相棒は、愛する人のために遠くへ旅立った。
オレに何も知らせずに。
相棒は戻ってきた。
逝きかけの体一つ残して。
結局、行ったきりじゃねえか。
オレにはお前が必要だって分かってるくせに。
【行かないでと、願ったのに】
ただ、アイツの隣にいて、
一緒に喜んで、
一緒に泣いて、
一緒に苦しんで、
一緒に生きて、生きて、生きて、
【そして、】
──────
同時に死ねたらいいな。
毎朝コーヒーを淹れてくれること。
面白そうな本を教えてくれること。
時々、好物を作ってくれること。
襟を直してくれること。
寝落ちしたとき、布団をかけてくれること。
小さな傷でも手当てしてくれること。
寄り添って、温度を分けてくれること。
俺の隣で、笑っていてくれること。
【tiny love】
オレ、アイツのことどう思ってんの?
【終わらない問い】
「無人島でサバイバルってよく見るネタだけどさあ」
「突然なんの話だよ」
「行ってすぐ帰るよりもそこに住み着いたほうが有意義じゃねえかって思ったんだよ」
「話聞けよ」
「お前がな?」
「は?」
「でさオレ、新しい夢ができたんだ」
「はあ、もういいや。何だその夢ってのは」
「無人島に住んで一から島を開拓してオレの国をつくる!!!」
「馬鹿馬鹿しい」
「別にいいだろ!!??夢はデカければデカいほどいいんだよ!!」
「すでにデカい夢持ってんだろお前は。これ以上増やしてどうするんだよ」
「ふん、オレは最強になる男だ!!!デカい夢いくつも叶えてこそだろ!!!!!」
「はあ…」
「…………んでさ」
「まだなんかあるのかよ」
「オレが無人島行くときは、お前もついてきてくれっか?」
「なんで」
「んー、…そもそもオレ、お前がいねえと生きていけないし…さ」
「……………」
「な?離れんの嫌なんだよ、だからさ」
「…………っしゃーねーなぁ、お前ってヤツは」
【無人島に行くならば】