Moon

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6/26/2023, 11:25:10 AM

僕と君は病院で出会った。
僕たちは同い年で、難病持ちってことで、
意気投合。
すぐに仲良くなって、親友同士になった。

そのうち僕たちは惹かれあった。
だけど、万が一のことを考えて、
僕たちはお互いに告白せず、
その気持ちに気付かないふりをした。

僕たちが出会って4ヶ月後、
突然君から告白されたが、
僕は驚きと嬉しさが半分半分だった。
僕は1日待って欲しいと言ったけど、
君は今聞きたいと言った。
僕は好きだったから答えは決まっていた。
すぐ返事をしたら君はとても喜んだ。

それが君と最後に会った日となった。

【君と最後に会った日】


#62

6/26/2023, 12:16:26 AM

触ったら崩れ落ちそうな、
脆く危うい繊細な花のような君。

君は優しすぎる。
優しすぎるが故に
自分を犠牲にしてまで人を助ける。

みんなが君を
〝強い〟〝憧れる〟〝かっこいい〟
などと言っていた。
だけど僕は知っている。
君は優しいから誰にも弱みを見せない。
本当の君は〝か弱い〟〝繊細〟
って言葉が似合うくらいな人。

優しいが故に傷つきやすく、
自分より人のことを考えるから
自分の心の傷に気づかない。

そのうち手当ができないくらいの
たくさんの傷を負って、
取り返しがつかなくなるんじゃないか、
君が壊れてしまうんじゃないかと
僕は怖くてたまらない。

だから、僕は君を繊細な花のように
扱い傍で何時でも支えれる人になりたい。



【繊細な花】


#61

6/24/2023, 2:19:26 PM

今僕は自殺未遂で病院にいる。
自殺しようとして、家族が出かけた隙に
家に火をつけた。
その時僕を家から出してくれた人がいた。
その人は消防士ではなく、
近所に住むお兄ちゃんだった。

僕より酷い火傷を負ってしまっていた。

僕は分からなかった。
何故、自分が傷ついてまで、
死のうとしていた僕を助けようとしたのか。
僕からしたら死のうと思ってたのに、
邪魔しやがってとしか思わなかった。

その事はその日からちょうど一年後に
知ることになった。

あれから僕は近所のお兄ちゃんの行動が
分からなくて、モヤモヤして、
死ぬに死ねなくて、今日も生きている。

1年経った今でもよく分からない。

ふとあの時のことを思い出しながら
歩いていたら、なにか声がした。
僕はなにか聞こえるけど、まぁいいや
くらいにしか思わなかった。
その時クラクションが聞こえたと同時に
すごい衝撃を受けた。
でも、何故かあまり痛くない。

どうやら僕は信号が赤になっていることに
気づかず、車の前に飛び出していたようだ。
聞こえた声は教えてくれていたのだろう。
痛くなかったのは誰かが僕を助けてくれていたから。
その誰かの顔を見た時、ビックリした。
顔には大きな火傷の痕。
1年前僕の自殺を邪魔をした
近所のお兄ちゃんだった。

そのお兄ちゃんにお礼を言って
立ち去ろうとした時、名前を呼ばれた。
そのお兄ちゃんは僕のことを覚えていたのだ。

何故か流れで連絡を交換し、
数日後会うことになった。

待ち合わせ場所につき、お店に入り席に着くと
お兄ちゃんは唐突に
『俺はお前を助けたこと後悔していない。』
と言った。
僕は驚きと怒りが入り交じり、
声が出なかった。
お兄ちゃんは続けた。
『家の前の道ですれ違う度顔色が
どんどん悪くなる君を見て、
目が離せなくなった。
家族は気づいて無さそうだし、
俺が何とかしてやらなきゃって思った。
声をかけに行こうとした時、
お前の家から黒い煙が見えた。
その時は体が勝手に動いて…、
俺はお前に死んで欲しくなかった。』と。

俺は更に怒りが募る。
正直そんなのはお前が勝手にやったことで、
僕を救ってるつもりかもしれないが
それはありがた迷惑というやつだ。

僕は怒りを沈めながら話を聞いた。

そんな僕の顔を見てお兄ちゃんはこう言った。
『俺は1度お前に助けられたことがある』と。

僕はなんのことを
言ってるのか分からなかった。
助けた覚えなどないからだ。

お兄ちゃんは続けた。
『昔色んなことが上手くいかなくて、
公園のブランコに座って
どうやって死のうか考えてた時、
ある男の子が心配そうに声をかけてくれた。
俺は顔を上げてその子を見たら
ボロボロの制服をきて、
顔は傷まみれだった。
この子は自分が今すごく辛いのに
俺のことを心配してくれている。
そう思ったらその子がキラキラして見えた。
その日から俺はその子のようになりたいと
辛い思いしてるのは俺だけじゃないと
前を向けるようになった。
その子がお前だった。
だから、死のうとしているお前を見て
苦しかった。助けたいと思った。』と。

僕は驚きを隠せなかった。
僕にとっては、忘れてしまうような
些細なことでこの人は救われたんだ…。
そう思ったら、何だか心がすぅっとした。
僕は多分誰かの役に立ったり、
必要とされたかったんだと気づいた。

その日から僕は夢ができて、
前を向けるようになった。

今はあの会社も辞めて、
夢に向かって勉強中。
あの時のお兄ちゃんに感謝しながら
今日も僕は生きていく。

【1年後】


#60

6/24/2023, 6:11:15 AM

子供の頃は親の目を気にして、
お利口でいなきゃと思っていた。
欲しいものは我慢をしたし、
2択を迫られても親が気に入る、
納得のいく選択しかしてこなかった。

僕は僕自身を押し殺して、
親に気に入られるように頑張ってきた。

僕が20歳になった時、親から
『自分の好きなように生きなさい。』
と言われた。

急に突き放され、
僕はどうしたらいいか分からなかった。

今まで僕を押し殺して生きてきた僕が
急に好きなように生きなさいと言われても
どう生きていいか分からなかった。

会社でも上司が求める言葉、態度でしか
接してこなかった。
もちろん恋人にも。
そのせいか恋人に振られる時は決まって、
『私が求めてることしか言わないし、
しないからつまらない。
本当に私の事好きだった?』だった。

何がいけないのか、何をどう治したらいいか
自分でもよく分からなかった。

そんな時君と出会った。
君はいつも僕のことを見透かしているような
言動とる。
最初はそれがすごく嫌だった。
でもそのうち、
僕自身のことを見てくれているみたいで
嬉しくなった。居心地が良くなった。

僕は今まで本気で人を好きになったことがなかった。
告白してくれた相手の求める言葉、わかった付き合おうしか言わなかったから。

だから、僕は初めて恋に落ち告白を決めた。
こんな心地の良いドキドキは初めてだった。

そして、告白した時、君は泣きながら
喜んでくれた。

この日から僕は本当の僕でいれる
居場所ができた。

【子供の頃は】


#59

6/22/2023, 2:57:05 PM

君との喧嘩は日常茶飯事だ。
だけど、特に今回の喧嘩は酷く、
僕もかなり言い過ぎてしまった。
怒って帰ろうとする君の手を取ろうと
手を伸ばす。
その手はすり抜け、君は走った。
その瞬間ドンっと鈍い音と共に
視界に入ったのは血まみれになって
倒れている君。
細い道を出た君と一時停止を無視して
走ってきたトラックがぶつかったのだ。

君は即死だった。

僕は謝りたかった。
本当はあんなこと思ってないよって
言いたかった。
だけど、それはもう君には届かない。

君との喧嘩をして、仲直りして、
一緒に帰るのが好きだった。

あの日常は戻ってこない。

だだただ、君がいなくて、
あの日のことをずっと後悔している
嫌な日常を僕は今日も過ごしている。

【日常】


#58

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