はな

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2/14/2026, 4:45:10 AM

ずっと待ち続けるから。

絶対に戻るから、待っててよね。
そんな、なんの確証もない口頭だけの約束を、また今日も思い出す。
こんなことはなんの救いにもならない、ただの重い枷、あるいは醜い呪いだとわかっている。
信じる、なんて綺麗なものではない。
あのとき抱いた深くとても伝えられたものではない執着が、そのまま形を変えてそこにあるだけだ。
見た目だけ、"約束"だなんて綺麗なふりをして、蓋を開ければそこには希望も夢も存在しない。
ただ焦がれた色を捨てられないだけ。ただ、いつかの幻影を、何年経っても忘れられないだけ。
そうわかっていても、約束は約束なのだ。
天秤の傾きはやがて揃っていく。この思いも、こんな日々を重ねるうちにやがて少しずつ薄れていくのだろう。
みんながあの声を、顔を、姿を忘れる。
それでも、一度こんなにも醜い感情を抱いた責任として、私だけは消してはならないのだ。
だから待とう。
何年でも、何十年でも、きっと待とう。
そして、あなたに追いつくときに思い出そう。
あなたの美しい瞳を。
二度と帰らない瞳を。

5/5/2025, 3:54:07 AM

すれ違う視線の中で、また。

気付いたら、また目を逸らしていた。
向けられた視線をなぞるのが怖くて、少しだけ、左の方を、何も無い空虚な左の方を、見つめる。
それは視線だけじゃなくて。
たとえば、誰かが私に届けようとした気持ちの破片に気付かないふりをしてしまったり。
たとえば、私が誰かに届けたかった気持ちの破片も、途中で軌道を逸らしちゃったり。
そういうことだって、私の弱いところが、待ってって震えてるから、踏み出そうとしてくれないから。
だけど、それでも。
震えながら踏み出した1歩が、伝えたかったこと、ぎゅっと握りしめて、それを届けてくれたら。
私の送った破片が、誰かの破片とぶつかって、ぴったり共鳴してくれることがあったなら。
交錯する視線の中、気持ちの破片の中。
私ははじめて、私を伝えられるんだろう。

11/2/2024, 11:32:02 PM

眠りにつく前に、ひとつだけ。

夜が来る。闇が私の背中を覆う。
今眠って、起きたらまた朝が来る。
当たり前のことだ。
日は沈んで、また昇って、そうやって時は流れる。
なんの変化もなく、面白くもない日々がまた明日も続く。別にそれが嫌な訳じゃないけど。
寝る前に空を見上げたって、目に映るのは光り輝く星空なんかじゃなく、無駄に眩しい街灯の光。
ああ、面倒だな。
なんてまた思う。思ったってどうにもならないのは知っている。
だけどそれでも、布団を被って瞳を閉じる直前に、頭の深いところを横切っていくのはあなたの影。
もうここにはいない、あなたの影。
つまらない日々は明日も続く。でも、その前にこんなことを思い出してしまうのは、きっとまだ、心のどこかで願っているから。
星に願いを、なんて届くはずないけど。
眠りにつく前に、ひとつだけ、小さな祈りを。
あなたにまた会えますように。

8/10/2024, 1:03:27 PM

「終点です」
そんな声とともに、扉が開く。
私の心にも、終点があればいいのに。
ぐるぐる悩む気持ちも、終点に着いたらみんな降りて、すっきりして。
そんなふうになれば。
何にも上手くいかなくて、イライラすることも。
ちゃんと頑張ってる人を見て、自分に腹が立つことも。
孤独に不意に気付いて、逃げ出したくなることも。
ないのに。
でも、考えるのをやめてしまったら、私たちは本当に楽になれるのかな。
このぐちゃぐちゃな感情を無理やりに消して、思考を止めることが、本当に正しいのかな。
それに正解なんてない。でも、正解を求め続けることは、決して無意味なことじゃないはず。
だから、やっぱりこの心に終点なんてない。
私たちは今日も、各駅停車でゆっくり、環状線を回っていく。

7/31/2024, 9:01:17 PM

人と関わったって、いいことはない。
誰も私を理解しない。理解してくれない。
私もきっと、誰のことも理解していない。
「話せばわかる」なんて嘘。
私を苦しめているのは、結局言語化できない辛さなんだから。
それなら、もう塞ぎ込んでしまえばいい。
そう思っていた。
でも、やっぱり、私は諦め切れない。
人に理解されたいと思ってしまう。あの人を理解したいと思ってしまう。この感情を分かち合いたいと、分け合いたいと思ってしまう。
上手くいきっこないのに。
そんなことを試みたって、壁にぶつかるだけ。
曲がって曲がってどれだけ歩いても、結局はいつも行き止まり。
それでも、私たちはきっと歩くのだろう。どんなに突き放したって、突き放されたって、きっと、前へ進もうとするのだろう。
まだ誰も、諦めてなんていないのだ。
だけど、そうやって壁にぶつかり続けたら、きっと怪我をする。みんな、そんな怪我を背負って、生きている。
だから、たまには、立ち止まってもいいんじゃないだろうか。
人と関わるのに疲れたら、たまには歩くのをやめて、休むのもいいんじゃないか。
1人では、どうせ生きられないのだ。そんな人間にとって、1人の時間は貴重なものなのかもしれない。
1人が好き、という人は多い。それはきっと、いつも人を理解しようとし、理解されようとし、なんとか前に進もうとする人々の安らぎの時間。
やっぱり、1人では生きられないけれど。やっぱり、諦めるのは無理だけど。
今だけは、1人で。

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