眠りにつく前に、ひとつだけ。
夜が来る。闇が私の背中を覆う。
今眠って、起きたらまた朝が来る。
当たり前のことだ。
日は沈んで、また昇って、そうやって時は流れる。
なんの変化もなく、面白くもない日々がまた明日も続く。別にそれが嫌な訳じゃないけど。
寝る前に空を見上げたって、目に映るのは光り輝く星空なんかじゃなく、無駄に眩しい街灯の光。
ああ、面倒だな。
なんてまた思う。思ったってどうにもならないのは知っている。
だけどそれでも、布団を被って瞳を閉じる直前に、頭の深いところを横切っていくのはあなたの影。
もうここにはいない、あなたの影。
つまらない日々は明日も続く。でも、その前にこんなことを思い出してしまうのは、きっとまだ、心のどこかで願っているから。
星に願いを、なんて届くはずないけど。
眠りにつく前に、ひとつだけ、小さな祈りを。
あなたにまた会えますように。
11/2/2024, 11:32:02 PM