教室に差し込む西日が、うたた寝する頬を照らし、陰影のついた寝顔が魅力的で見入ってしまった。本人は全く気づいていないだろうけど密かに思い続けている。当時のボクはそれなりに自信のある見た目と有意義だと感じる日常を過ごしていた。今でも初恋の人に会いたいと偶に思うけど、今のボクを見てガッカリする可能性が大いにあり得ると思うと情けない。それでも何処かで小説のように出会えないだろうか。そして現状を打破して人生で叶えたいエゴを見つけられないだろうか。気持ち悪い妄想かも知れないけど、そんな初恋の叶った夢をみる。
題『初恋の日』
喜びしかない
題『明日世界が終わるなら……』
君と出逢って、二人だけで過ごして、周りの存在が無意識の内にストレスになっていたんだと気づいた。だけど今日からまた同じ日々が始まる。一人で暮らしたい。でもそれは叶わない。誰かに寄り添わなければ生きていけない。日々の小さな幸福を犠牲にして、この場所で生きている。押し付けられるエゴに心が潰されないように、胃が警戒態勢であり続ける。この日常はバグってる。
題『君と出逢って、』
耳を澄ますとテレビからクラシック音楽生の多忙な日常と超絶技巧な演奏が聴こえてくる。ボクとは違う世界。親が音楽家でもない限り解放されていない扉の向こう側。どれだけ才能があったとしても親の選択が子供の一生を作用する。もちろん当人達にしか分からない苦悩もあるだろう。だがそれでも音大生として認められていることに嫉妬を覚えてしまう。どうしても独学では辿り着けない領域にあるから。そう思うのは甘えだろうか。だが個人の限界というのも確実に存在していると思う。一部の人達に与えられた特権のように音楽を感じてしまう。耳を澄ますとボクがその場所に立っていない現実を想像して嫌になる。何もせずに携帯の音量を0にしてスマホゲームに興じている。
題『耳を澄ますと』
二人だけの秘密はクランブル状の生地のように脆く崩れやすい。一人が二人になるなら三人になることもあるだろう。もはや秘密の漏洩は時間の問題だ。"絶対に秘密にしてほしい"と伝えることはできる。だがバレたら問い詰められるような内容の詳細を話せる相手とは限らない。例え信頼できる相手でも、経験則から口が軽いと判断されている為、秘密は秘密のままである
題『二人だけの秘密』