紫乙

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8/17/2024, 10:18:29 PM

ある年の私の誕生日。
ショートメールで、‪
🎉♥︎ ᕼᗩᑭᑭY ᗷIᖇTᕼᗞᗩY ♥︎🎉が届いた。

送り主の名前もなく。
私の名前も入っていない。
もしかしたら送信ミスかもしれないな。
たまたま同じ日が誕生日かもしれない。
でも、届いてないなんて可哀想だし、教えてあげよう。

私は、「確かに本日、私は誕生日を迎えたのですが、あなたがどなたかわかりません。もし宛先を間違えて送信しているとしたら、届けたい方へ届いていないので、連絡さていただきました」
と、返信した。

「迫田です。間違えてないと思います。お誕生日おめでとうございます。やっと届けられたようで良かったです。」

さこた。。
1人しかいない。
記憶に留めておけないほど遠い別れ。
何故今頃?
そこから本人同士である事を確認した後、しばらくそのまま近況など話した。
当時好きだった音楽の話。最近はどんなLIVEに行ってるよとか。でも、私がどうしているかを語る事はあまりなく、聞くのみに偏った。
「、、、それにしても。何故今、誕生日おめでとうなど送ってきたの?」
「まず、どうしてもあなたの電話番号は消せなかった。実は毎年送らせて貰っていてあなたの電話番号がすでに変わってしまって届いてないのだろと思いつつ、あなたとやり取りした番号だから消せなかった。あなたに会いたい。会いたくてしかたない。」
やっぱり最後は会いたいって言うのか。。
私はまったくその気がないので、冷たく返す。
「懐かしさだけで会いたいと?それなら会わない方がいいですよ。私はもうあの頃の私では無いし、もうあなたのためにしてあげられるものは何も持ってませんから。」

「時が過ぎて、あの頃のままではないのはお互い様だよ。何かして欲しいなんて思ってない。ただずっとあなたに会いたかった』

やり取りの延長が、相手の猛烈な会いたいが激しくなった。私も会いたい!なんてなれば良かったのかな?逆にもっと冷めゆくばかりで、このままだとストーカーにもなりますし。。みたいな事まで言ってしまった。
時々、ふとした瞬間に、あの人は何故、あんなに激しく会いたがったのか?消せないアドレスだけではなく、懐かしさだけでもなく、何か精神的に困っていたのだろうか?助けを求められる手段は私だけだったのだろうか?
あれから8年経過して、あの日のやり取りからピタリと音信は途絶えたけれど、会いたい理由もそこそこに、いきなり突っぱねた事を後悔している。
もう少し、話を聞かなければいけなかったのではないか?と。
神経質なあの人が、元気でいてくれている事だけ切に願う。

7/27/2024, 8:46:46 PM


7/17/2024, 3:42:03 PM

雨上がりのアスファルトの匂い。
エスカレーターに乗った時、どこからともなく感じた、あの人の、あの日の香水の香り。
ラジオから流れる懐かしい曲。

遠い日の記憶は香りと音が覚えている。

急速に『あの日』へと引き戻されそうになるが、戻りきれない、今とあの日の違いが境界線を作る。

私は一瞬でもいいから、あの日に戻りたいのだろう。けれど、今を生きなくてはならない責任もわかっているのだろう。

デジャブのような感覚をよく感じ取る事があって、嬉しくもなるけれど、言葉で説明するには難しい。
あんなに遠い日の記憶なのに、まだ身体が離さないのだと知る。

これはもしかして、パラレルワールドにいるの?別の世界から、元の世界を見ているだけなの?
だとしたら、もう戻れない懐かしさを、目で追うだけだったのかもしれない。

懐かしく感じるだけなら、完全に戻ってしまわない方がいいからね。

懐かしく羨ましく思うほどの過去で幸せだわ。思い出したくもない事だって、そりゃぁあったけど、そんな嫌な事はこの場に思い出す事すらないのだから。

7/8/2024, 3:20:33 PM

夏の夜。
ひんやりした風に当たりながら、車の窓から見る、埠頭の灯が懐かしい。
街の灯りが消えかける頃、埠頭の灯りは美しさを増していた。

私は運転しながら、横目にそれを視界に入れる。
これ、夏の夜だから余計に良いよね!
なんて話しながら。

そういえば、東へ出かけた時は仲良く帰宅していたけど、西へ出かけると、何故か帰りは不穏な空気になっていた気がする。

そう、最後の夜も西から帰った日だった。
西と東では、目に映る灯りのイメージが違っていたからね。
人の心も何かが変わるのかもね。

本音を引き出された西の灯りと、本音を隠された東の灯り。
どちらが悪い訳でもないか。
どちらも良くなかったと言う事か。
そんな事は、もはやどうでも良い。

埠頭の灯りが見せたマジック。
その一瞬は美しくて忘れられない一瞬である事に変わりはないが、もしまた見る事があっても、あの頃とは違う色の新しい色で塗り替えたいと思う。

7/7/2024, 2:44:41 PM

あの商店街の七夕飾りが好きだった。
いつもこの時期になると、あの寂れた商店街が華やかになって、普段あまり人通りもない、古き良き時代の商店街が賑やかになる。
かれこれ何十年か前の頃には、映画の撮影に使われたり。
懐かしさ漂う、昭和時代にしかない店が並んでいたのに、いつの頃からかシャッター通りになり、新たな店舗が入る事もなくなってしまった。

そんな商店街の、昔ながらの定食屋さんに入って、中華そばや親子丼を食べるのが好きだった。

あの七夕飾りは、シーズンが終わるとどうしていたのかな?
すごく大きくて豪華な飾りに、大きな短冊が掛けられていた。
1つだけではなく、いくつも掛けられていて、歩くと頭の上に飾りの足が当たりそうな大きな飾りだから、設置するのも外すのも、大掛かりで大人何人が作業に携わったのか。

テレビでは今年も飾られたと報道されていた。
もうそれをその場で見る事はないだろう。
たくさんの思い出が残る商店街。
不思議と嫌な思い出など1つとしてない。
あの商店街に行く時は、七夕祭りの頃だけではなかったが、特に用事があったわけでもなく、欲しいものがそこへ行かなくては手に入らなかったわけでもないが、その不要不急の用事さえ消えてしまった。

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