10/14/2025, 10:49:13 AM
不器用なお前が手ずから皮をむき、切り分けてくれた梨。
一つ取り、でこぼこの白い果肉を噛む。
繊維をほぐし、口中を甘い水で満たしながら、静かに味わう。
少しずつ飲み込み、さてもう一口、といったところで、お前が梨に手をつけず、こちらを見つめていることに気づいた。
「なんだよ」と問う。
「んー?幸せだな、って」
特に実が欠けた一切れをおもむろに手に取りながら、お前はそう呟いた。
【梨】
10/13/2025, 12:35:31 AM
お前と一緒なら、どこまでも行ける。
というより、
お前の行くところなら、どこまでもついていく。
【どこまでも】
_______
ただの執着でごめんなさい。
10/9/2025, 5:56:28 AM
アイツには笑っていてほしい。
けど、アイツを笑わせるのはオレじゃない。
だからオレは身を引く。
アイツの幸せが、オレの幸せだから。
…って、それっぽいことを言ってはみるけど、
結局オレは臆病なだけなんだ。
確かに、心からアイツの幸せを願ってる。
不幸にしたくないから、離れる選択をした。
けどそのあと、幸せに生きてるアイツを見て嫉妬するのが怖い。
オレ自身が不幸になりたくない。
アイツのためなんて言っときながら、結局自分のことしか考えられてないんだ、オレは。
惨めだなあ。
【愛する、それ故に】
_______
しかしそれも主観でしかない。
「アイツ」の気持ちも知らないで。
10/8/2025, 9:44:03 AM
これが「孤独」か、と。
【静寂の中心で】
10/6/2025, 10:46:19 PM
はらりと落ちたその一枚を拾って、
少し眺めていたかと思うと、アイツはそれを俺の髪に刺してきた。
そして、
「お前、意外と赤も似合うじゃん」
と言って、真っ赤な瞳を細めてはにかんだ。
耳をくすぐってくる紅葉に触れながら、
(お前が一番、俺に似合う「赤」だけどな)
なんてことを思ったりもしたが、言うのはやめておいた。
【燃える葉】