Sunrise 昨日と違う私 です
Sunrise
朝を知らせるSunrise。
外が明るくなると、1日の始まりだ。と新鮮な気持ちになる。けれど、始まりは同じようでも、終わりは同じではない。楽しく過ごせるときもあれば、彼女とケンカして落ち込むこともある。同じような毎日でも、同じ日はない。
だからこそ、1日1日を大切にしようと思う。
昨日と違う私
生まれて初めて彼氏ができた。うれしいけれど、ステキな彼に、私が釣り合うのか自信がない。
だから、彼の隣を歩いても彼も私も恥ずかしくないように、キレイになれるように努力しよう。
昨日と違う私を彼に見てもらいたい。もっと好きになってもらいたい。
恋をするって、こんなにも心が揺れるものなんだね。鏡を見ながら、メイクの練習をするのだった。
「フゥー」
彼が吐き出したタバコの白い煙が、空に溶ける。
「煙、かからなかった?」
私を気遣ってくれる彼に
「大丈夫だよ」
と答えると、彼はホッとした表情になる。
「大切な人がそばにいるんだし、タバコ、やめられたらいいんだけど…」
そう言う彼に
「そうだね。健康を考えれば」
そう言うと、彼は苦笑いする。
「でもね、困ったことに、タバコを吸ってるあなたの仕草を見てるのが、私は好きなんだよね」
困ったね。と笑えば、彼はハハッと笑う。
「少しずつ。だけど、やめられるように頑張るね」
「うん」
良いことだけれど、いつか見れなくなる仕草。今のうちに堪能しておこう。と思うのだった。
遅れましたが、光輝け、暗闇で 手放す勇気 まだ知らない世界 まって どうしても… です
光輝け、暗闇で
「どうかしましたか?暗い顔、してますけど」
よく行くカフェでコーヒーを飲んでいると、仲良くなった店員さんに声をかけられる。
「暗い顔、してますか?」
確かに悩み事はあるけれど、暗い顔をしているとは、自分では思わなかった。
「ええ。それに、ため息吐いてましたから」
「え?」
思いもよらぬ言葉にハッとすると
「コーヒーを飲んでホッと一息。ではなく、ハァってしてましたからね」
苦笑いされ唖然とする。
「大丈夫ですか?良ければ話、聞きますよ」
店員さんの優しい声に促され
「…仕事のことで悩んでて」
僕は口を開いた。
「なるほど、そうなんですね」
一通り話し終えると、店員さんは顎に手を当て何やら考えているような素振りを見せる。そして、ニコッと笑い
「光輝け、暗闇で」
呪文のような言葉を発する。
「は?」
わけが分からずポカンとしていると
「どうしていいかわからず、暗闇の中にいる。って言ってましたよね。けど、そんな暗闇の中にいても、何とかしたい。という光は灯っている。光は暗闇の中ほど、光輝きます。もっともっと光を輝かせてください。きっと、暗闇は光に包まれ、見えなくなりますよ」
そう言って目を細める。
「そう…そうですね」
店員さんの言葉に、沈んでいた気持ちが軽くなる。
「ありがとうございます。やる気が出てきました。コーヒー、おかわりお願いします」
「はい。お待ちください」
店員さんの言葉に励まされ、頑張ろうと思うのだった。
手放す勇気
「いつまでも取っておいてはダメだ。…ダメなんだ」
俺は今、ある本を片手に苦悩していた。
「これがあると、つい頼ってしまうのは目に見えているんだから」
その本があると楽ではあるが、自分で考えることを放棄してしまう。
「今度は、自分の力でクリアするんだ」
その本は、とあるゲームの攻略本。昔、攻略本を見てクリアしたゲームが再販売されることになり、内容を忘れているし、もう一度遊んでみようと購入することにした。そして今度は、攻略本を見ずにクリアを目指そうと決めたんだ。
「手放す勇気を持たないと」
何度も何度もお世話になり、ボロボロになった本。何となく捨てられずにいた本を、俺はそっとゴミ箱に入れたのだった。
まだ知らない世界
「なあ、何がいいと思う?」
親友に
「相談がある」
と居酒屋に呼び出され、相談内容を聞いたのだけれど…。
「それ、何で俺に聞くんだ?」
俺はテーブルに肘をつき、ため息を漏らす。
「ん?オマエなら答えてくれそうかな。って思って」
「あのなぁ…」
彼女への誕生日プレゼント。何がいいか?なんて相談されても、彼女がいたことがない俺に聞くなんて、見当違いもいいとこで…。
「彼女いない歴=年齢の俺には、まだ知らない世界だぞ?聞く相手間違えんなよ」
そう言うと、親友は
「ごめん」
と苦笑したのだった。
まって
「まって、本当にまって。これって夢じゃないよね」
友達と一緒に出かけたショッピングモール。みんな行きたい店がバラバラなので、お昼まで別行動にしよう。ということになり、好きなお店を見ているとき、片思い中の彼を見つけたのだ。
「こ、こんにちは」
「あ、こんにちは。こんなとこで会うなんて偶然だね」
勇気を出して声をかけると、彼はニコッと笑ってくれる。
「1人?」
「うううん。友達と来てるんだけど、お昼まで別行動なの」
「そうなんだ。買い物楽しんでね」
そう言うと、軽く手を挙げ歩き出す。
「…夢みたい」
普段、なかなか話せない彼。今度からは、恥ずかしがらずに話しかけよう。と思うのだった。
どうしても…
「どうしても…。どうしても聞いてほしいことがある」
「…えっと…何?」
俺は今、好きな子を目の前に、想いを伝えようとしていた。
「急に呼び出してごめん。けど、これだけは言わせてください」
目の前にいる彼女は、少しイヤそうに目を伏せている。
「俺は、あなたが好きです」
「え?」
俺の告白に、彼女は伏せていた目をこちらに向ける。
「え?うそ?でも…」
戸惑う彼女に、俺はもう一度
「あの噂はうそで、俺はあなたが好きです」
素直な気持ちを告げる。
「どうして、俺に彼女がいる。なんて噂が広まったのかわからない。けど、あの噂はうそです。そのうそのせいで、本当に好きなあなたに誤解されるのはイヤなんです。あなたが俺を、何とも思っていなくても」
彼女に笑顔を向けると
「話してくれてありがとう。私、諦めなくていいんだ」
彼女はうれしそうに笑ってくれる。
「…それってもしかして」
「はい。私もあなたが好きです」
彼女に迷惑かも。そう思いながら伝えた言葉。言って良かったな。とホッとしたのだった。
目に見えない。けれど、いつもそばにいて、必要不可欠な存在。酸素。
僕たちが生きるために必要で、意識しなくても消えることなく支えてくれている。
僕は、キミにとっての酸素のような存在に、なりたい。
ただ君だけ 記憶の海 です
ただ君だけ
こんなにも、なくしたくない大きな存在ができるとは、思っていなかった。
「こんにちは」
君との出会いは友人の紹介。運命的な…などではなく、ごく普通の出会いだった。それでも
「オマエに紹介したい子がいるんだ」
と、友人が言うくらい、君とは気が合ったし、一緒にいて楽しい。君とこのまま歩いて行きたい。と思うのに、時間は掛からなかった。
「結婚してください。僕は、ただ君だけを愛しています」
記憶に残るようなステキな言葉は言えなかったけど、君は嬉しそうに頷き、僕に抱きつく。
幸せな未来への第一歩。これからは、君の笑顔がもっともっと見られるように、幸せにしようと思うのだった。
記憶の海
歩いてきた距離が長いほど、深くなる記憶の海。
昔の記憶ほど海の底に沈み、新しい記憶は鮮明に覚えている。
楽しい記憶は写真が記憶し、辛い記憶はイヤなほど昨日のことのように思い出す。
記憶は積み重なるにつれ、忘れていくものだけれど、愛するキミとの記憶は、どんなことでも忘れたくない。
忘れないように、僕は日記を書こうと思うのだった。