『星が溢れる』
あるところに
空の神様がいました
神様は星が大好きで
お空の星を沢山集めて、
「これぜーんぶ私のモノ!」
と、独り占めし始めていました
その中には、
まだ星として光ってない
星の種までも集めて回ってました
集めた星は
背負ったカゴの中に
既にいっぱいでした
ある日、
今日も空の神様は
星を集めて回ってました
キラキラで綺麗なものから
まだ光ってない星の種も含めて
一つひとつ丁寧に
隅から隅までとても楽しそうに
集め回っていました
そこに
星育ての神様がカンカンになって
空の神様の所にやって来ました
「これは君だけのものじゃない!
他の神様だって欲しいんだ!
この一つひとつにも
これから神様になる星だってあるんだ!
集めてばかりいるんじゃない!」
そう怒鳴って
星育ての神様は
空の神様の持ってたカゴを
無理やり取り上げ
お空に パッ!っと
ばらまいてしまいました
「あー!僕の星が!」
慌てて取りに行こうとする空の神様
「違う!君だけのじゃないんだ!」
それを止める星育ての神様
カゴから溢れる程入ってた星達は
キラキラと舞うように空に散っていった
一緒に入ってた星の種達も
お互いがぶつかり合う衝撃で
いくつか光り始めるものがあったり
流れ星となってさらに遠くに行ったり
みるみるお空は光り出していきました
星育ての神様は
自分の育ててる星と
今散っていった星たちの様子を見に
「もう勝手なことするんじゃないよ?」
そう言って育てる旅に戻っていきました
―――カゴも没収して
空の神様は
カゴを無くしてしまい
星を集めることが
できなくなってしまいました
「はぁ…、せめて……繋げないかな?」
そう言って空の神様は
星と星を線で繋いで
ちょっとしたお絵描きを始めました
「これが羊で、これが牛で―――」
ちょっと楽しくなってきた空の神様
それがどんどん完成していくと
いつしか空は、色んな生き物やものの絵で
彩られていました
この空の絵を見られるのは
みんなが寝静まった、真夜中だけ―――
〜シロツメ ナナシ〜
3/16/2026, 4:12:55 AM