しののめ

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8/31/2024, 2:11:52 AM

【香水】

 貴方の残り香を追いかけて
 何を言おうとしたか
 頭が真っ白になる
 
 甘くて 艶やかで
 それでいて少し苦い
 

8/29/2024, 10:27:03 AM

【言葉はいらない、ただ…】

 隣にいるだけで
 俺たちは無敵なんだ

 なんて

 少年漫画じゃあるまいし
 大体何と戦うんだよって
 こんな退屈だけど
 適度に忙しい平和な日常で

 青臭いなんて思うけど
 友情 勝利 努力
 漫画みたいなこと起きないかなって
 思っちゃったりはする 正直

 最近の漫画は全然そうじゃないけど
 むしろ胸糞展開 グロテスク上等みたいな
 漫画とか流行ってるけども

 相棒っていう存在にも憧れる
 背中合わせに こう 何かに
 立ち向かう的な
 
 そんなことを考えながら
 窓際の席で今日も一人
 弁当を食う
 机の端には読みかけのライトノベル
 
 その前に
 話相手が欲しい
 

 
 

8/28/2024, 11:14:30 AM

【突然の君の訪問。】

 終電まで仕事をして
 片手には半額の弁当とビール缶
 何とか階段をあがり
 アパートの扉前まで辿り着く
 
 さあ 入ろうとしたところに
 なー という声がした
 
 するり と俺の足に擦り寄ってくる
 久々のダチ
 
 暫く見かけないと思ったら
 生きていたんだな
 
 何かなかったかとビニール袋を漁り
 半額の刺身が出てきたので
 半分 そいつにくれた
 
 ダチは満足そうに
 喉を鳴らしていた

8/27/2024, 1:40:45 PM

【雨に佇む】

 あ 雨だ。

 休日の昼間。特に目的もなく、街をうろうろしていたら、突然、ぽつり、ぽつり、と雫が落ちたかと思ったら、ざー。と一気に滝のような雨が降り注ぐ。
 周りの人たちは、慌てて雨宿りできるところを目指して駆け足になる。

 僕も慌てて、すぐ側のショッピングビルの壁際まで避難した。頭を鞄の上へ乗せ空を見上げる。

 晴れているのに、雨が降っている。変な感じ。

 「急に降ってきてびっくりしたねぇ」
 「ほんとな。ていうかこれからどうする? 」
 「このまま、ここにいようよ」

 すぐ隣の、カップルと思わしき男女が、落ちてきた雫をハンカチで拭きながら笑い合っている。通り雨すらも楽しめるそのマインドだけは羨ましい。僕は内心で溜息をついた。

 これからどうしようか。濡れるのは勘弁だけど、かと言って傘は持って来てないし、特に用事もないけれど、このまま雨がやむまで待つのは、近くの人間のせいで、僕の心情がよろしくない。こうなったらビルの壁をつたって濡れないように移動するか?

 悶々と悩む中も、雨の量が増す。
 隣の男女が雨すっご、とはしゃいでいる。

 雨にも隣にも、優柔不断な僕自身にも呆れてしまう。

 雨がやんだ瞬間に走り出そう。そしてその足でラーメンを食べに行くんだ。脂の乗った、こってりしたやつ。別にやけ食いなんかではない。別に。

 そんな僕の心内なんて知らずに、尚も雨は降り続けている。

8/26/2024, 10:46:03 AM

【私の日記帳】

 何かを記録することは好きだ。
昔からノートや文道具を集めていて、日記帳もまたそれらと同様に、目についたお気に入りは購入することが多かった。

 洋書風日記、鍵付きの日記帳。

 今も手元にある二冊。最初のうちは書き綴っていたものの、段々と書く気力がなくなり、ついに書かなくなって何年経ったか。考えたくない。鍵付きの日記に至っては鍵をどこにしまったか思い出せない。捨ててはいない筈……。

 何かを書くのは好きだが、記録を続ける持続力がない。ここ最近、客観的に自身を分析してみて改めて気づいたことだ。
 ついでに加えると、思いつきで買い物をしてしまう傾向もある気はする。いつか使うだろう、いつか使いたい、のような考えで過去の自分は日記帳を買ったのだろう。これは良くない。しかし、買ったものは仕方ない。

 折角、手元にあるのだから最大限活用したい。日記帳は装丁がしっかりされているので安くはない。数百円で買えるノートであれば、バラしてメモにするなり捨てるなりできるが、日記帳だとこうはいかない。ではどうするか。

 そもそも日記を辞めてしまう理由として、「絶対に毎日書かないと」という固定概念や思い込みが、自分の中で勝手にプレッシャーになり、書くことが楽しくなくなり、書くことをやめてしまう場合が多いらしい。加えて完璧主義だと尚更、続けるのがしんどくなるそうだ。ではどうしたら良いのか。「毎日じゃなく、書きたくなったらで良い」「完璧でなくても良い」のだ。

 毎日でなくても良い。
 今日書いたページの、次のページが何年かかっても構わない。

 こんなに気長で良いのか、と思うと気持ちが楽になる。でも折角、日記帳があることを思い出したので、今日は久しぶりに書いてみるか。

 本棚の奥に詰められ日記帳を取り出し、空白のページを開いた。

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