#お金より大事なもの
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こんな紙切れで、溢れる涙は拭いきれない
手元に残る紙切れに、心の傷は埋められない
あれだけ欲しかったのに
今となっては、紙切れ呼ばわり
無いから欲しかった、大切にしていた
そこで気が付けたはずなのに
どうしてこうも、目先しか見れなかったのか
笑顔で写る写真に問いかけても
答えが帰ってくるはずもなく
薄暗くても賑やかだったのに
今は明る過ぎて、一人きりなのが余計に見えた
擦り寄ってくる冷たさにも
嘘ばかりの言葉にもう飽き飽きだった
電気を消しても戻ってこない
紙切れを捨てた所で変わらない
こんな景色を求めて
俺は全てを削ってきた訳じゃないはずなのに
こんな紙切れに、紙切れなんかでは
あの暖かさを、買う事などできないと
どうして、気が付くことができなかったのだろうか
#月夜
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街灯に照らされた帰り道
澄んだ黒に浮かび、控えめながらも魅入ってしまう白金に、彼女の姿を視ていた
今、彼女はどうしているだろう
たった3日の出来事が、昨日の事のように
そして、何年もの事の様に思う
それだけ印象的だったのだ
あの場所において、彼女という名の満月は
もう、道が交わることはないだろう
彼女にとって、僕は最高のパートナーになれないだろう
だが、確かに僕の知る満月は
今も太陽を求め、世界を飛び回っているだろう
ふと、口元に触れる
外気に当てられたそれは、やはり冷たい
ほんの少しそうしていると、僕は再び歩き出した
届かぬ満月を、追い掛けるように
#絆
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カーテンの隙間から漏れる陽射し
視線の先にある天井は、白よりの灰色
――瞬間、雷撃の如く襲ってきた頭痛
グッと、堪らず声が出て
重い手で頭を抑えた
何度経験しても、この痛みには慣れないと改めて思い知らされる
すると、近くから低い唸り声
何とか視線を机の向こうへ向けると、空き缶に囲まれながら眠る彼奴
...腐れ縁。
そう言ってしまえば、それまでだ
自分がこんなに痛い思いをしているのに、穏やかな顔で眠る彼奴に嫌気が湧く
まぁ、起きたら同じ様に苦しむだろうし、俺のこの痛みも自業自得なのだが
そんな事を考えていると痛みが和らいできた様で。
身体を這いずらせ、何とかキッチンへ
そしてコップを片手に蛇口を捻り、入った水を勢いよく煽った。
モヤの掛かっていた意識に、サァッと風が吹き込む
少し落ち着いて来たところで、息を吐く
そうして違うコップにもう一度水を入れ、彼奴の元へ
何度見ても、相変わらずムカつくほど穏やかな顔だ
水でも掛けてやろうか、なんて思いを振り切り、軽く肩を揺らす
「んん………あ?なんだお前か…イッッ!?」
漸く目覚めた此奴は、予想通り情けない声を出しながら目を開けた
嗚呼、俺も此奴も反省しねぇな
デジャブを感じる光景に溜息を吐きながら、俺はコップを差し出した
#たまには
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ふわりと舞うピンクの花弁
たっぷりと肥えた満月
二つの杯に酒を注ぎながら、ふと空に視線を向けた
情緒も何もあったものではなく
ただ酒を肝臓に流す毎日
ただ、今日は
缶ビール売り場の、ありふれた文言に釣られて
こうして月見酒にあり着いている訳であるが。
杯を一つ手に取り、口元で傾ける
......嗚呼、ダメだダメだ、寧ろ災厄。
彼奴の言う情緒とか、やっぱり分からねぇし
何より、何でか酒がしょっぺぇと来たものだ
どうしてこんなんで、酒を呑んでたんだか
心の中で悪態をつきながら、再びグイッと酒を煽る
やっぱり二回目も、何時もの味より塩っぱかった
#大好きな君に
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心の底から、叫びたかったんだ
気の利いた言葉も
上手い言葉にも出来ないけれど
ただ、心からの愛を
素直に受けとってくれない
不器用な君に