My Heartは緑色に濁った海底に向かっていた。
刹那的な輝きを放つ浅瀬の貝殻には見向きもしない。
深い水底には竜宮城があって宝物がある。そう信じてMy Heartと名付けた錨を海底へと沈ませる。
題『My Heart』
特に欲しいものはない。家族全員が家を出るまでソファに座っている。誰もいなくなったら自室のベッドに横になり昼食まで目を瞑っている。たまに飲み物と飴を少し口に含む程度で携帯を開く気分にもなれない。昼食は薬と残り物の惣菜を一口食べるだけ。またベッドに潜る。夜も同じ。テレビも人も耐えられないから19:00には寝る。風呂キャンも多い。そして03:00前には起きて朝ご飯。そんな生活。横になって耐える程度の体力と気力しかないから、何かをねだるような気力もない。このアプリはコメントがつかないから楽。返信とか面倒すぎて無理だし、どんなコメントでも苦しくなるから。
題『ないものねだり』
膝の部分に液状の黄色い接着剤がこびりついて剥がれないズボン。忌まわしい工場の思い出が付き纏う。好きじゃないから捨てたいのに、新しいズボンを買ってもらえないから履き続けている。このズボンを履くたびにガッカリして、布団に潜ればベッドという聖域が汚されている気分になる。
もうこれ以上考えるのは好きじゃない。
題『好きじゃないのに』
いつも雨が降っている訳ではない。歯磨きをしながら鼻歌を唄う時だってある。でもその姿を見て元気そうだと思わないで。それは一瞬の幻。24時間の数分の出来事で日常の1%以下の行為でしかないレアイベント
。雨上がりの虹でしかない。
ところによりSF映画。地球の危機に全世界の優秀な人材が集まって結局は解決してしまう。もしかしたら地球が鬱で死にたいと思って自殺しようとしているのかもしれない。なんで解決しちゃうの?ようやく終わりを迎えられると思ったのに。もう48億年くらい生きたんだから終活したっていいじゃない。そんなグチを囁く。地球の溜息は、ところにより雨となる。
題『ところにより雨』
特別な存在になりたいと願った。既に誰かの特別かもしれないけどボク自身が納得していなかった。これまでの人生、努力を惜しんだことはなかった。今も努力は続けている。けれど今となってはベッドから抜け出せない日々だ。たまに不意に涙が溢れる。深い呼吸ができるのはベッドで横になっている時だけ。
今からでも特別な存在になれるの?
きっとなれるよ!知らないけど
題『特別な存在』