圧倒的にペンギン

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【ふたり】

高橋「はぁー」
後輩の高橋がため息をついていた。

私「何かあったの?」

高橋「いや、僕って仕事できるじゃないですか?」

私「いやまったく」

高橋「天才というか。容姿も完璧だし、気づかいもできるし」

私「何一つ同意できない」
高橋は愛嬌の無いアンパンマンみたいな顔だ。

高橋「あえて欠点を言うなら万能がゆえの孤独感、ですかね」

私「相談するなら人の話も聞こうな」

高橋「僕も先輩達みたいに毎日何も考えず脳死でお気楽に生きて行こうと努力はしたのですが、溢れ出る素質はそれを許さなくて」

私「言葉のキャッチボールって知ってる?」

高橋「で、最近思ったんです。僕はこの会社に収まる器ではないと」

私「はぁ」

高橋「つまり転職しようかと」

私「おお!」

初めて生産的な言葉を聞き私は感動した。

高橋「と思ったんですけど調べるのが面倒くさいので今日も居眠りしながら床のシミを数えます!僕の分の仕事もお願いしゃーす!」

高橋はいつものように職務を放棄した。

私「ああああああああーーー」
私はいつものように脳が破壊された。

8/31/2025, 1:27:27 AM