圧倒的にペンギン

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7/5/2023, 5:38:36 PM

「今日はいい天気だし散歩でもするか」
私は夜の町を四つん這いになって歩いていた。

すると─

「ちょっといいですか?」
警察官に声をかけられた。
職質と言うやつだろうか。

私は紳士的に応じた。
「任意ですよね。だったら何も言うことはありませんファッ○」

しかし警察官は横暴にもこう言った。
「我々も仕事なもので。荷物を見せてもらってもいいですか?」
良くない。
私のカバンには日本刀3本と白い粉が入っている。

私は賭けに出た。ワンチャンこの警官を亡き者にすれば何とかなる。
暴力は力である。
「政府の犬めくたばれ」
私は渾身のカラテチョップをお見舞いした。
が、気づくと私の体は宙を舞っていた。
背負投げをくらったらしい。
私は地面に叩きつけられた。
警察の横暴に屈した哀れな庶民の図である。
私はそのまま意識を失った。
空は綺麗だった。

7/4/2023, 7:37:32 AM

皆さんは自宅警備員という職をご存知だろうか?
危険が伴う大変な仕事である。
が、同時に安月給でもある。
金銭面に不安を覚えた私は、最近自宅外業務を始めた。
家の周りのパトロールである。

歩いていると子供たちが騒いでいるのが見えた。
大勢の子供が1人の子を囲っている。
イジメのようだ。
「ヤーイお前の母ちゃん派遣社員!」
「父ちゃんはヒモ野郎」
どうやら低所得の親を馬鹿にしているようだ。
まあ、よくある子供の喧嘩だ。放っておいてもいいだろう。

しかし次の言葉に私は耳を疑った。
「お前みたいな貧乏人、将来自宅警備員になるしかないんだろ?情けないな」

私の中の何かが切れた。
私は持っていた金属バットでクソガキどもを制圧した。
見たか大人の力を。

間違えてイジメられていた子供もこらしめてしまったが、まあしょうがない。喧嘩両成敗というやつだ。
後はお金を徴収すれば仕事は終わりだ。
私がクソガキどもに金品を要求しようとしていると、

「そこで何をしている?」
通りがかりのプロレスラーが話しかけてきた。
「いや、これはですねえーと、困ったな」
糞が。
私はお金を諦めて、逃走した。
もちろん捕まった。

7/3/2023, 8:12:11 AM

「暑いな」
日差しがきつい。
しかし私には仕事がある。
そう、日焼け代行という立派な仕事が。

日焼けを代行しても意味がない、という先入観の裏をついた天才的なアイデア。

「そろそろ始めるか」
私は道端に寝転んだ。
道行く人が迷惑そうに見るが、気にしてはいけない。これがこの仕事の辛いところだ。

しばらくして私は気づいた。
「肌が痛い」
肌が赤くなっている。
よく考えたら私は肌が弱いのでこの仕事に向いていない。

「仕方ない」
私は道行く人から適当な人物を探し、半殺しにして縛りつけた後、道に寝かせた。
彼に代行してもらおう。

〜20時間後

見に行ってみると、いい感じに焼けていた。
「よし、申し分ない」
私は写真を取って依頼主に送った。
すると、なぜか半殺しにした男のスマホの着信音が鳴った。
指紋認証でロックを解除してみるとどうやらこの男は、私の依頼主だったようだ。

私はがっかりした。
「代行した意味ないじゃん!」

7/2/2023, 5:31:28 AM

私が部屋に戻るとそこには驚愕の光景が待ち受けていた。
知らない人が窓の外に張り付いていたのだった。
「家に入れてくれ〜」
しかも何か言っている。
完全に不審者だ。
本来ならば警察に通報するところだが、寛大な私は入れてやることにした。
ただし、危険人物の可能性もあるので、安全を考え、不審者の足の骨を砕き、手足をしばった。ついでにアバラも何本か折った。

「あなたは何者ですか?」
私は優しく話しかけた。しかし、不審者は痛みで声が出ないようで苦しそうに唸るだけだった。
優しくし過ぎて調子に乗ってしまったようだ。
流石の私も我慢が出来ず、警察に通報しようとしたところで、あることに気づいた。

「ここはどこの家だ?」

寝ぼけてて気づかなかったが、ここは私の部屋じゃない。
昨日酔った勢いで別の家に転がり込んでしまったようだ。
まったく、はた迷惑な話だ。
私は迷惑料として金目の物を頂戴して家を後にした。
それにしても窓にいた人物は誰だったのだろう。
「最近は物騒になったな」
私はこの国の行末を心配した。

6/29/2023, 10:05:45 AM

夏といえばプール。
ということで、私はさっと水着に着替えるとプールにダイブした。
華麗に。
まるでトビウオのように。

「ぐっふぅっ?」
しかし着地は散々なものだった。
というかプールに水が入っていなかった。
「はーはーハヒィーふーふー」
痛すぎて言葉が出ない。
アバラを何本かやってしまったようだ。
足も変な方向に曲がっている。

いい年した大人が学校のプールに忍び込んだ罰だろうか。
考えてみれば今は12月だ。プールなど使われるわけがない。
何が夏だ。調子に乗りすぎた。
恥ずかしいが助けを呼ぶしかない。
私はスマホを探そうとして絶望した。
荷物は脱衣所にある。

助けが来るのを待つか。
そこまで考えて私はさらに絶望した。
今は深夜1時である。
朝まで待ってたら凍死してしまう。
というかすでに痛みが洒落にならない。
しかしそこに奇跡が起きた。
「大丈夫かー?」
人が来たのだ。見回りに来た警備員だろう。

私は必死に存在をアピールした。
神は存在したのだ。
「今助けるぞー」
警備員はプールに飛び込んできた。
え?ちょおま。
警備員はプールが空であることに気づかなかったらしい。
一行目の私と同じノリでプールに飛び込んできた。

2人は激突し息絶えた。
終わり。

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