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「おー、来た来たァ!」

今年も、この広い青い青い空から手紙が届く、甲板に出て上を向き自らの帽子を押さえ、すれ違う瞳で帽子をかぶったカモメに手を挙げ合図する。すると、大きな袋がドサリと目の前に落とされる。

にししっと笑いながら、今年も沢山きたなァとその場でドシリと胡座をかいて、袋から1枚づつ手紙を取り、じっくりと全体を見た後に手紙を開く。

いずれも名前と共に、誕生日おめでとう!!とか、愛してる!とか、生まれてくれてありがとうとか、好きだよー!とかの文字で埋め尽くされている。いつ、何処でこの情報を知ったのか分からないが、愉快な手紙たちである。本当は届くのは、肉の方が嬉しいけどこういうのも嫌いじゃない、幸せだなって感じる。笑みが溢れてきて、思わずラブソングの様な鼻歌を歌いたくなるのだ。

「♪~…おっと、いけねェ、風でとんじまう」

袋に貰った手紙を大事に納めて、機嫌良くこの謎の手紙たちを両手で抱えて、仲間に自慢しにダイニングに向かうのだった。

「おーい、今年も来たぞ!幸せのたより!宴の準備だ!」

青い青い(5/4)すれ違う瞳(5/5)手紙を開くと(5/6)ラブソング(5/7)

5/6/2025, 11:09:56 PM