圧倒的にペンギン

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夏といえばプール。
ということで、私はさっと水着に着替えるとプールにダイブした。
華麗に。
まるでトビウオのように。

「ぐっふぅっ?」
しかし着地は散々なものだった。
というかプールに水が入っていなかった。
「はーはーハヒィーふーふー」
痛すぎて言葉が出ない。
アバラを何本かやってしまったようだ。
足も変な方向に曲がっている。

いい年した大人が学校のプールに忍び込んだ罰だろうか。
考えてみれば今は12月だ。プールなど使われるわけがない。
何が夏だ。調子に乗りすぎた。
恥ずかしいが助けを呼ぶしかない。
私はスマホを探そうとして絶望した。
荷物は脱衣所にある。

助けが来るのを待つか。
そこまで考えて私はさらに絶望した。
今は深夜1時である。
朝まで待ってたら凍死してしまう。
というかすでに痛みが洒落にならない。
しかしそこに奇跡が起きた。
「大丈夫かー?」
人が来たのだ。見回りに来た警備員だろう。

私は必死に存在をアピールした。
神は存在したのだ。
「今助けるぞー」
警備員はプールに飛び込んできた。
え?ちょおま。
警備員はプールが空であることに気づかなかったらしい。
一行目の私と同じノリでプールに飛び込んできた。

2人は激突し息絶えた。
終わり。

6/29/2023, 10:05:45 AM