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9/19/2025, 11:49:36 PM

風が強い。

いままで感じたことのない強風が、私に向かってくる。私が1歩踏み出すたび、それは強くなるようだ。

ああ、髪がめちゃくちゃになる…
なんでこんな目に…

また1歩踏み出す。
その瞬間、視界が赤に変わった。
一瞬だけ…それは紅葉の葉だ。

(…もう秋か…)

私が秋を感じるのは、このときだ。
葉が色づいて、街に彩りができるとき。

秋にはそれくらいしか特徴がない気がする。
芸術の秋、スポーツの秋…とか言ってるけどそんなの他の季節にも通用する。

そしたらまた何か飛んできた。銀杏だ。
この街に銀杏なんてあっただろうか。

それにしても本当に風が強い…
私は走り出した。
角を曲がる。

(…?)

向かい風。曲がったのに。
風が私にあわせているよう。

視界が真っ赤になる。
今回は一瞬じゃない。
黄色、緑、赤…

大量の落ち葉が私に襲いかかってくる。

「…ああ…」

声が出てしまった。
誰かのイタズラ?
風も私を押してくる。
まるで戻れ、と言うように…

…戻る?


「あ…」


私はすぐに踵を返した。

⸺学校。

なんの特徴もない、私の学校。
弁当を持って帰るのを忘れていた。
教室の扉を開ける。机の上に、弁当箱が…
…空いている。

食べ残しはしていない。
すぐに駆け寄る。中には…

栗。どんぐり。木の実。落ち葉…コオロギ。

「ぎゃあっ」

なんで…?
私は秋に呪われているのかもしれない。

また風が吹いた。今度は穏やかだ。
振り返ると窓が開いていた。何かがいる。

「…モズだ」

スズメより一回り大きいくらいの鳥。
…が10羽くらい止まってる。
1羽は銀杏をくわえてる。

そういえば…このまえ落ちていた巣を木の上に戻してあげた。卵が割れていなくて安心していた。

恩返しとやらだろうか。モズの恩返し。

モズたちは飛んでいった。秋の色とりどりな弁当箱を残して…

私はこれをどうすればいいのだ…
そして風さえも操るモズは何者なのだ…