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6/25/2023, 9:30:56 AM

初めて迎えた結婚記念日。
日頃の感謝も込めてお祝いに選んだ場所は、初デートで食事したレストラン。
「驚くかな」
仕事帰りに待ち合わせして、歩いて行くんだけど、行く場所はキミには秘密。
レストランに、キミの好きな赤バラとかすみ草の花束を預け、特別なケーキも用意してもらっている。
「早く来ないかな」
キミの喜ぶ顔が見たくて考えたプラン。絶対に喜んでくれると確信して、キミを待つ間ワクワクしてる。
「1年後も、その先も…」
同じ場所で記念日をお祝いしたい。キミの幸せと俺の幸せで出来る、笑顔の花をたくさん咲かせたい。俺に近づいて来るキミが見え、居ても立っても居られず、俺は愛するキミを迎えに歩き出したのだった。

6/24/2023, 8:16:25 AM

子供の頃は、全くわからなかった。
そうだ。と言われても、そうなの?って思ってた。
けれど、同じ立場。親になって、子育てが大変だ。という意味がわかった。
子供は、ちょっと目を離すとどこかに行っちゃうし、危ないことを理解できてないから、危ないこともする。
親としては、子供優先だから自分の欲しい物は後回しだし、自分がゆっくりできる時間がなかなか取れない。
子供が大きくなっても心配は尽きないけど、それでも、生まれてきてくれたから、親の大変さが少しはわかり、感謝の気持ちが生まれたし、親にしてもらえたから、辛いときも頑張ろうと思える。
子供の頃はわからなかったけど、子供がいることで理解できたことがいろいろです。
育ててくれた親にも、大変さを教えてくれた子供にも感謝です。

6/23/2023, 8:38:17 AM

「えっと、土曜日は用事があるから、日曜にね」
「わかった。何するか考えといてくれ」
「うん。じゃあまたね」
助手席のドアを開け車を降りると、バイバイ。とドアを閉め、彼女は家へ帰って行く。電気が点くのを確認するまで、車を停車させたまま待つのが、俺の習慣になっていた。
「あ、電気点いたな。そんじゃ帰るか」
ギアをドライブに入れ、パーキングブレーキを解除すると、車は静かに走り出す。俺にとって、この瞬間が、一番淋しく感じる時間だった。

「いつも笑顔でバイバイ。って言って彼女は帰るけど、俺みたいに淋しく感じたりしないのかな」
自分の家に着き、一服しながらそんなことを考える。彼女の存在は、いて当たり前になりつつあるから、離れるとき、俺は淋しいのかもしれない。
「本当なら今すぐ。それがムリならいつかは…」
彼女が同じ家にいるのが当然な、日常生活を送りたい。もう、バイバイって言葉は聞きたくないくらい、彼女のことを想っているから。
「どう思われているかわからないけど、勇気を出すしかないよな」
俺は、彼女との関係を一歩でも進めるため、伝えていない想いを、告げることを決めたのだった。

6/22/2023, 8:27:42 AM

「好きな色」と「あなたがいたから」を書きました。



好きな色


「あなたの好きな色って、ブルーなの?」
キミとショッピング中、仕事で使うネクタイを選んでいると、そう聞かれる。
「うん、そうだよ」
ブルーとホワイトのストライプの物を手に取りながら、頷くと
「やっぱりそうなんだね。よく考えたら、あなたと会うときは、どこかしらにブルーが入ってたな。って思って」
納得したように笑う。
「ブルー、あなたに似合うし、私も好きな色だよ」
キミは別のネクタイを取り、これもいいよね。と選んでくれる。
「ありがとう。ブルーは俺の好きな色なんだけど、それだけじゃないんだ」
キミが選んでくれたネクタイを自分に合わせ、買い物かごに入れる。
「ん?それだけじゃないって?」
不思議そうにするキミに
「俺がブルーを選ぶのは、気が短いから。っていうのもあるんだ」
俺は苦笑する。
「気が短い?」
「そう。少しのことでイライラするんだ。でもね、そんなイライラしてるときに空を見ると、気分が晴れるんだよね。だから、イライラしたときに見て落ち着くように、普段からブルーを取り入れてる」
「なるほどね。そういう色の効果ってあるよね。オレンジを見ると元気が出るみたいな。私も、自分だけじゃなく、周りの人に良い効果があるような色、身に着けようかな」
俺がブルーを選ぶ理由を聞くと、キミは賛同してくれる。
「そういうのもいいね。タイピン、オレンジにしようかな」
「なら私は、ブルーのブレスレットを着けようかな」
二人で笑いながら、ショッピングを楽しむ。俺のことをよく見てくれて、同じような考えでいてくれるキミと、いつかサムシングブルーを身に着けたセレモニーができるといいな。と思うのだった。



あなたがいたから


「お疲れさまです。今日もお仕事ですか?」
仕事の休憩で寄ったカフェ。どうやら俺は、ここで寝ていたらしい。声をかけられ、目が覚めた。
「あれ?キミこそここで何してんの?」
まぶたが重く、半分ほどしか開いていない目でキミをぼんやり見つめると
「買い物に行くので歩いてたら、姿を見つけたので、思わず声をかけちゃいました」
と、声をかけてきた同期の子に微笑まれる。
「でも、寝てるとは思わなくて…。起こしちゃってすみません」
申し訳なさそうに謝られるけど
「いや、いつまでも寝てるわけにはいかないから、起こしてくれて良かった。ありがとね」
起こしてもらわなかったら、いつまでも寝ていたかもと思うとゾッとする。
「まだ戻るまで少し時間あるし、起こしてくれたお礼に何か奢るよ。時間ある?」
前に座るように促し、にこにこ笑いかけると
「ありがとうございます。では遠慮なく」
しゅんとした表情が晴れやかになり、キミは嬉しそうに笑った。

「課が違うと、忙しさも違うんですね」
注文したものが届き、話しながらキミと一緒に食べる。
「そうだねえ、営業は忙しいよ。ちなみに今日は、入ったクレームの謝罪に行って来た」
「え?そうなんですか?それはお疲れさまでした」
驚きつつも、労ってくれる。
「今日は謝罪で許してもらえたから良かったけど、罵倒されて泣いたこともあった。会社、辞めたくなることも多いよ」
「そうなんですね。事務の私でも、辞めたくなることありますよ」
キミは紅茶を一口飲み、話を続ける。
「私、パソコン作業が苦手で。時間がかかる上に、誤字も多くて。家でタイピングの練習はしてるんですけど、なかなか上手く出来なくて、上司に怒られてばっかりです」
と、ため息を吐いたけれど
「でもそれでも、私が仕事を頑張れているのは、あなたのおかげです」
俺に笑顔を向ける。
「え?俺?」
わけがわからず、ぽかんとする俺にキミは頷き
「入社して半年くらい。ずいぶん前のことだから覚えてないかもしれませんが、ミスして怒られて、屋上で落ち込んでたら、あなたが話を聞いてくれて。そのとき、俺も営業が上手くいかなくて怒られてるよ。でもきっと、同期はみんな同じような思いをして頑張ってる。みんなが頑張るなら俺も頑張らなきゃ。って思うんだ。だからキミも、一緒に頑張ろう。って言ってくれたんです。あのとき、そう言ってくれたあなたがいたから、私は今も頑張れてます。ありがとうございます」
頭を下げる。
「…俺の方こそ、ありがとう。実を言うと、クレーム続きで滅入ってたんだ。けど、話を聞いたら、やる気が出てきた」
俺は、残っていたコーヒーを飲み干すと、勢い良く立ち上がる。
「ごめん、俺、先出るわ」
「あ、はい。仕事、頑張ってくださいね」
「ありがとう」
急に動き出した俺を、キミは笑顔で見送ってくれる。俺は、初心を思い出させてくれたことを感謝しながら、社へ戻るのだった。

6/21/2023, 9:55:24 AM

昨日のテーマ、相合傘です。
あなたがいたから。は、次のテーマと一緒に書けたらいいなと思います。

「相合傘」

「やっと終わった~」
パタンとノートパソコンを閉じ、デスク周りを片付ける。明日までに提出する企画書が書き終わらず、課に残って仕上げていたのだ。
「うわっ、もうこんな時間か。どうりで腹減るはずだよなぁ。…ま、終わったからいっか」
イスに腰掛けたまま、うーんと伸びをして立ち上がる。
「お疲れさまでした」
課内で残っているのは俺一人。フロアの電気を消すと、課を後にした。
「あれ?雨降ってる」
エントランスに降り、外に出ると、仕事をしているときには気づかなかったが、雨がポツポツと降っている。
「課を出るときに気づけばなぁ」
俺はため息を一つ吐くと、課まで置き傘を取りに戻った。

「面倒臭かったけど、置き傘取りに戻って良かった」
先程まではポツポツだった雨が、サーっと降り方を変える。向かっている駅まではもう少し距離があり、傘なしだったら、結構濡れていただろう。
「あれ?」
駅まではあと10分程。というところで、コンビニに佇んでいる見知った顔を見つける。
「お疲れさま。どうしたの?」
佇んでいたのは、同じ課にいる気になっている女性で。
「お疲れさまです。残業ですか?」
「うん、そう。企画書が終わらなくて」
ハハハ。と笑えば
「遅くまでお疲れさまでした」
労いの言葉をくれる。
「それで、どうしたの?」
もう一度聞いてみると
「帰りに買い物に寄ったんですが、店を出て少ししたら雨が降ってきまして。ここで買おうと思ったら売り切れで」
困っているようだ。
「俺、駅に行くんだけど、そこまでで良ければ入る?」
傘を彼女の方に向けると
「え、でも…」
戸惑っている様子。
「雨、止みそうにないし、ずっとここにいるわけにもいかないでしょ?歩いてずぶ濡れになるよりはマシだと思うから、嫌じゃなければ」
ね。と、笑顔を向けると
「すみません。お言葉に甘えて、お邪魔します」
おずおずと、彼女が傘の中に入って来る。
「濡れないように、俺の方に寄ってね。じゃ、行こうか」
「お願いします」
彼女の方に傘を少し傾け、ゆっくりと歩き出す。思わぬ形で彼女と二人きり。ドキドキしながらも、彼女にもっと近づくチャンスだと、彼女の方をチラリと見ると、彼女はそっぽを向いている。
「もしかして、俺とじゃイヤだったのかな」
と顔をしかめそうになったとき、揺れる髪の間から見えた耳が、赤くなっていることに気付く。
「…相合傘が、恥ずかしいのかも」
そう思い、嬉しくなった俺は、駅に着くまでの間、彼女に気に入ってもらえるように、いろいろと話そうと話しかけたのだった。

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