたは
―――生きてていい
ただそれだけで
平和への第1歩になり
それこそが平和の平和と言う為の
大切な土台になる
それをどうか―――忘れないで
最果ての魔女 より〜
〜シロツメ ナナシ〜
『過ぎ去った日々』
神は
現実と絶望を振りまいたが
夢や希望は与えてくれた
そして
技術は与えたが
秘術は与えなかった
故に
時間を切り取り残す技術はあれど
時間を操る術だけはダメだった
過ぎ去っていく日々は
記憶や記録に残せても
戻ったりやり直したりは出来ない
そんなこと
言わなくてもわかってるけど
ちゃんと口にして言わないと
ありもしない希望にすがって
私は動けなくなってしまうから…
あなたは
ちゃんとあなたとして今日まで
生きることができましたか?
ワタシは―――………
だからせめて
今 残された時間だけでも
ワタシらしさをちゃんと作って
ワタシとして、生きられたなら―――
いつか死が迎えに来るまで
それを目指して生きてます
〜シロツメ ナナシ〜
『お金より大切なもの』
金より大切なもの?
ッハ!!
そんなもんあるわけないだろ〜!?
この世は金さ!!
金があればなんでもできる!
どうしても金を使う時ってのはな!
その金をかけてでも
その金を使ってでも
守りたいと思ったものに
大切にしたいと考えた時
絶対に使いたくなるものさ!!
こんな話に付き合ってられるか
俺はこれから
猫の餌を買って!
犬を病院に連れていき!
じいちゃんのベッド買って!
ばあちゃんの様子見に行って!
娘の好物買って!
息子と遊ぶおもちゃ買って!
彼女(妻)とデートしなきゃならんのでな!!
じゃあな!
待ってろよーー!!!
〜シロツメ ナナシ〜
『月夜』
まるで月の光の音でも
聞こえてしまいそうなほど
どんなにそっと歩いても
足音はうるさい部類
彼はずっと見ている
私を見てるのか
それとも他の人を見てるのか
はたまた違う何かを見てるのか
目がないからわかんない
そもそも彼は遠すぎるから
何を見てるのかさえわからない
それでも少なくとも
私は彼の視界に居るのに変わりはない
ちょっと意味もなく、手を振ってみる
手が生えて振り返してきたりして
―――ちょっと……こわ面白いかも
〜シロツメ ナナシ〜