ふたりはいつも同じだった。
どこへ行こうと、いつであろうと、何をしようと、いつも。
時に走り、時に躓き、時に足を止めた。
その度にどちらか片方が「一緒に行こう」と言って手を握ってくれるのだ。
それは決して生温い優しさなんかではない。
どちらとも「『自分』がいちばん大事」だと言う。
「『相手』に絶対必要である存在」だと理解しているからだ。
離れることのない、途切れることのない、そんなつながり。
まるで阿吽の呼吸のようなもの。
だから、ふたりはいつも同じ。
2025.8.31.「ふたり」
ちなみにこの話一応ぐりとぐらです。
ふたりというとオレンジ(ボカロ歌)思い出しますねぇ。本当に美しい歌詞です。やっぱボカロにしかない栄養素がある。
「……お前、何で笑えてんの?」
「世界が綺麗だから」
「何で泣いてんの?」
「世界が醜いから」
「何で怒ってんの」
「世界が変化するから」
「こんな世界、いつでもやめられるのに……。どうしてそんなふうに生きていられるんだ」
「好きなことに対しては楽観的だからよ」
自分にはない感性、だから知りたくなる。
お前のことを、お前の中の風景を。
酷いことを言うくせにこの世界が好きだと言うお前は、多分、俺が生きていて一番美しい人だった。
2025.8.30.「心の中の風景は」
ポケマス赤さん喋っててビビった。
「夏の草。本当に謎の草だよな。」
「なぞのくさ?やかましいわ」
夏。
若々しい、みずみずしい、生き生きとして、活発な、暑さ……
とは言うが、もう今の夏なんて「夏」とは言えないんではないだろうか。明らかに暑すぎる。
しかも日本は気団のおかげで夏の湿気はたまったもんじゃない。耐えられない。本当に。がちで。しぬ。
もう、太陽が燦々として蒼い海の中で魚を指さすような体験はもう無理なんじゃないか。
そもそも外に出ようという気が起きない。
ほんと夏やめてほしい。太陽仕事すんな帰れ。残業代は出ねえんだぞ。お前らも税金で飯食ってんのか、ああん?
夏草。
昔誰かが見て感じ取った夏草の色、形、触り心地、周辺の植物や人たち、そこから色づく世界は、きっと今とは全く違う。
今の総理は本当によろしくない。人間性がもうダメ。逆に人側である私たちが尊敬するレベル。いや、もう人間じゃないか。
結論、何が言いたいのかというと、昔見た景色は今とは全然違って見える。それが美しいのか醜いのかは、その人の価値観や信じているものによって違ってくるし、その評価を鵜呑みにして流される人もいる。
自分を貫け。曲げるな。延ばせ。
こうしたい、ああしたい。そう思ったことを口に出せ。行動に移せ。じゃなきゃ今、人間、いや日本人としての誇りが薄れてしまうぞ。
「とーりーあーえーず、『鳥取県民期待してるぞ』、と」
昨日の雷から一変して晴れ渡った空の下、夏草は爽やかに揺れていた。
2025.8.28. 「夏草」
なぞのくさ言いたかっただけです。
あと売国総理はマジでどうにかしないと終わるぞ日本。どうすればいいんだ。
「この日にここを訪れるのが私にとっての『世界一素敵なこと』なんだ」
今日は8月28日。学生である俺にとってはもうすぐ夏休みが終わってしまう最悪な最後の週だ。
運動不足で体調を崩すのもだめだし、夏休みが明けても部活について行けるようにしなくちゃな、と、通学路を走り込みしていたら、ちょうど墓地にその女の子がいたのだ。
「きみはなんて言うの?お母さんは?」
「あなたが初めてよ。そんなふうに話しかけてくれたの」
「は?何のことだよ。てか流暢だな」
明らかに小学生の見た目をしているが、精神的にはすでに高校生を名乗れるくらいには落ち着いていて、感情の起伏も少なさそうだった。
不思議な子だと思った。
「おい、おいニイちゃん」
「え、はい。俺っすか?」
急に背中を叩かれた、と思ったら、近所に住んでるおじいちゃん。びっくりした。
触れられた途端、音のない世界に歌が聞こえるとか、モノクロの世界に花が咲くとかみたいな、何もないところから色づくような変化。
「……ニイちゃんさっきからどうしたんだ?走ってたんだろう?なのに急に立ち止まって墓地の方見て……」
「え、だってそこに……あれ?」
「疲れてるんなら早く帰んな!ニイちゃんよぉ」
「……はい、お気遣いありがとうございます……?」
……女の子は無事に帰れたのかな。
と心配になりながらも、墓地に立っている一つの大きな木から、目が離せなかった。
2025.8.28.「ここにある」
王道な異怪ですね。
なぜか知らんけど「プレートじゃねぇか!」がよぎりました。やっぱ印象強いあの人。
「はあ〜〜〜。」
今まで感じていた日々のストレスや苛立ち、罪悪感、抑えていたもの……それらが全て文字通り洗い流されるような場所へ来た。
思わず声が漏れるほど美しさを持つ海だった。
一歩、一歩と進んでいくうちに、そのうち自分も海の一部になるんだろうか、と、夢のようなことを考える。本当にそうなれたらいいのに。
人は死ぬと星になる、なんてよく言うが、星は天に近い場所、つまり天国に行くということを身近な自然で例えたものに過ぎない。
天国に行ける人間、地獄に堕ちる人間と、様々だが。
多分自分は地獄に堕ちる。
嘘も付いたし、言ってはいけない言葉も吐いた。人に怒ったこともあるし、無責任に放ったこともある。
自分のことを「天国に行かせてあげて」なんて言う血のつながらない他人はいないだろう。両親でさえ怪しい。自分は結構親不孝な気がする。
「……つめた、」
来いよ来いよと騒ぐようにして、行ったり来たりを繰り返す波。真夏で蝉が甲高く鳴くにも関わらず、海はただ冷たくて気持ちよかった。
それでも汚れた水だ。豪華な食事が出てきても、まずは手をつけずに観察するのが自分だ。用心深く、疑心暗鬼になるのは生きる上で狡猾になれた。
「今年の夏は、もういいかな。」
このまま海に沈みたい。一部になりたい。喰われたい。
それで最後にしたい。
2025.8.26. 「素足のままで」
夏休みが終わるなんて信じらんねえ。
海も祭りも行けなかったわ。
テストより人間が怖い。