Rapi

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やっぱり前作【別れ際】の続きです。


この間から、妙に頭が働かない。
授業に身が入らないばかりか、当番の掃除を忘れてしまったり、気がつけば寝ていたり。
まるで、思考をすることを禁じられているようだと友人には話したが、一笑にふされて終わってしまった。
そこからの記憶は、あまりない。


彼がこの話を聞いてきたのは、台風が吹き荒れて、季節が混ざり合ってしまったような曇天の日の事だった。

話しかけられた途端、頭を覆っていた霞が一気に払われたような気がした。「かわいそうに。」不意に聞こえた音に顔をあげれば、

彼はその顔(かんばせ)を歪め、憐憫にも似た表情で僕を見下ろしていた。


君には全てを話す義務がある。それが、つまらない争いに巻き込んでしまった、せめてもの詫びだ。

そう切り出した彼の話は、所々聞こえないところもあったけれど、気にならないくらい理解し難いものだった。

昔のことだ。古事記を読んだことは?あれの八割くらいは、本当のことだよ。
そう、世界には<’”<~^の神々がいて、常に季節の座をかけて争っていた。その時の神は皆一様に一人だったがある時^^~^^”::_*_()の神から生まれた1柱が兄弟神三柱をつくりだした。そして、季節の座を皆で掴み取った。我らは4柱でひとつ。一年を四等分し、交代で治めることになった。幸せだった。皆幼く、純粋で、欲を知らなかった。ある時、西のエデンから逃げてきたと言う蛇を見つけた。蛇は狡猾に我らに取り入り、夏に欲を持つことの素晴らしさを教えた。夏は行動の夏。もっとも深き時が生まれるとき。全てを手にしたくなり、春を連れて私と冬を滅ぼしにきた。
元々、全てを眠らせ、休眠を与える静寂の冬と木々を実らせ着飾らせ、最も華やかであると言ってもいいくせに、たんたんと夏から冬への移り変わりの引導を引き受けるだけの秋。停滞していた日々で、欲を知った夏は春には"面白く"感じたのだろう。しかし、命を芽吹かせ、豊穣の風を吹かせる春に滅亡はあつかえず、結局我ら秋と冬は季節から追放されるに至った。
君に春の術がかけられているのに気がついた時は心底驚いた。人は時として神を悪霊にさえ変えてしまうほどの力がある。きっと、詮索されることを恐れたのだろう。
だが、あの術は人を無気力にする。元冬の力だ。あのままだと、君は死んでいた。

きっと、君は信じていないんだろうね。
厨二病だと揶揄してもらっても構わない。
これは、ただの懺悔なのだから。
全てを失ってなお、片割れを愛しく思う、愚かな者の懺悔なのだから...





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お題の【踊りませんか?】どこいった?って話です。
ちょっとこの話と結びつけるのはできませんでしたね...
背景が明かされて、敵?の正体も見えてきた..?
次回は違います!

10/4/2023, 2:36:25 PM