NoName

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2/14/2026, 10:53:23 AM

#バレンタイン

―――

変わらない大きさ、色、柄、中身。
...その中の、一つにだけ
小さなシールを貼り付ける

きっと分からないし、気が付かなくて良いよ

ただ少し、君に渡す手に、力が籠ってしまうだけだから

受け取って貰えるだけで嬉しいの

だから、どうか気が付かないでいて


私が君を、諦められるその時まで

2/13/2026, 12:17:00 PM

#待ってて

―――

桜に攫われるぞ、と
冗談を叩きあったのは、何時だったか

春一番にまたここで、と
そう約束をしたのは、何時だったか

この木を眺めるようになって
幾つ年が経っただろう

記憶の中の君は
一体何処へ行ってしまったのだろう

「帰るから待ってろ」
そう約束したのに

「嗚呼、待ってるよ」
そう言ったのに

何、すっぽかしてくれてんだ
写真の中の笑顔な君に、何度問いかけただろう

約束は守れと、口酸っぱく言っていたのは君だろう
君が破ってどうするのだ、と

...俺はまた、桜に問い掛けた

なぁ、桜さんよ

彼をどこにやってしまったの
お願いだから、返しておくれ

2/12/2026, 12:18:00 PM

#伝えたい

―――

気が付かないフリをしていた、のだと

気が付いたら傍に居て
大っぴらに愛を告げられ
目線を合わせれば、一本線の口が少しだけ動く

もはや言い逃れのできない想いをぶつけられ
いつの間にやら外壁を埋められ

...それを拒否できない、自分もいて

だから今はただ、絆されていようと思う

今は言えなくても
今は受け取るだけで精一杯でも

彼奴が、飽きてしまわない限り

この想いを抱いていよう

そうして、いつしか伝えられるように

2/11/2026, 10:47:51 AM

#この場所で

―――

我儘だと思う
また背負わせてしまうと思う

目の前に、作り笑顔がある
水滴が、ポタリと頬を濡らした

...嗚呼、俺は最低だ

そんな、取り繕わさせているのは自分なのに
きっと、此奴は引きずってしまうのに

最後が此奴の腕の中で
最後に見るのが此奴の顔で

「―――ありがとな、」

”幸せだ“と思ってしまった

2/10/2026, 12:48:05 PM

#誰もがみんな

―――

灰色の空と、スッキリしない空気に煽られ、溜息が零れた

足元に目を向ければ、彼が居る
目元にくっきりと黒を刻んだ彼が

自分の為〜だとか言いながら
結局は他の為に動き回る姿はそれらしいが

それでこんな顔を作ってしまうのだから、しょうがない奴だと思う。

それに、30分仮眠を取るのにあそこまで渋る事はないと思う

そんなこっちの気も知らず、眉を解し目を閉じている
...だから、頬をつまむくらいはしても良いだろう

少し歪んだ顔がすぐに戻るのが面白くて、起きてる時なら間違いなく苦言が飛んできただろう事を思って。
思わず、笑みがひとつ

だからお礼に、時計の針を一時間程ずらしてやる

それで彼が起きたなら、もう一度言ってやろう

「誰もお前にそこまで求めてねぇんだよ、ばーか」と

そうしたら少しは怒って、記憶に残してくれるだろうか

そんな事を思いながら、窓の方へ目を向けた
まるで夜だとでも言いたげな空が、窓をパタパタと叩いていた

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