この場所にいる限り、ボクの世界は変わらないのではないか?胸の苦しみはいつまでも消えない。環境を変えれば改善されるかもしれないが、それは根拠のない夢見る子供の妄想でしかない。
現実は落ち葉の道を"綺麗だね"と言いつつ踏み躙る傍観者ばかりだ。このまま誰かに踏まれ続ける人生は嫌だ。本当に綺麗だと思っているなら、貝殻みたいに持ち帰って。もう一度輝けるチャンスをください。天国にいるおばあちゃんに"ボクは幸せだよ"って伝えたいんだ。
題『落ち葉の道』
頭がふらつく。腹がキュルキュル音を鳴らす。お腹が空いたとも食べ過ぎとも感じてしまう。食事は回数制でそれ以上は怖すぎて食べれない。意味不明な拘りを持ちながらも芯のある行動をする小説の登場人物じゃないんだ。誰の共感も得られない支離滅裂でバグってる。食べたいのに食べれない。空腹感が常に付き纏い、満足のいく食事を摂った覚えがない。満腹は恐怖であり耐え難い嘔吐感を伴う。読んでいて不快になる。これが同情を誘う可愛げな行為なら主演男優賞ものだ。
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"やあ、いらっしゃい"
君が隠した鍵はボクの部屋のルームキー。ダニが飛び交うベッドと壊れたシャワーしかないけれど、いつでも遊びにきてよ。
らっきょうor梅干し1個とメインを2口ご馳走するよ。
"もっと食べたい?大丈夫!"
ボクは10年以上コレで生きてるから。
同じ食事をしよう?
————————扉—————————
鍵をかけられ、部屋は見なかったことにされた。
題『君が隠した鍵』
最近はたまにウォーキングを休む日が増えた。以前は夜明け前の夏の外気が心地よく、心が癒されていた。今は肌寒いばかりで雨も多く、習慣としての強迫観念から続けているだけだった。勿論、走らない事で胸がモヤモヤする日もあるが、その時は次の日に走ることにする。(あまりに土砂降りなら無理はしない)
手放した時間は読書をする。誰も起きてこない時間は貴重だ。雑音を処理しながらの読書はマルチタスクとなるので脳が受け付けない。本を読みながら、ふと疑問に思うことがあれば本を閉じる。目も閉じてじっくり考える。その時はまだよく理解していないことも多い。数日後、夜中に目が覚めて、たまにストンと腑に落ちる。手放した時間は何もしていないのではない。「何もしない」という行為を選択している。自分の心と向き合って対話している。私が愛しているのは何だろうか?
題『手放した時間』
ワインレッドより薄く、猿頬よりも赤い。紅色のタートルネックのインナーが首元から覗き、陽の光を浴びて顔を明るく染める。単調な色合いになりがちな冬の装いのアクセントになる。オシャレはささやかな社会への反抗。男はナチュラルでだぼだぼなファッションばかりだから気づかない。紅のメモ帳。マニキュアにペディキュア。辛い時には色から勇気をもらう。オシャレする以上に生き甲斐となる趣味はあまりないと思う。少なくともボクはそう思ってる。気づかれないように反抗する。ダサい見た目で罵ってくる相手に謝りながら、心の中で馬鹿にして優位性を保つ。"そんな恥ずかしい格好で何言ってんの?"
コーヒーの黒ばかりの世界に紅茶の香りが漂う。
一人だけのティータイム。ホッと一息、紅の記憶。
題『紅の記憶』
ベッドの中で、ゆっくりと膝を曲げ、夢の断片を拾い集める。石灰石のように遥か昔から落ちていたのかもしれない。干潮になって初めて気づく。小瓶に入れて飾っておこう。今はまだ心が疲弊していて何も考えられないから。ゆっくり休んで、それから考えればいい。
好きなことを探そう。
自分に優しくしてあげよう。お金だって使っていい。
今はまだダメ人間でも構わない。現実と向き合う余裕ができたら、また頑張るから。生きてるだけでも凄く偉いんだ。
題『夢の断片』