もぞりと起き上がり欠伸をする、隣からは規則正しい呼吸音。昨日のは夢じゃないんだなと、嬉しさで緩む口を片手で隠しながら口角が自然に上がる。
昨日は、蒸し暑い風を感じてバテそうになるが、駅でおまえの帰りを待っててよかった。目を見開いて、慌てて駆け寄ってくるおまえに、こんなやさしさなんていらないだろうけど、この気温で少しぬるくなってしまった炭酸を渡す。ありがとうと感謝を述べて炭酸を一口飲んだおまえは、何か閃いたようで、コンビニ行って早く帰ろと手を握ってくる。
帰ってから、コンビニで買った氷をグラスに入れ、家にあった緑のかき氷シロップと先程のぬるい炭酸を注ぐ、炭酸で氷が溶けてカラリと鳴る。そのグラスに無理やりアイスを乗せるから、アイスも少し溶けて、かさ増してこぼれてしまう。でも、おまえは慌てながらもこぼれたアイスクリーム見て、これも一つの思い出になるのだと満足そうに笑う。
好きだなって言葉がポツリと口から出る。それを聞いたおまえは、私もだよと顔を近付けてきた…。
これは、真夏の記憶の一部である。
夢じゃない(8/9)風を感じて(8/10)やさしさなんて(8/11)こぼれたアイスクリーム(8/12)真夏の記憶(8/13)
いや~、【虹のはじまりを探して】迷った。虹の麓にいいものあるって言ったの誰だよ!(7/29)
電子レンジとかタイマーとかカウントが、0になる前の【タイミング】で止めたくなるのは、何故なのでしょうか。(7/30)
一目惚れって本当にあるんだ。夏だから、こんなにドキドキして【熱い鼓動】が鳴ってるってわけじゃないんだ。(7/31)
美しくて、【眩しくて】、強い、そんな女性に憧れてます。(8/1)
【8月、君に会いたい】と連絡くるが、私は9月に君に会って話したい気分。(8/2)
読んでほしかったような、そうでないような、そんな【波にさらわれた手紙】を私は、ただ岸辺で見ていた。(8/3)
こんなに暑いのに、待っててなんて言ってないのに、駅の出口には【ぬるい炭酸と無口な君】が私を出迎えてくれた。(8/4)
夜空に光の花が咲く、大勢の人の声、【ただいま、夏。】(8/5)
ビールの味は苦くて私にはまだ分からない、でもアナタが旨いと言うなら、その【泡になりたい】とさえ思えてくる。変な嫉妬だ…(8/6)
ドキドキする話は【またね】と言ったけど、急に忙しくなるのなんなの?(8/7)
指針がブレブレなのもいい加減にしろと、【心の羅針盤】をぶん投げて後悔する。(8/8)
部活帰りのファーストフード店でのくだらない話。今の僕らにとって大事な議題は、「もしも過去へと行けるなら、お前らならどうする?」で、ある。
注文したメニューが来るまでに話を広げながら、汗でしっとりと濡れた半袖のシャツにパタパタと店内の冷たい空気を入れる。自分自身ならどうするか考えていると、一人の友が「でも、ぶっちゃけ回数しだいじゃね?」と、言った。確かに、回数しだいで最大の選択肢が変わってくる。例えば一回だけなら、保育園の○○事件を消したいとかなるし…、いや、待てよ。
「過去に行ったとして、それに干渉できるのか…?」
それを聞いた友たちが、鳩が豆鉄砲を食らったような顔になる、確かにいくら過去に行けたとて、傍観だけならまた話が変わってくる。友の一人は、「そうだわ、チクショウ~!!」と頭を抱えている。それを見て、リアクションが笑いのツボに入ったのか一人は涙の跡ができるくらい大爆笑している。
僕はその光景を見て、もしも未来で辛くなったら、この夏の何気ないコイツらとの日常がオアシスだから、過去に行けるなら、この時間に戻って来たいと強く思った。
もしも過去へと行けるなら(7/25)半袖(7/26)涙の跡(7/27)オアシス(7/28)
風のよく通る揺れる木陰で休憩を、今日は待ちに待った『special day 』、特別な日だよ。何処まで読んだか、本の頁を捲りレシピを探す。飛べるように軽やかな甘さのジェラート、今日のおやつはこれが良い。今を生きる人類のあの子は喜んでくれるかな、星を追いかけて疲れただろうあの子。またいつか歩けるようになったら、共に歩んで欲しいあの子に『With True Love』特別な贈り物を…
揺れる木陰(7/18)special day(7/19)飛べ(7/20)今を生きる(7/21)星を追いかけて(7/22)またいつか(7/23)True Love(7/24)
日中は暑いなぁと思ってたら、外が急に土砂降りスコール、せっかく乾きかけていた洗濯物は横雨でべしゃべしゃどうして、途方にくれて心だけ、逃避行しながら、再度洗濯物を洗濯機へ戻す、湿気のある風で窓際の風鈴の音が鳴る。
やばい、窓閉めてないと慌てて窓へ行くが、窓は閉まっていた。床も濡れてない、では何処から風が吹いたのか。一瞬、私以外の誰かが家に居るのかと緊迫するが、隠された真実は慌てていて先程つまづいてずれたサーキュレーター、そういえばぶつかった足が痛い。
とはいえ、どきどき夏のホラー展開でもなんでもなかったことに安心する。安心したら小腹が空いてきた、洗濯物が終わる前にちょっとおやつ食べちゃおうかな。足にすり寄る猫にもおやつを与えて秘密をつくる、もちろん二人だけの。
だけど私は気づかない、夜まで気づかない。夜に、真昼の夢だったと思いたくなるような、気分になることを…、それでは聞いてください、私の絶望を、洗濯機のボタン押してない。
心だけ、逃避行(7/12)風鈴の音(7/13)隠された真実(7/14)夏(7/15)二人だけの。(7/16)真昼の夢(7/17)