夜空にたった一つ輝く、小さな星。
大切な人を失った夜、初めてその存在に気づいた。
星は微かに明滅していた。
まるで、寂しいと泣いているような、
あるいは、「同類」の自分を慰めるような、
美しく、孤独な光だと思った。
どれだけ手を伸ばしても、あの星には届かない。
だからせめて、あの星のそばには寄り添ってくれる光が現れますようにと願った。
【星に願って】
ずっと、「守る」立場にいた。
まあ守るものなんて、自分以外にはなかったが。
けど、初めてお前に「守られ」て。
俺みたいな他人を「守る」お前を見て。
「守られる」のも、悪くないと思った。
大量の傷や責務を背負ったその背中。
そこに俺までのしかかるのは申し訳ないけど。
少しだけ、お前の後ろにいさせてほしい。
その代わり、俺のほうが強くなったら、大人しく俺に守られてろよ。
【君の背中】
そう易々と話してしまっては、秘密である意味がない。
だろう?
【誰も知らない秘密】
今日は、いつもより少し早く起きてみた。
カーテンを開けて、外の景色を見る。
暗い空の下、ぽつぽつとつく建物の明かり。
それらを線で繋いでみたりしながら、しばらく眺めていた。
視界の横のほうから光が差してきた。
「夜明け」の文字が漠然と頭に浮かぶ。
太陽の光は音もなく、夜の色を食べていく。
その景色を見ながら、これも今日で最後か、と呟いた。
不満な訳じゃない。むしろある種の楽しみさえあった。
今日は、最高にうるさくて最高に愛おしい相棒が、この家に入る日だから。
これからきっと、この家も、自分の心も、毎日うるさくなるだろう。
そうなることをどこか心待ちにしながら、最後の静かな夜明けを堪能した。
【静かな夜明け】
「おいで」
そう言って、自分のためだけに空けてくれるその場所。
そこに飛び込んだ瞬間、二人の心はつながる。
【heart to heart】
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人肌っていいですよね。