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3/7/2026, 10:53:13 AM

#月夜

―――

街灯に照らされた帰り道
澄んだ黒に浮かび、控えめながらも魅入ってしまう白金に、彼女の姿を視ていた

今、彼女はどうしているだろう

たった3日の出来事が、昨日の事のように
そして、何年もの事の様に思う

それだけ印象的だったのだ
あの場所において、彼女という名の満月は

もう、道が交わることはないだろう
彼女にとって、僕は最高のパートナーになれないだろう

だが、確かに僕の知る満月は
今も太陽を求め、世界を飛び回っているだろう

ふと、口元に触れる

外気に当てられたそれは、やはり冷たい

ほんの少しそうしていると、僕は再び歩き出した
届かぬ満月を、追い掛けるように

3/6/2026, 10:25:10 AM

#絆

―――

カーテンの隙間から漏れる陽射し
視線の先にある天井は、白よりの灰色

――瞬間、雷撃の如く襲ってきた頭痛

グッと、堪らず声が出て
重い手で頭を抑えた

何度経験しても、この痛みには慣れないと改めて思い知らされる

すると、近くから低い唸り声
何とか視線を机の向こうへ向けると、空き缶に囲まれながら眠る彼奴

...腐れ縁。
そう言ってしまえば、それまでだ

自分がこんなに痛い思いをしているのに、穏やかな顔で眠る彼奴に嫌気が湧く

まぁ、起きたら同じ様に苦しむだろうし、俺のこの痛みも自業自得なのだが

そんな事を考えていると痛みが和らいできた様で。
身体を這いずらせ、何とかキッチンへ

そしてコップを片手に蛇口を捻り、入った水を勢いよく煽った。
モヤの掛かっていた意識に、サァッと風が吹き込む

少し落ち着いて来たところで、息を吐く
そうして違うコップにもう一度水を入れ、彼奴の元へ

何度見ても、相変わらずムカつくほど穏やかな顔だ
水でも掛けてやろうか、なんて思いを振り切り、軽く肩を揺らす

「んん………あ?なんだお前か…イッッ!?」

漸く目覚めた此奴は、予想通り情けない声を出しながら目を開けた

嗚呼、俺も此奴も反省しねぇな

デジャブを感じる光景に溜息を吐きながら、俺はコップを差し出した

3/5/2026, 11:29:15 AM

#たまには

―――

ふわりと舞うピンクの花弁
たっぷりと肥えた満月

二つの杯に酒を注ぎながら、ふと空に視線を向けた

情緒も何もあったものではなく
ただ酒を肝臓に流す毎日

ただ、今日は
缶ビール売り場の、ありふれた文言に釣られて

こうして月見酒にあり着いている訳であるが。

杯を一つ手に取り、口元で傾ける

......嗚呼、ダメだダメだ、寧ろ災厄。
彼奴の言う情緒とか、やっぱり分からねぇし


何より、何でか酒がしょっぺぇと来たものだ

どうしてこんなんで、酒を呑んでたんだか
心の中で悪態をつきながら、再びグイッと酒を煽る





やっぱり二回目も、何時もの味より塩っぱかった

3/4/2026, 11:27:53 AM

#大好きな君に

―――

心の底から、叫びたかったんだ

気の利いた言葉も
上手い言葉にも出来ないけれど

ただ、心からの愛を

素直に受けとってくれない
不器用な君に

3/3/2026, 11:18:38 AM

#ひなまつり

―――

あかりをつけましょ
ぼんぼりに
おはなをあげましょ
もものはな

楽しげに謳う子供の声
画面上には、高く華やかな祭壇

味噌汁を片手に、今日が世で言う所の”ひな祭り“だと言う事を思い出した

『おめでとう』

そう祝われていたのは学校があった頃迄で。

こうして一人暮らしをする様になって
子供もいない身としては
随分縁遠いものになったと思う

自分には関係ないよなぁ...つか時間やべ

眺めている場合ではなかったと、慌ててご飯を搔き込む

「ひな祭りは、女の子の健やかな成長と幸せを願い、お祝いする行事なのですよね」
「そうですね、ちらし寿司やひなあられ、甘酒を楽しむのも良いですね」

では、次のニュースです。
少し話して、画面上のキャスターは次の話題について話し始めた

......帰りに、ちっちゃいちらし寿司でも買うかな
食べ終えた皿をシンクに下げながら、私は少し帰りを楽しみにすることにした

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