愛し合う二人を、好きなだけ

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2/14/2025, 7:22:29 AM

小説
迅嵐



2月14日、バレンタインデー。三門市のみならず、世界全体がほんのりとピンク色に染まっているかのような、少しだけ特別な日。

そんな素敵な日、とあるA級部隊が持つ一室では異様な空気が放たれていた。

「……まさかこれ、全部チョコなんですか?」

「……そのまさかだ」

部屋の中には色とりどりの可愛らしい箱が見上げるほど積み重なっていた。
木虎が箱の宛名を確認すると、なんと7割が嵐山宛であった。

「おーい嵐山ー…」

入口の方を振り返ると、迅が顔を真っ青にしながらチョコの山を見上げていた。

「…迅、視えてなかったのか?」

「あれぇ……この量…すごく低い確率だったんだけどな…」

本当に低い確率だったらしく動揺を隠しきれていない迅に、俺は力無く笑みを返すことしか出来なかった。

「ところで何か用か?ここに来るなんて珍しい」

「んぇ?!…いや…その…」

迅が気まずそうに何かをポケットに隠す所を俺は見逃さなかった。素早く迅の手前まで来ると、両腕を掴み勢いよく引っこ抜く。『う゛っ』と情けない声が聞こえてきたがお構い無しだ。
彼の手中には甘い香りのする小さな赤い箱。

「……チョコ?」

「あっ」

成行きを見守っていた木虎が驚きの声を上げる。振り向こうとすると、小さな声で『ちょっと外出てます』と言って横をすり抜けて行ってしまった。少し顔が赤く見えたが大丈夫だろうか。

「うぅ…こんなにあるなんて…」

視線を戻すと、情けなく顔を顰めた迅がチョコの山を見つめながら呟いていた。そういえば、これと一緒の物が結構積み重なっていたような。きっと人気商品なのだろう。

「………こんなにあるなら他の人にあげようかな…」

「っ?!ダメだ!」

予期せぬ言葉に俺の口が無意識に動く。驚きに見開かれた迅の瞳の中で、俺もまた驚いた顔をしていた。

「っ…とにかくそれは俺が貰いたい。…ダメか?」

焦ったことを見透かされないように、言葉を重ねる。少し恥ずかしくなって顔を下に向けてしまう。

「いいけど…同じの後ろにいっぱいあるよ?」

「…これがいい」

「…………じゃああげるからさ、これと同じチョコは受け取らないでよ」

視線を戻すとにんまりと笑った迅と目が合った。けれどその笑みの中で、とてつもなく真剣に迅は何かを願っているようだった。迅の要望を、俺は小さく頷いて了承した。

「わっ」

瞬間、わしゃわしゃと頭を撫でられ驚きの声が漏れ出す。その後、迅は呼び出されるのが視えたと言いながら颯爽と隊室を後にした。俺は撫でられた頭を触りながら、赤い箱を見つめていた。


その1時間後、食堂に設置されているテレビを観て、俺はわなわなと震えていた。

『全国の恋する皆様必見!直接じゃなくてそっと伝えたい、そんなあなたに!箱の色によって意味が変わるチョコレート!大人気、赤色の箱は‪”‬愛するあなたと一緒に生きていきたい‪”‬!是非お買い求めください!』

顔に熱が集まり、先程迅に言われた言葉がぐるぐると全身を巡る。

『これと同じチョコは受け取らないでよ』

きっと今の俺はチョコレートのように甘く、惚けた顔をしているに違いない。

「……っ!」

想いの込められた赤い箱を抱きながら、俺は食堂に背を向け、いじらしく愛しい人の元へと走り出したのだった。

2/13/2025, 7:17:59 AM

小説
迅嵐



「小さい頃さぁ、大人のおれが見た未来の記憶が届いてるって思ってたんだよね」

「?何の話だ?」

「おれの副作用の話」

外は大雪で、迅の副作用が本日のゲート発生はもう無いと告げた昼下がり。報告も終わり、久しぶりに迅とランク戦を楽しんでいた最中だった。

突然の話題に意識が逸れ、スコーピオンが弾き飛ばされる。まだまだだな、とでも言いたそうに笑う迅と目が合った。開発者なだけあって、スコーピオンの性質を知り尽くしている。
瞬間、トリオン供給器官を貫かれ、俺の身体は柔らかいマットレスに倒れ込んだ。


んでこの後自販機の横に備え付けてある椅子(あのよくあるソファみたいなやつ)に座りながらお話しちゃうんだよネ〜^^ランク戦する前に負けた方が飲み物奢るとか話してたら可愛いネ〜^^この世界線のミニ迅ちゃまは(大人のおれが見た未来の記憶をテレパシーかなんかでおれに届けてるんだー!おれすげー!)とか思ってたりしたのかナ〜^^それ聞いたじゅんじゅんは(可愛いな)なんて思ってたりするのかナ〜^^迅ちゃまも人並みにおれすげー期あっただろうナ〜^^くぅ〜〜〜〜〜^^KAWAII〜〜〜〜〜^^ビッグラブすぎるんだよナ〜^^その後は内心悔しいじゅんじゅんがもう一戦お願いしちゃうんだよネ〜^^まぁこいつらは何かと理由つけて一緒に居たいだけなんだよネ〜^^見せつけてくれちゃっテ〜^^はよ結婚しろ〜^^

↑どうしても暗くなっちゃうから心の声を織り交ぜないと書けなかった可哀想な迅嵐オタクの鳴き声

2/11/2025, 12:43:07 PM

ココロ

カタカナ!それでは皆さんご唱和ください、


_____孤独な科学者に作られたロボット
出来栄えを言うなら "奇跡"

2/11/2025, 7:03:12 AM

星に願って

難しくてやっぱり書けないなぁ。
だから星には大好きな先輩が国試合格出来るようにお祈りしようかな

2/10/2025, 6:12:07 AM

小説
千ゲン



子供たちの楽しそうな声が耳に届く。

「せんくーすごーい!」
「きゃはは!」

覗きに行くと千空ちゃんが子供たちに簡単な科学を披露している所だった。こちらに背中を向け表情は見えないが、きっと少年らしい顔をしているはずだ。

年相応な発達途中の君の背中に、どんな大きなものを背負っているのだろう。

全人類を救うと心に決め、ここまで突き進んできた。その姿に心打たれ沢山の仲間が出来た。君は偶然の副産物だと言うかもしれないけど、偶然なんかじゃなくて必然だったと俺は思う。

「なーに楽しいことしてるの」

「あー!げんだー!」
「げんー!」

声をかけるといち早く気づいた子供たちが次々声を上げる。千空ちゃんは存外驚きもせずこちらを振り返った。

「なんだゲンテメー、呑気にサボりか」

「楽しそうな声が聞こえてきたからね、つい来ちゃった」

千空ちゃんの背にもたれ掛かりながら、小さな科学教室を見学する。何も言わず俺をもたれ掛けさせながら器用に実験を再開し、子供たちの興味を一気に掻っ攫う。

子供たちの楽しそうな声が再び耳に届いた。

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