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5/6/2025, 11:09:56 PM

「おー、来た来たァ!」

今年も、この広い青い青い空から手紙が届く、甲板に出て上を向き自らの帽子を押さえ、すれ違う瞳で帽子をかぶったカモメに手を挙げ合図する。すると、大きな袋がドサリと目の前に落とされる。

にししっと笑いながら、今年も沢山きたなァとその場でドシリと胡座をかいて、袋から1枚づつ手紙を取り、じっくりと全体を見た後に手紙を開く。

いずれも名前と共に、誕生日おめでとう!!とか、愛してる!とか、生まれてくれてありがとうとか、好きだよー!とかの文字で埋め尽くされている。いつ、何処でこの情報を知ったのか分からないが、愉快な手紙たちである。本当は届くのは、肉の方が嬉しいけどこういうのも嫌いじゃない、幸せだなって感じる。笑みが溢れてきて、思わずラブソングの様な鼻歌を歌いたくなるのだ。

「♪~…おっと、いけねェ、風でとんじまう」

袋に貰った手紙を大事に納めて、機嫌良くこの謎の手紙たちを両手で抱えて、仲間に自慢しにダイニングに向かうのだった。

「おーい、今年も来たぞ!幸せのたより!宴の準備だ!」

青い青い(5/4)すれ違う瞳(5/5)手紙を開くと(5/6)ラブソング(5/7)

5/3/2025, 8:27:03 AM

まるで夢のようなひとときであった。家に帰るなり慌てて日誌をつける。多少は美化して表現はするが、この軌跡は残さねばなるまい、風との語りはそれ程までに私の心を弾ませ動かしたのだ。西洋風に言うなれば“sweet memories ″といったところか。これでまた一つの物語が出来たのだから、誘ってきた友には感謝をせねばなるまい。

軌跡(5/1)風と(5/2)sweet memories (5/3)

4/30/2025, 9:29:40 AM

今宵は、誰かと巡り逢いとうこともない、そう言われて友に連れてこられた夜の街。ここいらでは道を歩けば至る所から、「こっちに恋」「愛にきて」と、手招きされる。どんなに離れていても聞こえてくるその妖艶な声達は、今を生きるのに必死なのだ。

ふとした瞬間、笑い声でもなく、手招きの声ではなく、唄が聞こえた。足を止めて周りを見ると、とある一角の店先に、風のような鳥を見つけた。私は唄に魅入られて、その鳥を指名した。その夜は、鳥の話を聞いているだけで夜が明けた。小鳥としては好きになれない、嫌いになれない語り鳥。だがそれでいいと思わせるような、鳥には不思議な魅力があった。

巡り逢い(4/25)「こっちに恋」「愛にきて」(4/26)どんなに離れていても(4/27)ふとした瞬間(4/28)夜が明けた。(4/29)好きになれない、嫌いになれない(4/30)

4/24/2025, 8:13:35 AM

お題は「big love!」か~、感謝だったり、そのままの意味「大きな愛!」そこで思い出した。17日後の5月11日の日曜日、母の日じゃん!今年の渡すもの何も考えてなかった。まだ、間に合う!ネット通販か、それとも直接買い出しか、買い出しならどこへ行こうかな?感謝を込めて贈るなら、やっぱ花か?いや、でも化粧品もいいな、服とかも、靴下を贈るのは父の日だっけ?偏見か?家事代行は部屋が荒れそうだし、どうしようかな!

これだけ考え込むってことは、ちゃんと育ててくれたことに感謝してるんだな…毎年アナタに、この大きな愛を形にするよ。

big love!(4/23)どこへ行こう(4/24)

4/21/2025, 10:16:34 PM

気づいて欲しいような、そうでないような、静かな情熱をもって、前を向くふりして、たまにあの人を見つめる。私の物語はなかなか前に進まないし、新書が始まることもない。と思っていたが、物語の始まりはいつも突然に始まるもので、夕方なんとなく家に帰るのが億劫で、誰もいない所で、影絵を作って遊びながら寂しいと独り言。

すると、後ろから影が伸びてきて、寂しいのか、とあの人に声を掛けられた。その後は何を言って、そうなったかは分からないが、寄り道をしたりして、星明かりのなか一緒に帰ることになった。

脈絡のない、たわいもない話が、こんなにするすると出て、家までの時間があっという間に過ぎるなんて思わなかった。送ってくたことに感謝を述べて、あの人が、また明日と背を向けた時に、楽しかったと私にしか聞こえないような、ささやきが自然と口から出る。だけどあの人は聞き逃さなかったのか、振り向いて目を細めて笑い、自分もそうだと言った。

これが私の恋愛編の始まりだった。

静かな情熱(4/18)物語の始まり(4/19)影絵(4/20)星明かり(4/21)ささやき(4/22)

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