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1/15/2026, 11:43:50 AM

『なあ、この世界ってなんだと思う?』
友人が、妙にギラついた目で変なことを言い出した。

『は?哲学者だったっけお前?』

『じゃあ、世界の秩序は誰かが守っているってのは知ってるか?』

変な宗教にでもハマったのか不安になる。
『神話の話かよ?そんなやついる訳ねーだろ、漫画の読み過ぎか?』

『いるんだなあ、それが。世界を好き勝手に変えられるやつ。』

なにそれ最強じゃん。
『…根拠は…?』

『現に俺がそいつだ。』

『…は…?』
唯一の友が、やばいやつになってしまった!

『信じられないかもしれないけど、本当なんだよ。
不死身、不老不死ッ!』

『マジで漫画の読み過ぎだって…』

『これで信じるだろ、お前が定期テストの数学の結果を100点にしてやった。』

『ごめん、信じるわ…』
自身のなかったテストが満点など、あるわけがないのだ。

『で、お前何したんだ?世界のために』

『そりゃあサンマの豊漁やポケモン新作ゲームの開発を進めたり…』

『お前の私利私欲じゃねーか!』
魚とゲームが好きなこいつにはいい世の中だ。

『だって…退屈だもの…ずーっと世界守ってなきゃいかんのだぜ?一人で』

『…まあそうか…一人じゃあ辛いもんな…』

『で、ここからが本題な。』

『世界守護、俺もやれって事だろ?お前の力なら俺のことも不老不死にできる。』

『おお〜わかってるう』

『親友だからな。』

『いいか?世界を守ることに責任なんて感じちゃいかんぜ。何もかも嫌になれば、恐竜絶滅させたりしちゃっていいワケ。』

『要は、ノリだな。』

『そう!楽しもーぜ、友よ。』

『ああ、まずは戦地に花畑でも咲かせてやろーぜ。』

こうしてこの世界は二人だけのものとなった。

9/24/2025, 11:39:54 AM

チッチッチ…
チーン。

『あけましておめでとう!!!!』

盛大な音と映像が流れるテレビ。
今年は一人で年を越した。

受験に受かり、実家とは遠い大学にひとり暮らししているからである。

帰省したかったが、帰省する前日、サイフを落とした。

友達と過ごしたかったが、もちろん家族と過ごしている。

電話したかった。
スマホは修理に出している。

………。

なんとものさびしい正月だろう…。

こんな悪運が続くとは、今年はいいことがたくさん起こるかもしれない。

サイフもなく、スマホもなく…
ああ、親と話したい…

こたつの中で寝転ぶ。

ん?

何かがベッドの下で光っている。

ズリズリ床を這いながら拾う。

10円玉。

…!!!

何も身に着けずに外に駆け出した。

⸺公衆電話。

雪の上を踏みしめる。

とてもさむい。
何をしているんだ…。

今は12時56分。
10分間だけ電話が許される。

実家にかける。
果たして出るだろうか…。

ガチャ。

出た。

もしもし?

ああ、あけましておめでとう。

サイフ、大丈夫か。

交番行ってみる。

⸺他愛もない話が続く。

あっという間に時間が過ぎていく。

サイフとスマホが戻ってきたら、帰ってこいよ。

うん。

時計の針が重なる。
10分が経った。

9/22/2025, 10:32:39 AM



ぼくはてるてる坊主。


ぼくを作ってくれたのはあの男の子。
明日、運動会があるらしいよ。

いっしょうけんめい作ってくれたんだから、
頑張らないとね。

……だけど力が足りないみたいだ。
ぼくをつくるのに使ったのが、ティッシュ3枚だけだからかも。

なにも責めるわけじゃないよ…
晴れにできないのは、申し訳ないなぁ…

でも頑張るぞ。
晴れますように…!!


⸺次の日。

ああ、ごめんね…
どうやら…くもりみたいだ。

やっぱり力が足りなかった。
曇りじゃ気分乗らないよね…



…?


男の子がぼくを窓からとった。
ぼくはクビになったらしいな…ごめんよ

あれ?

ぼくをランドセルにつめこんだ!
ちょ…教科書につぶされちゃう!
あっお弁当ある!

うわー走り出した!
ゆれるう〜

………
どうやら学校にもってきたらしい。

…わあ!

このこのお友達がぼくの仲間をたくさんつくっているよ!

たくさんいる!なんだか嬉しいな。

その中にぼくもまぎれこみます

学校の窓際に飾ってくれたよ。



外をみてみて。
こんなに晴れてるよ。

9/21/2025, 11:25:41 AM

好きな人が虹色の鉛筆を持っていた。

描けば描くたび色が変わる鉛筆。
小学生の憧れの品だ。

彼が学校で色々ふざけたものを描いて笑っていたとき、私はすぐに母親に買ってもらおう、と思った。

休日、母は文房具屋にて買ってくれた。
私は目を輝かせ、いつまでたっても描かずにみつめていた、と母が教えてくれた。

そして夕方、庭に出る。

私は放課後、庭でスケッチをしていた。
私の町は田舎で虫も多かったが、何も気にしていなかった。それが毎日の楽しみでもあった。

畑のかかし、自分の家、母の笑顔。

下手だが、楽しそうな絵が描いてあるスケッチブックは今でも私の宝物だ。

そしてあの日は橋を描こうと思った。
庭から見える、古びた橋。

買ってもらった、虹色の鉛筆で。

線を引く、その時。
彼がいた。

彼の友達何人かと、あの橋の上で何かをしている。

とても気になった。

少しくらい家から出ても大丈夫だろう。
彼は何をしているんだろう?

そう思って橋のほうに近づいた。
彼に気づかれないように。

そうして彼らの姿がはっきりし、何をしているかよくわかった。
彼らは橋の上で戦隊モノの決めポーズをとっていた。

彼は奇妙なポーズで必殺技らしいものを放って、彼の友達とごっこ遊びをしていた。

私は吹き出しそうになるのを必死にこらえていた。
そして橋にもっと近づいたが、彼らは夢中になっているのか全く気がついていなかった。

よし、描くか。

その日はいつもより筆が乗った。

──完成。
橋と、彼ら。

虹色の鉛筆で描いたそれは、今でも最高傑作だ。
しかし今見ると彼の顔だけ大きく、描きこんでいるので少し恥ずかしくなる。

後日、彼らにその絵を見せた。
彼は大喜びしてくれた。
そして放課後、彼らは私を橋の上までつれていってくれた。

彼と一緒に決めポーズをしたあの日は、絶対に忘れられない。

そのあと門限が過ぎ、先生に見つかり叱られた思い出も、この一つの絵に刻まれている。

9/20/2025, 11:16:26 AM

『冷蔵庫に玉ねぎってある?』

…10分経っても返事が来ない。
今、私は最寄りのスーパーにいる。
息子は家でゲームでもしているだろう…だからLINEを送った。

なのに既読がつかない。
スマホの充電が切れたか?
友達と遊んでいるのか?

それとも…

些細なことでも不安になる。
過保護なのだろうか?

この前30分ほど帰宅が遅れ、学校に電話したら息子に嫌味を言われた。

だが親というもの、心配になるものだ。

そして心配なのはそれだけではない。
玉ねぎはあるのだろうか?

今日は息子の好物のハンバーグを作ろうと思ったのだ。

だが玉ねぎがあるのかを忘れた。
買ったほうがいいのか?でも余分だったら処置が大変だ。玉ねぎは余る。

やはり心配性すぎる。
普段の生活の計画性の無さが垣間見える…

一応買っておこう。
あまっててもまあ、スープにでもしようか。

──レジに並び、購入。
3日分の食料が集まり満足だ。

車で家へ向かう。
ちょうど信号が赤になり止まったとき、スマホがなる。

息子からだ。

『玉ねぎあるよ〜5個くらい』

遅い。

『あと、今日ハンバーグでしょ?』
『家にケチャップないけど、買った?』

遅すぎる。

信号が青に変わり、慌てて車を走らせる。

計画性の無い母に、ルーズな息子。
親子だなぁ…

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