圧倒的にペンギン

Open App

【コーヒーが冷めないうちに】

会社の業務中。

後輩「あっちゃー、やっちゃった(泣)」

どうやら後輩がミスしたようだ。
ここは先輩として傷口をえぐ、じゃなくてフォローしよう。

私「どしたん?話聞くよ」

後輩「実は先輩と一緒に作っていたプレゼン資料を誤って消してしまって」

私「え?」

私は動揺した。一緒にと言ってもほとんど私が作ったものだ。3徹して。

私「まぁまぁ落ち着いて」

私は深呼吸した。
よく考えればバックアップが私のフォルダにあるし、最悪紙の資料も印刷していたはずだ。

後輩「それがバックアップも消してしまって。紙の資料も遊び半分でシュレッダーしちゃいました」

私「殺す、じゃなかった。はぁ全くやれやれ」

絶望的な状況だが私は冷静だった。
実はこんなこともあろうかと資料のバックアップをUSBメモリに保存して家においてあるのだ。
セキュリティ上よろしくないが、今回はそれに助けられたな。

しかし、

後輩「実は、先輩が隠れてUSBを家に保管していたのは知っていました。昨日それを課長に耳打ちしたのですが、、、」

私は顔面蒼白になった。コイツ、、、。

私「それで?」

後輩「激昂した課長が先ほど先輩の家を燃やしに行きました」

私「あああああああああああああ」

私は崩れ落ちた。もはやこの感情がなんなのか分からない。

バチーン。

不意に後輩が私の頬を叩いた。

後輩「しっかりして下さい。先輩が取り乱したら誰がこの場を収拾するんですか」

私「は!確かに」

後輩のおかげで少し冷静になれた。代償に歯が何本か抜けたが。

私「よぉーし」

私はコーヒーを飲みながら冷静に現状を分析し、解決策を模索し始めた。

30分後。

私は退職した。

9/26/2025, 7:18:24 PM