待ってて
『犬』
京先生「夜ちょっといいか」
私の名前は夜、花の女子高生。
私は数学の田中先生に質問をしに放課後の職員室に来て、用事が終わり職員室から出ようとしたとき職員室にいた担任の京先生に呼び止められた。
夜「はい、なんですか」
京先生「未衣(みい)のことなんだけどな」
京先生はこちらまで来て職員室の扉の横で話し出した。
夜「未衣がどうかしたんですか?」
京先生「あいつ最近特に成績が落ちてきてるんだ」
夜「はい、」
京先生が何を言わんとしているのかがわからなかった。
京先生「夜は成績が良くて、しかも未衣と仲が良いだろ」
京先生が何を言いたいのかがよくわかった。
京先生「だから勉強教えてやってくれないか」
夜「それだったら京先生が教えたらいいんじゃないんですか?」
京先生「僕も教えはするけど、先生より仲の良い友達に教えられた方が覚えると思うんだよ」
夜「わかりました!じゃあ京先生よりもわっかりやすく教えて担任の座を奪ってみせます!」
京先生「ふふっじゃあ頼んだわ」
夜「はい、失礼します!」
そう言って職員室を出た。
藤介(とうすけ)「おい!夜、あいつどうにかしてくれよ、おもんないダジャレばっか言ってきてうざいぞ、お前の飼い犬だろ、ちゃんとしつけしとけよな」
教室へ戻る廊下で同じクラスの藤介が走ってきて言ってきた。
夜「い、ぬ?」
一瞬なんのことかわからなかったがすぐに理解した。
夜「あー、未衣のことね」
藤介「そうだよ!どうにかしろよ、やばい!来やがった、じゃあな!」
そう言って藤介は走って行ってしまった。
未衣「待て!藤介!『ねこがねころんだ』!『チャイナに行っチャイナ』!あはははっ、おっ!夜何やってんの?」
奥から未衣が走ってきた。
夜「それはこっちのセリフだよ、何やってんの?」
未衣「藤介がなんか『お前馬鹿だよな』とか言ってきたからダジャレで笑い殺してやろうと思ってさ」
夜「なによそれ笑、とりあえずもう帰ろ」
未衣「オッケー!」
家に帰ってから未衣にどんなイタズラをしようかと考えていると藤介の言っていたことを思い出した。
夜「未衣は私の犬かぁ〜、、、良いこと思いついた!」
次の日
今日は学校は休み、いつものように未衣と遊ぶ約束をしていたので待ち合わせの公園に行った。
未衣「今日はなにする?」
夜「ちょっと待ってて」
未衣「ん?オッケー」
私は未衣をその場に置いて未衣からは見えない所に隠れて未衣を偵察した。
未衣が私の飼い犬なら待てと言ったらいつまでも待ってくれるだろうと思いどれだけ待てるか偵察することにした。
未衣はありえないくらい電話してきたり、メールを送ってきたりするが、私は無視をした。
未衣はずっと待ってた。
未衣は落ちてた野糞をつっついたり、野良猫に噛まれたり、小学生と鬼ごっこをしたりしていた。
かれこれ3時間が経った。
もういいかと思い未衣のもとへと行った。
未衣「ちょっと!何やってたの?!大丈夫?」
夜「ずっと未衣のこと見張ってた」
未衣「なんでぇ?」
夜「未衣は私の飼い犬だからどれだけ待てるかなって思って試してみた」
未衣「なんだぁ〜それなら良かった、夜になんかあったと思って心配したよぉ〜」
夜「なんで心配すんのよ笑」
未衣「だぁって、わたし夜のこと好きだから」
夜「未衣、、、それはキモいわ」
未衣「ちょっとそんなこと言わないでよぉ〜」
2人で笑い合った
未衣はかわいくて、優しくて、面白い、花の女子高生。
そして私の大親友だ。
未衣「ねぇねぇ『犬がいぬ』なんつって、あはははっ」
やっぱ面白くはないか
伝えたい
『伝言は難しい』
夜(よる)「ねぇ未衣、イヤホンガンガン伝言ゲームって知っている?」
未衣(みい)「なにそれ!おもしろそう」
夜「やろやろ」
私の名前は未衣、花の女子高生。
そして今は1時間目の授業が終わり休み時間中だ。
そんな休み時間の教室で友達の夜が話しかけてきた。
未衣「それでルールは?」
夜「すごい簡単だよ、お互いにイヤホンをつけて大音量で音楽を聴きながら何か言葉を伝言するってゲーム、変な言葉に化けたりして面白いんだ」
未衣「いいじゃんいいじゃん、次移動授業だよね、早くしよ」
夜「じゃあ最初は未衣から伝言して」
未衣「オッケー」
私達はイヤホンをつけて大音量で音楽を流した。
未衣「じゃあ行くよ!」
大きい声で拳を上に突き上げてジェスチャーでスタートを夜に知らせた。
未衣「夜!公園で!立ちション!」
夜「えっ?もう一回もう一回」
夜が人差し指を立ててジェスチャーする。
それを見て私はもう一度言った。
未衣「夜!公園で!立ちション!」
夜「オッケーオッケー、わかった、じゃあ外そ」
夜がイヤホンを外したので私も外した。
未衣「なんて聞こえた?!」
夜「えーとね、『夜、甲府温泉』?」
未衣「全然違うよ〜」
夜「じゃあ何だったの?」
未衣「『夜、公園で、立ちション』だよ」
夜「全然違うじゃん笑、てかそれ前も言ってたよね、私女子だから!そんなんしないし」
未衣「まっとりあえず今度は夜が言葉、プリーズ」
夜「オッケー」
私達はまたイヤホンをつけた。
夜が口を動かし何か言いながら拳を上に突き上げた。
おそらく「じゃあ行くよ!」と言ったのだろう。
私は「オッケー」と返した。
そしたら夜は急に斜め上を向いた。
そしてすぐにこちらを向いて口を動かした
夜「も#%"&まっ#^」
私は何を言ってるのかわからなかった。
未衣「もう一回もう一回」
と言いながら人差し指を立てた。
そしたら夜はもう一度口を動かした。
夜「も#%"&まっ#^」
未衣「え〜たぶんこれかな」
そう言いながらイヤホンを外した。
そしてそれを見て夜もイヤホンを外した。
夜「なんて聞こえた?」
未衣「たぶん、『もれた、私』?」
夜「全然違うよ、正解は『もう授業始まってるよ』だよ」
未衣「えっ!?」
私はすぐに黒板上の時計を見た。
授業が始まってもう5分も経っていた。
ガラガラ
先生「お前ら!もう授業始まってるぞ!何してんだ!」
先生が私達2人だけしかいない教室に入ってきて言った。
未衣、夜「ごめんなさい」
この場所で
『待ち合わせ』
夜(よる)「明日待ち合わせどこにする?」
未衣(みい)「あの場所でいいんじゃない」
夜「おっけー、あの場所ね」
未衣「じゃあ、また明日ね」
夜「じゃあ、明日」
私の名前は未衣、花の女子高生。
学校が終わり帰り際に明日の休みに夜と遊ぶ約束をしていて待ち合わせの場所を決めた。
私達は仲良しだから『あの場所で』と言っただけでどこの場所かすぐに分かる。
これこそまさに親友だ。
次の日
未衣「遅い!もう1時間も過ぎてるんだけど」
私は待ち合わせの時間になっても来ない夜に電話した。
夜「それはこっちのセリフだよ!」
未衣「え?どこいんの?」
夜「『金魚の唇公園』だよ!」
未衣「どこそれ!?」
夜「覚えてないの?未衣が小学生相手に向きになって口喧嘩して負けて泣いたとこだよ」
未衣「そんな場所待ち合わせにするわけ無いでしょ!」
夜「そう言う未衣はどこいんのよ!」
未衣「『ひしゃげた自然薯公園』だよ!」
夜「どこよそれ!?」
未衣「覚えてないの?夜が立ちションしたとこだよ」
夜「そんなんしたことないし!女子だし!」
未衣「あぁこれは夢で見たんだった」
夜「もういいから、とりあえず中間地点のあの場所で待ち合わせね」
未衣「おっけー今度はちゃんと来てよ」
30分後
未衣「お待たせ〜」
夜「きたきた、やっと来たよ」
未衣「最初っからここに来ればよかったんだよ」
夜「この場所だもんね」
未衣「うん、この場所で初めて出会ったんだもんね」
誰もがみんな
『誰もがみんな悩んでいる』
ヴィラン「なぁ、ヒーロー、俺はもう100人以上の人間を殺した大ヴィランだ、今更後戻りなんてできなぇーんだよ」
俺はヒーロー、スパーパワーを使い沢山のヴィランを退治してきた。
そしてずっと追っていたヴィランをついに追い詰めた。
ヒーロー「後戻りなんてできないかもしれない、でもこれから先お前の手で亡くなる人をなくすことはできる、だからもうヴィランなんてやめるんだ」
俺はこのヴィランになんて言葉をかければいいのかわからず、それらしいことしか言えなかった。
俺はずっと悩んでる、何が正しくて何が間違っているのかがわからない。
俺はただひたすら自分の思う正義の通りにひた走ってきた。
それが世間からも正義だと認められた。
しかしこのヴィランも自分の思う正義の通りにひた走ってきた、それが世間から悪だと言われた。
ヴィラン「俺は長いことヴィランをやってきてわからなくなった、何が正しくて何が間違っているのか、でもひとつの答えにたどり着いた」
ヒーロー「なんだ?」
俺は気になった、ずっと悩んでいる答えをこいつはわかったのだ。
ヴィラン「何が正しくて何が間違っているのかなんて誰にもわからない、それなら!自分の正義を最後まで押し切るだけだ!」
俺はこのヴィランと対峙する前にこのヴィランの情報は全て知っていた。
こいつはこの世の中、人間に見捨てられ絶望した挙げ句、ヴィランとなった。
この世の中には犯罪を犯さずとも悪いことをしている悪人がいる、このヴィランはそういう人たちを殺して回ってる。
悪人の退治、やっていることは同じでも大きく違うところがある。
悪人を切り捨て殺すか悪人をねじ伏せ更生させるか。
ヒーロー「そうか、、、」
俺はどうしていいか、何を言えばいいのかわからなくなった。
何が正しくて何が間違っているのかわからない。
子ども「ヒーロー!がんばれ!」
そんな時後ろから子どもの応援する声が聞こえてきた。
そうだ!
ヒーロー「おい!ヴィラン、何が正しくて何が間違っているのかなんて誰にもわからない!でも俺は人々が笑顔になる正義を最後まで押し切る!、それがヒーローだ」
ヴィラン「、、、良い答えだヒーロー、お前に負けれてよかった」
花束
『花言葉』
私の名前は未衣、花の女子高生。
京先生「今日は母の日だな、みんな母親にいつものお礼になんかしてあげろよ」
授業が早めに終わり休み時間まであと3分となり、担任の京先生が言った。
藤介(とうすけ)「でも何してあげたらいいんですか」
前の席の藤介は机に突っ伏して気怠そうに言った。
京先生「お花をあげたらいいんじゃないか、カーネーションとか」
藤介「カーネーションね〜」
また気怠そうに言った。
京先生「あっでも気をつけろよ、カーネーションは赤いヤツをあげるんだぞ」
未衣(みい)「なんでなんですか?」
疑問に思ったので私は質問した。
京先生「カーネーションは色によって花言葉が違うんだ、赤が母への愛、白は尊敬とかな」
未衣「へぇ〜、そりゃ知らなんだだ」
京先生「僕は大学で植物サークルに入ってて花言葉とかにすごく詳しいんだ」
未衣「へぇ~、そらも知らなんだだ」
キーンコーンカーンコーン
チャイムが鳴って休み時間となった。
夜「ねっ未衣、黄色いカーネーションの花言葉知ってる?」
友達の夜が後ろの席から声をかけてきた。
未衣「えっ知らない、何?」
夜「『感謝』らしいよ、しかも12本の束であげたほうがいいらしいよ」
未衣「へぇ~、そりゃ知らなんだだ」
夜「先生にあげたら?」
未衣「それいい!明日あげるわ!いつも京先生には助けてもらってるし」
次の日
未衣「先生!いつもありがとうございます!」
そう言って朝早くから京先生に12本の束の黄色いカーネーションを渡した。
京先生「おぉー、ありがとな、えーと、なんか先生に不満があるかぁ」
未衣「えっなんでですか?」
京先生「カーネーションは12本で『永遠』って意味で黄色いカーネーションの花言葉はな、『軽蔑』なんだよな、だから永遠に軽蔑するって
ことなんだ」
後ろから夜の笑い声が聞こえてきた。
未衣「夜〜!嘘ついたなー!!」
夜「ごめんごめん笑」