【question】
家。
「あれー?ビンのフタが開かない」
妹が何か騒いていた。
私は仕方なく言った。
「は〜。まったくやれやれ。これだから女は非力で困る。ほれ、お兄ちゃんに貸してみな」
私は妹にビンを借りると持ちうる限りの力を総動員して回そうとした。
「ふん。ヒギィィィーー」
しかし。開かない。何だコレ。
「あれ?あれだけ言っておいてまさか開かないの?ダサ」
妹がちゃちゃを入れてくるが気にしたら負けだ。
「あああぁぁぁぁーーぎぃぃぃーーうぉぉーーー」
私は持てる力を全て振り絞った。
摩擦で肉はそげおち骨もボロボロになっている。
ピキッ。ゴキュ。パカ。
「ヤッタァーーーー」
ついに開けることに成功した。
しかしその代償は大きく右腕は変な方向に曲がっており感覚もなくなっていた。
「どうだ!」
すると妹は
「あれ?これよく見たら空だ。開けたかったのはこっちだった」
と言って別のビンを取りだした。
─その後
実はそのビンは調子に乗った男性を懲らしめるための道具だったらしい。
私がそのことに気づいたのは左手も犠牲にしたあとだった。
【終わらない物語】
今日は会社の新人とお好み屋さんに来ている。
「久しぶりに豚たまでも食べるかな」
注文してしばらくすると店員が料理を運んできた。
店員「おまたせしました。豚は─」
「私です」
バチーン。
返事した瞬間私は店員にビンタされた。
店員「豚は喋らないでもらえますか。汚らわしい」
「え?どういうことで─」
ガッシャーン。
店員は豚たまを床に叩きつけた。
当然グチャグチャである。
「お好み焼きは床に置きましたので豚さんは這いつくばってお召し上がり下さい」
何この扱い。怖い。
そういえば以前先輩がSMオプションがあるお好み焼き屋があるって言っていたような。
仕方がない。
新人には悪いが店を変えよう。
「おい。店をでよ─」
ボキャア。
私が口を開いた瞬間新人に殴られた。手にはメリケンサックが付いている。
新人「家畜風情がさえずるな」
「え?」
その後、私は店員に鞭で殴られながら床に落ちたお好み焼きを這いつくばって食べることとなった。
帰り道
新人「あの店ヤバいっすね。客に暴力を振るうなんて。僕も何度か文句を言おうとしたんですけど相手が女性なもんで言いにくくて、えへへ」
は?
【ありがとう、ごめんね】
休日のある日。
私はいつものようにブリッジしながら修正液を舐め回していた。
「あっあっあああー。浄化されるぅぅーー」
1人で叫んでいると玄関の呼び鈴が鳴った。
「お届けに参りました。ピザF◯CKです」
どうやら頼んでいたピザが来たようだ。
私はすぐにピザを頬張ったが違和感に気づき吐き出した。
これは、、、
「ピザから修正液の味がする!」
ビターン。
ピザを投げ捨て怒り狂った私はすぐさま店にクレームを入れることにした。
店員「お電話ありがとうございます。ピザF◯CKです」
私はすぐに本題に入った。
「あなたの店のピザから修正液の味がしたんですけどなんの嫌がらせですか?」
するとゴミ店員は反論した。
店員「お客様。失礼ですが修正液を飲みながらピザを食べてませんか?」
意味がわからない。
「そんなアホなことやるわけありませんよ。もしそうなら切腹してやりますよ」
店員「分かりました。では今から人を送るので事実確認が出来たら弁償いたします」
ガチャ。
態度は気に食わないがどうやら返金してくれるようだ。
安心した私はしかしふと机の上を見て青ざめた。
机の上に修正液が山積みになってる。
まずい。これでは私がピザに修正液を入れたようにしか見えない。
事実無根だが誤解を与えないためにも早く隠さなければ。
しかし
「ピザF◯CKの調査官です。」
全身武装した男たちがドアを蹴破って侵入してきた。
電話を切ってから約1分後の出来事である。
調査官は私が修正液を抱きかかえているのを発見するとニヤッと笑い日本刀を構えた。
「事実確認完了。刑を執行する」
「いや。これはその違くて、その、話を、、いぁぁぁーーー」
私は細切れにされた。
─後日
ピザに修正液が混入しているという苦情がピザF◯CKに相次ぎ店は営業停止に追い込まれた。
【脳裏】
「わー」
今日は後輩の田中と一緒に課長の新築祝いに来ている。
「いい家ですね」
私は社交辞令を言って適当に場を和ませていたが、
田中「なんか狭くないですか?」
ピシ。
後輩の何気ない一言により空気が凍りついた。
まずい。なんとかフォローしないと。
私の脳裏には怒り狂って暴れまわる課長の姿がよぎった。
私は壁に拳を叩きつけた。
「こら田中。本当のことでも言っていいことと悪いことがあるだろ」
壁には穴があいた。
課長「あ、」
私は続けた。
「なにがオンボロのほったて小屋だ!課長がこの犬小屋にいくらお金をかけたと思ってるんだ!」
田中「いやそこまでは、、」
私は言い訳をしようとする後輩を諌めた。
「口ごたえするな!」
ボン。
私は料理が並べられていたテーブルをひっくり返した。
ガチャーン。パリンパリン。
課長「君、そこまで言わなくても」
温和な性格の課長は気にしていないようだがここで新人に調子に乗らせていいことはない。
「課長!甘やかしてはいけません。彼はこの家をバカにしたんですよ。狭すぎて刑務所かと思ったとか、こんな家に住んでいる課長は犯罪者予備軍だとか。言われっぱなしでいいんですか?」
田中「いや僕は」
「いいから謝れ!」
私は壁に掛けていた絵を投げつけた。田中は避けたので絵はテレビに当たり2つとも壊れた。
課長「もうやめてくれ」
「は!」
課長の声で私は正気に戻った。
少しやりすぎたようだ。
収拾しよう。
「田中。反省しろよ」
私はタバコをソファに押し付けながら後輩に道徳を説いた。
それが後に火災に発展するとは当時の私は考えてもいなかった。
【眠りにつく前に】
夜中の出来事。
「はー花火楽しぃーーーー」
私はロケット花火を警察署に打ちまくっていた。
当然すぐ警察官が出てくるだろうがいつものように頭がおかしいフリをすればなんとかなるだろう。
これが処世術というやつである。
などと考えていると
「おい、何をしているんだ」
誰かが声をかけてきた。
私はとっさに鼻に指を突っ込み間抜けな演技で対応した。
「あひぃぃぃーーー?」
「あっ先輩じゃないですか!」
よく見ると会社の新人だった。
これは先輩として体裁的に良くない。
私は冷静に対応した。
「何か用かね?」
すると新人は
「花火ですか?皆でやりましょうよ!」
と言い出した。
見ると警察官がぞろぞろと出てきた。
手には花火を持っている。
意外だ。
「いいんですか?」
私が恐る恐る聞くと警察官は「皆でやれば怖くありませんからね。やりましょうよ」
と気さくに答えてくれた。
「いよっしゃぁぁーーーー」
言質を取った私は遠慮なく警察署に花火を打ちまくった。
─翌日
私は国家転覆罪で死刑になった。
ちなみに会社の新人はキ◯ガイの真似をして難を逃れていた。