街
見慣れた街の景色がいつもと違う。
世界はこんなにもキラキラと輝いていたのかというくらいに。
初めて失恋した時は灰色の街並みにしか見えなかった。
それから努力の甲斐があって、一度は失恋したもののの、その人から逆に告白を受けた。
それが昨日の夜だ。
現実なのか夢なのか、ふわふわした状態になりながらも、心地よい朝を迎えた。
急に散歩がしたくなった。
外に出たくなった。
人気のない道なのに、
寂しさを感じることはなかった。
少し小高い丘に登れば、街を見渡せる。
朝日が本当に眩しかった。
やりたいこと
やりたいことList
▪️一緒に映画を観に行く。
できればカップルシートで❤️
▪️水族館に行く。
クラゲのぬいぐるみも買う。
お揃いのキーホルダーとか!
▪️海辺でデート
近くのパンケーキ屋さんにも行く♪
▪️図書館で一緒にお勉強
分からないところ、教えてもらおう!
▪️公園でピクニック
サンドイッチとか作る。レシピ検索!
▪️デート用のお洋服探し
友達と一緒に。
あー、彼と色んな思い出作りたいなぁ。
朝日の温もり
現実と夢との狭間を揺蕩う時間が好きだ。
それも一人寝の時ではなく、隣に感じる温もりがある日は特に。
カーテンの隙間から挿す朝日が眩い。
君の瞳が金色に染まる。
こんな日はもう少しだけ、
柔らかな光と共に君の温もりを感じていたい。
岐路
人生は様々な選択肢を選んでいく。
そのことの繰り返しだ。
色々な分かれ道があって、あの時こうしていれば、
ああしていれば、なんていうことは散々だ。
もちろん選んできた道を後悔はしていないが
それでも『もし…』ということを考えてしまう。
やり直しはない人生。
漫画やアニメのようにループするような展開があれば、
あの日あの時あの場所へと戻りたい。
そう願ってしまいそうになる。
この夜空を彼女も見上げているだろうか。
世界の終わりに君と
勇者が魔王を討伐してハッピーエンドというのが、冒険譚の王道だ。
でも、この世界ではそうはならなかったらしい。
勇者は死んだ。
今日で世界が終わる。
そう魔王が宣告してきた。
もうすぐ終わるというのに、何だか僕は落ち着いていた。
多分、死ぬのが自分だけではないというところが、落ち着かせていたのかもしれない。
「ただいま」
視線の先にはベッドに横たわっている僕の恋人だ。
「おかえりなさい」
といつもよりは少し元気な声が返ってくる。
病気の彼女は遠出はできない。
だから昼間は庭でピクニックをした。
彼女の笑顔が久しぶりに見れた感じがする。
「夕日が綺麗だよ」
そう言って窓を開けてから彼女のベッドに腰をかける。
明日はもう来ない。
この素晴らしい夕日も今日で見納めだ。
そう考えると、日々をもう少しどう生きようかと、真剣に考えるべきだったかもしれないが、今更遅い。
それに、僕のやるべきことは、明日世界が滅びようが、そうで無かろうが関係ない。
彼女のそばにいること、それだけだ。
今夜は彼女を抱きしめよう。
世界の終わりに君と僕の心は一つになる。