メンタリストダイ子

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4/19/2025, 9:33:40 AM

人間の生む一切の事象は期待外れから湧き起こるが、それらが一つの物語の始まりへと転化するには、過信が必要不可欠だ。過信のない物語とは銃弾のこめられていない拳銃であり、打ち出すものがないから結果も何も残らない。銃弾としての過程を発射し、その弾痕を結果と呼ぶ。というのも、価値というのは結果に依存し、人間が物事に着手した瞬間では、誰もその価値を見出す事など出来ず、信用に頼るしかないからだ。

4/16/2025, 3:05:26 PM

人間嫌いの哲学者に老齢の悲観主義者。様々な人物が狭い部屋に入り混じり、声が遠く反響している。扉の前では書痴の小説家が高名な禅僧と言葉を交わしている。私はというと、深遠な日本語を操るロックバンドをBGMに、部屋の隅で狼狽えていた。

4/14/2025, 10:20:08 AM

人生において、私は不安を取り除こうとせず、かといって取り除かない事もせず、どうにか良い塩梅を維持しようと常に奮闘している。それというのも、私にとっての未来図というのは不安の象徴であり、その不安が喪失してしまうというのは、行動の意義すら喪失してしまう事と同義だからだ。不安のない未来とは神の御室を清掃するようなもので、ましてや確定した未来など、至極の未知でしかない。私達が行動を起こすのは、払拭すべき何かと相対した時に限られる。

4/13/2025, 2:25:41 PM

信心に飽き飽きした末に取り残されるひとひらの希望というのは、私達の親しいところではなく、意外にも何ら関わり合いのない有象無象から齎される事が多い。普段とほんの少しだけ散歩道を違える事だ。道端の鳩の拒否反応から、存在非存在の議論は始まる。

4/12/2025, 12:01:17 PM

子供の頃歩いた街には、高い石塀に阻まれた未踏の風景というのがよくあった。大人になってみるとなんてことのない、その正体は墓地であったと知る。これはよくある話である。

この時、ある種の幻想が破綻する事態を、成長と取るか、はたまた一人の男の終幕と取るか⸺。

それは取るに足らない、何とも些末な空気の震揺に依存するのだが、これもまた、よくある話である。

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