しののめ

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8/26/2025, 4:48:35 AM


 近所にあるカフェは
 外装がオシャレで
 店の前を通りかかるたびに
 店内の窓を覗き込むように
 見つめて 通りすぎる

 入りたいけど 緊張する
 目の前の扉を押せば
 簡単に入れるのに
 なぜだろう

 仕事終わりの帰り道
 今日も店の前で
 立ち止まる
 

【もう一歩だけ、】

8/20/2025, 10:45:51 AM

 指先に握る写真は 幾年も月日が流れ
 色褪せてしまった 写真の向こうでは
 君が覗き込み笑う すこしぎこちない
 笑顔は当時のまま きみをおいてきて
 僕だけがとおくへ 来てしまっていた
 いつか擦れていき 君が消えてしまう
 その瞬間のあとも【きっと忘れない】

8/20/2025, 9:35:59 AM

 泣いていない と
 両目から
 大量の雫を溢しながら
 口を窄めた

 生きていて良かった
 いなくなってしまうのかと
 思った とか

 それこそ 死んでも
 言えない

【何故泣くの?と聞かれたから】

8/18/2025, 10:48:58 PM

 トンネルの中を歩く
 ザッザッザッ と
 自分の歩く 音が響く

 歩みが中心に差し掛かった時に

 コッ コッ コッ と
 革靴の音が後ろから聞こえてきた

 思わず後ろを振り返る

 誰もいない

 気のせいかと安堵するも

 再び
 コッ コッ コッ と
 後ろから聞こえてくる

 コツ コツ コツ コツ

 音の間隔は徐々に短くなる
 はっきりと聞こえているのに
 後ろには誰もいない


【足音】

8/18/2025, 3:57:17 AM

 よく歌う 大好きな
 なつまつりの曲

 あの歌を口ずさむと
 いつだって
 夏が 永遠になる気がした

 浴衣姿の君がいて
 雑多な屋台道をかき分けて
 神社の石段で線香花火を見下ろし
 
 君に伝えたいことは言えず
 
 そして
 
 打ち上げ花火が
 空に消えていくのだ
 
【終わらない夏】

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