Moon

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子供の頃は親の目を気にして、
お利口でいなきゃと思っていた。
欲しいものは我慢をしたし、
2択を迫られても親が気に入る、
納得のいく選択しかしてこなかった。

僕は僕自身を押し殺して、
親に気に入られるように頑張ってきた。

僕が20歳になった時、親から
『自分の好きなように生きなさい。』
と言われた。

急に突き放され、
僕はどうしたらいいか分からなかった。

今まで僕を押し殺して生きてきた僕が
急に好きなように生きなさいと言われても
どう生きていいか分からなかった。

会社でも上司が求める言葉、態度でしか
接してこなかった。
もちろん恋人にも。
そのせいか恋人に振られる時は決まって、
『私が求めてることしか言わないし、
しないからつまらない。
本当に私の事好きだった?』だった。

何がいけないのか、何をどう治したらいいか
自分でもよく分からなかった。

そんな時君と出会った。
君はいつも僕のことを見透かしているような
言動とる。
最初はそれがすごく嫌だった。
でもそのうち、
僕自身のことを見てくれているみたいで
嬉しくなった。居心地が良くなった。

僕は今まで本気で人を好きになったことがなかった。
告白してくれた相手の求める言葉、わかった付き合おうしか言わなかったから。

だから、僕は初めて恋に落ち告白を決めた。
こんな心地の良いドキドキは初めてだった。

そして、告白した時、君は泣きながら
喜んでくれた。

この日から僕は本当の僕でいれる
居場所ができた。

【子供の頃は】


#59

6/24/2023, 6:11:15 AM