Rapi

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10/4/2023, 2:36:25 PM

やっぱり前作【別れ際】の続きです。


この間から、妙に頭が働かない。
授業に身が入らないばかりか、当番の掃除を忘れてしまったり、気がつけば寝ていたり。
まるで、思考をすることを禁じられているようだと友人には話したが、一笑にふされて終わってしまった。
そこからの記憶は、あまりない。


彼がこの話を聞いてきたのは、台風が吹き荒れて、季節が混ざり合ってしまったような曇天の日の事だった。

話しかけられた途端、頭を覆っていた霞が一気に払われたような気がした。「かわいそうに。」不意に聞こえた音に顔をあげれば、

彼はその顔(かんばせ)を歪め、憐憫にも似た表情で僕を見下ろしていた。


君には全てを話す義務がある。それが、つまらない争いに巻き込んでしまった、せめてもの詫びだ。

そう切り出した彼の話は、所々聞こえないところもあったけれど、気にならないくらい理解し難いものだった。

昔のことだ。古事記を読んだことは?あれの八割くらいは、本当のことだよ。
そう、世界には<’”<~^の神々がいて、常に季節の座をかけて争っていた。その時の神は皆一様に一人だったがある時^^~^^”::_*_()の神から生まれた1柱が兄弟神三柱をつくりだした。そして、季節の座を皆で掴み取った。我らは4柱でひとつ。一年を四等分し、交代で治めることになった。幸せだった。皆幼く、純粋で、欲を知らなかった。ある時、西のエデンから逃げてきたと言う蛇を見つけた。蛇は狡猾に我らに取り入り、夏に欲を持つことの素晴らしさを教えた。夏は行動の夏。もっとも深き時が生まれるとき。全てを手にしたくなり、春を連れて私と冬を滅ぼしにきた。
元々、全てを眠らせ、休眠を与える静寂の冬と木々を実らせ着飾らせ、最も華やかであると言ってもいいくせに、たんたんと夏から冬への移り変わりの引導を引き受けるだけの秋。停滞していた日々で、欲を知った夏は春には"面白く"感じたのだろう。しかし、命を芽吹かせ、豊穣の風を吹かせる春に滅亡はあつかえず、結局我ら秋と冬は季節から追放されるに至った。
君に春の術がかけられているのに気がついた時は心底驚いた。人は時として神を悪霊にさえ変えてしまうほどの力がある。きっと、詮索されることを恐れたのだろう。
だが、あの術は人を無気力にする。元冬の力だ。あのままだと、君は死んでいた。

きっと、君は信じていないんだろうね。
厨二病だと揶揄してもらっても構わない。
これは、ただの懺悔なのだから。
全てを失ってなお、片割れを愛しく思う、愚かな者の懺悔なのだから...





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お題の【踊りませんか?】どこいった?って話です。
ちょっとこの話と結びつけるのはできませんでしたね...
背景が明かされて、敵?の正体も見えてきた..?
次回は違います!

9/29/2023, 11:28:59 AM

【通り雨】の続きです。


あれから、3日が経った。

いたたまれなくなって逃げ帰ったものの二度とあの森に

は行けず、彼の態度も変わりはしなかった。

自分が物語の主人公だと思っても、結局は名前さえ出な

い脇役だったりするものだ。彼の物語に僕はいない。


ああ、でも考え事をしている最中に声をかけられるのは

なにか決まりがあるんだろうか。

「ねぇ、おにーさん!」

そのとたん、視界にピンクが舞った



う...頭が痛い。ぐらぐらする。

あれ?何をしていたんだっけ?

霧がかかったみたいに思考が停止して、足元がおぼつか
ない。

もう、家に帰ろう。



その春は、儚く、美しく、人をまどわす


別れ際に気をつけて






【別れ際】

9/27/2023, 3:03:33 PM

前作【秋】の続きです



『雨が降っている』

現実逃避のように脳内導き出された現在の状況は、

全く自分でも理解のできないものだった。

9月27日午後6時。噂の彼を尾行中



皆そうだと思う。古きとか、同胞とか、現代っ子は使わ

ない。だから、罰ゲームの定番が彼の相手を突き止める

になるのは、至極当然の流れだった。


しばらくしたら皆巻かれてしまうんだけど、今回はずっ

と追いかけていられた。だんだん気温が下がっていって

、白い息が見えはじめる。そうしてたどり着いた場所

は、白をかぶった針葉樹の森の中で、そこにひとつ置か

れたベットだった。


彼はそこに近づくと、何やらつぶやく。誰がいるのかは

ここからでは見えなかった。不意に、つむじ風が吹く。

視界が開けた時にはもう彼はいなくて、代わりにベット

の上に純白の青年が座っていた。その人が与える印象

を、なんと表現すればいいのだろう。限りなく静謐で、

広大で、美しかった。


数歩、近づく。体中を突風が包み、コートに雪が積もる

この人も、怒るんだろうか?静かに佇むその人に尋ねた

「まるで、貴方は冬みたいだ。」

白を纏った青年は、なんともいえない表情で笑っていた






【通り雨】

9/26/2023, 1:52:20 PM

秋は夕暮れ

かの有名な清少納言は枕草子でこうつづった。

でも僕は疑問を感じずにはいられない

彼にはあけぼのが一番似合う。



彼は四兄弟の三番目だといった。


出会ったときのことを掘り返す趣味は無いが、彼は常に

清涼な空気をまとっていて、それでいて錦を纏ったよう

に華やかだ。まあ、彼について言うならもう一つ。


まるで秋だ。


その手の冗談に彼は一切笑わない。

むしろ、やめろと言わんばかりに睨みつけてくる。

そして、古き同胞に会いに行く。


僕が知っているのは本当にそのくらいだったのだ。





【秋】

9/23/2023, 6:38:32 AM

世界が音を失ってはや5年。

耳は正常。ただ、音が生まれなくなっただけだった。


ある日、ひとりの男が訪ねてきた。

男は筆談で会話する。口が聞けないわけではないのに。

皮肉っているのだろうか。

こんな世界を。


男と共に旅をした。

男は多くの曲をつくった。

世界はそれを拒絶した。


ある日、男が血を吐いた。

男は世界に一時の別れをつげた。

世界は動揺した。


あとわずか。

世界は白衣の者にそう告げられた。

男は笑っていた。


世界は初めて誰かのために音を奏でた

男が息を引き取るその時も

最後のさいご、男は世界につぶやいた


「ずっとあんたのファンだった。」


世界という名の青年の目から、
一筋の涙が溢れた。



【声が聞こえる】

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