俺の心が不健康になったのは、いつだろう?
生まれた時?
幼い頃に親が共働きで朝早くから夜遅くまで居なくて寂しくて人格を作り出した時?
常に兄弟と比べられた時?
俺だけ褒められたことがないことに気づいた時?
保育園にいた頃に悪口を言われた時?
それとも仲間はずれにされた時?
保育園で大好きな先生に手紙を書いて渡したら、教室のゴミ箱に破って捨ててあるのを見つけた時?
小学生に入っていじめがエスカレートした時?
大事だった靴をドブに捨てられ、教科書とノートに落書きされビリビリにされた時?
いじめのことを勇気出して先生に話したけど、信じて貰えなかった時?
むしろ、話した時にいじめっ子側を先生が庇った時?
1番仲良くて、1番の友達だと思ってた子がいじめの主犯だってわかった時?
性別違和感を感じた時?
それを親に相談したけど、全否定された時?
中学に入って、理不尽に毎日担任に職員室に呼ばれて怒鳴られた時?
誤解からチクリ魔扱いされ、他校の人間にも名前が知れ渡った時?
俺は顔も名前も知らない奴らから暴言を浴びせられた時?
知らない先輩とすれ違う時わざとぶつかられるようになった時?
初めての彼氏にレイプされた時?
それでも好きだった彼氏との間に子供が出来て嬉しかったけど、報告したらお腹を殴られた時?
DVが酷くなった時?
浮気された時?
その浮気相手が俺の友達だった時?
高校中退、病気持ち、子供が幼いからと仕事の面接が何百件と落とされた時?
人の心が健康じゃなくなる理由は、周りからしたら些細なことかもしれない。
でも、本人にはすごく辛いことで、気づいた時には心が不健康になり、体も不健康になる。
いじめてきた奴らを浮気をした彼氏を彼氏を取った友達を久々に見た時、親子3人、4人で幸せそうに買い物をしていた。
恐らくあいつらは俺の事なんか一切覚えていない。
俺は未だに心の不健康のせいで仕事もできず、片親で娘と自分の生活を市から国からの援助でその日暮らしで生きている。
人の心を不健康にすることは、その人の人生をめちゃくちゃにするのと同じこと。
いじめてきた主犯だけじゃない。見て見ぬふりをしてきた人らも同じだ。
1人に声かけられていたら、また、違う人生を送っていたかもしれない。
親が助けてくれていたら、また違う人生を送っていたかもしれない。
人を傷つける側は何も覚えていない。
でも、傷つけられた側は一生それと戦っていかないといけない。
今でも昨日のように思い出しては、パニックを起こす。
これからも戦いが続く。
この心が健康になる日は来るのかと不安を抱えたまま。
【心の健康】
#97
最近なんだか体調が優れない。
周りからの勧めで、病院に行くことにした。
検査結果は酷いもので、末期癌、余命2ヶ月。
僕には同性のパートナーがいた。
僕がいなくなった後、君のことがとても心配だ。
僕が死んでいなくなるより、生きている間に離れた方が君の為かもしれない。僕はそう考えるようになった。
だから、僕は浮気のフリをすることにした。
相手役は異性の友人に頼んだ。
君はとても辛そうに苦しそうに泣いて怒った。
それでいいんだ。僕を恨んで嫌ってくれ。
すまない…。君にこんな顔をさせるなんてな…ずっと一緒にいると約束したのに…すまない…。
あえて異性を選ぶことで、君に嫌われたかった。
僕のことを嫌って、新しい恋をして、僕のことは過去の人として、これから幸せになって欲しかった。
いや、これは僕のエゴかな…。
僕が生きたいとこれからも君といたいと望んでしまわないように君から離れたかったんだ。
それが、たとえ間違いだったとしても…。
【たとえ間違いだったとしても】
#96
いつも暗くて愛想のない僕に声をかけてくれる君。
君の太陽のよな花のようなその笑顔が好きだ。
君が可愛い顔で笑っている。
でも、隣は僕じゃない誰か。
僕は遠くから見守るしかない。
でも、心が痛いんだ。
何も出来ない。何かをする勇気もない。
ただただ、目から雫が零れる。
それを隠すことしかできない。
この気持ちがバレないように、君に笑顔を向ける。
そんな自分が大嫌いだ。
【雫】
#95
僕は両親も居て、兄弟もいて、外から見たらすごく幸せな家族なんだろう。
だけど、内側は精神疾患を持っている僕に兄弟はよそよそしく、両親は怒ることさえしてくれない。
元々褒めるタイプの親でもないから、僕に無関心なのだろう。
まともに愛を注いで貰えなかった。
こうやって育ったからか、僕は20歳を超えた頃には心に穴が空いていて、人に無関心なのに執着心があり、承認欲求の塊になっていた。
普段は余程の事がない限り、笑わない、泣かない、何も感じない。
だけど、季節の変わり目、天候が不安定な時期は自律神経の乱れからか、夜は寝れず昼間はずっと眠くなり、それが続いて情緒不安定になる。
それがまた続くと夜中床に就く頃に涙が止まらなくなって、なんで自分が泣いてるのかも分からないまま、家族にバレないように必死に声を抑えて泣く。
そして、泣き疲れていつの間にか寝て、気づくとお昼前。
何をしても心が埋まらない。心の穴が塞がらない。
だから、毎日毎日僕はこう思う。
『誰か、誰でもいいから僕のこの心の穴に〝愛〟を注いで埋めて』
【愛を注いで】
#94
親が引いたレールの上を進んでく運命。
僕は夢があったけど、それを親は望まない。
そんな葛藤が嫌になって、僕は逃げた。
全てがどうでも良くなった。
僕はとにかく高いところを探して登った。
ここから飛び降りれば、楽になるかな…。
そう思って柵を乗り越えたとき、
『自分で自分の人生を終わらせないで!!!』
と叫ぶ声が聞こえた。
その声の元を探していると、見つける間もなく声が聞こえた。
『死んだらそこで終わりだよ!生きてたらきっとなんとかなる!!!!』
そう叫ぶ声がさっきより近い所から聞こえた。
だんだんムカついてきて、僕は
『お前に僕の何がわかる!!』と叫んだ。
『わからないよ!!でも、俺は君に死んで欲しくない…』
その声は真後ろから聞こえた。
僕が振り返るとその子は優しくそっと僕を抱きしめた。
その優しい温もりに僕は涙が止まらなかった。
親にすら抱きしめられたことがなかった僕を誰とも分からない僕を君は抱きしめてくれた。
それだけで、僕の存在価値は上がり、涙が止まった後はスッキリしていた。
僕は『君の為に生きたい。君の笑顔がみたい』と君に言った。
すると『俺も君もお互いのことをなにも知らない。名前すら…だから、これから2人でお互いを知る為に一緒にいよう』と君は言った。
僕は驚きを隠せなかった。それを見た君はふにゃっと笑い、その顔を僕は可愛いと思った。
これからの事は何も分からない。
だけど、今をこの瞬間を大事にして生きていこうと心に誓った。
【終わらせないで】
#93