小音葉

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2/19/2025, 1:31:33 PM

甘い雫も枯れる頃
踵を鳴らして飛び出した
地図もコンパスも持たないで
鈴のように私を奏でる

昨日はあの人、今日はあなた
行き交う、出会う、知らない誰かが私の導
人じゃあなくったって構わない
明日の色はまだ知らない
夢見る季節が終わっても、嵐のように私は鳴るわ

辛いモノも嫌いじゃないの
風のまにまに私が響く
花舞う都、さざめく街よ
あなたの名前を、教えて頂戴

(あなたは誰)

2/18/2025, 11:49:55 AM

あなたが私を愛した時
私はあなたを憎んだ

あなたが私を守った時
私はただ崩れる背を見送った

あなたが私を求めた時
私はあなたを忘れ白い海を飲んだ

否、否、否
幾星霜、時が流れようとも
繰り返し言葉を、刃を、熱を交わすのだろう

拝啓、彼方で私を待つあなた
星に臨む蕚から
この声が届いているのなら

どうか答を
もう一度、燃ゆる季節を

(手紙の行方)

2/17/2025, 3:22:19 PM

空を目指すのも良い
やがて月を駆り、熒惑を統べる日が来たなら
見下ろす廃墟に焦がれるのだろう

迸る血潮
大地の怒り
海を繋いだアビスの星
踏み締めた底に眠る、母のかいな

後退するチャリオットはなく
我らは槍を、剣を、掲げ吼えるのみ
いつか星となるまで

(輝き)

2/16/2025, 11:09:24 AM

あなたの望みが叶う時
私はあなたの隣にいたい

囀るように笑い、支え合い、偶には喧嘩もして
かつて奪われた当たり前の片隅で、並び立つ

差し込む朝日に微睡むあなた
たかが布の塊を妬む私を、あなたは微笑んで迎えるのでしょう
昼下がりの珈琲
あなたの想いが込められたクロワッサンを、私は溶け切ってしまうまで味わうのです
月光が照らす窓辺、降り頻る雪が闇を覆っても
あなたは忘れないのでしょう
背負い続けるのでしょう
その涙を拭うことを、細い肩を抱くことを、どうか許してください

なんて、素晴らしい未来
どんな祝福にも勝る約束を、何度夢に見たでしょう
許されざる明日を打ち明けたなら、きっとあなたは抱き締めてくれるけれど

あなたの望みが叶うこと
あなたが当たり前の中へ帰ること
私は願ってやまないのです
亡霊も宿命も、悉くを撃ち落として見せましょう

愛しいあなた、私の太陽
あと少しだけ、どうか隣に居させてください

(時間よ止まれ)

2/15/2025, 11:44:00 AM

迷い子の森
木霊する音は無く、裸足で一人

瘡蓋のような茶の管は霞を縫って
穿つ緑は針

一歩、進む
一歩、進む
立ち止まる
震える吐息に色は無く、裸足に滴る

亡霊のように佇む陽炎のあなた
私を誘う

払暁
黒いあなたが告げる
泥より出ずる朝が来た、と

(君の声がする)

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