小音葉

Open App

あなたが私を愛した時
私はあなたを憎んだ

あなたが私を守った時
私はただ崩れる背を見送った

あなたが私を求めた時
私はあなたを忘れ白い海を飲んだ

否、否、否
幾星霜、時が流れようとも
繰り返し言葉を、刃を、熱を交わすのだろう

拝啓、彼方で私を待つあなた
星に臨む蕚から
この声が届いているのなら

どうか答を
もう一度、燃ゆる季節を

(手紙の行方)

2/18/2025, 11:49:55 AM