伝えたい
『伝言は難しい』
夜(よる)「ねぇ未衣、イヤホンガンガン伝言ゲームって知っている?」
未衣(みい)「なにそれ!おもしろそう」
夜「やろやろ」
私の名前は未衣、花の女子高生。
そして今は1時間目の授業が終わり休み時間中だ。
そんな休み時間の教室で友達の夜が話しかけてきた。
未衣「それでルールは?」
夜「すごい簡単だよ、お互いにイヤホンをつけて大音量で音楽を聴きながら何か言葉を伝言するってゲーム、変な言葉に化けたりして面白いんだ」
未衣「いいじゃんいいじゃん、次移動授業だよね、早くしよ」
夜「じゃあ最初は未衣から伝言して」
未衣「オッケー」
私達はイヤホンをつけて大音量で音楽を流した。
未衣「じゃあ行くよ!」
大きい声で拳を上に突き上げてジェスチャーでスタートを夜に知らせた。
未衣「夜!公園で!立ちション!」
夜「えっ?もう一回もう一回」
夜が人差し指を立ててジェスチャーする。
それを見て私はもう一度言った。
未衣「夜!公園で!立ちション!」
夜「オッケーオッケー、わかった、じゃあ外そ」
夜がイヤホンを外したので私も外した。
未衣「なんて聞こえた?!」
夜「えーとね、『夜、甲府温泉』?」
未衣「全然違うよ〜」
夜「じゃあ何だったの?」
未衣「『夜、公園で、立ちション』だよ」
夜「全然違うじゃん笑、てかそれ前も言ってたよね、私女子だから!そんなんしないし」
未衣「まっとりあえず今度は夜が言葉、プリーズ」
夜「オッケー」
私達はまたイヤホンをつけた。
夜が口を動かし何か言いながら拳を上に突き上げた。
おそらく「じゃあ行くよ!」と言ったのだろう。
私は「オッケー」と返した。
そしたら夜は急に斜め上を向いた。
そしてすぐにこちらを向いて口を動かした
夜「も#%"&まっ#^」
私は何を言ってるのかわからなかった。
未衣「もう一回もう一回」
と言いながら人差し指を立てた。
そしたら夜はもう一度口を動かした。
夜「も#%"&まっ#^」
未衣「え〜たぶんこれかな」
そう言いながらイヤホンを外した。
そしてそれを見て夜もイヤホンを外した。
夜「なんて聞こえた?」
未衣「たぶん、『もれた、私』?」
夜「全然違うよ、正解は『もう授業始まってるよ』だよ」
未衣「えっ!?」
私はすぐに黒板上の時計を見た。
授業が始まってもう5分も経っていた。
ガラガラ
先生「お前ら!もう授業始まってるぞ!何してんだ!」
先生が私達2人だけしかいない教室に入ってきて言った。
未衣、夜「ごめんなさい」
2/13/2024, 5:23:41 AM