REINA

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4/21/2024, 1:32:48 PM




軒下から伸びている氷柱が、
陽の光を浴びて輝く。

私は何故かそれに見入ってしまった。
もうすぐ春が来ると思いつつも、
まだまだ寒暖差が激しい。

氷柱の先からぽたぽたと雫が垂れている。
子気味いいリズムで、私はそれをじっと見つめる。

雫の音をいつまでも聞いていたいと思った。

4/20/2024, 1:28:15 PM

何もいらない


あなたさえ私のものになってくれれば、
他には何もいらない。



なんて、そんなことはない。
欲しいものは他にだってあるもの。


やりがいがある仕事。
上司に求める承認欲求。

友達との交流。
密かなマウントの取り合い。

趣味も充実したプライベート。
週末だってキラキラ女子。



何もいらない。
そんなこと言わない。


欲しいものは全部手に入れる。
欲張りな私。

4/19/2024, 1:32:41 PM

もしも未来を見れるなら


『好きです!今日だけでいいので付き合ってください!』


そう言って、今日無理矢理デートをしてもらっている。
相手は最初こそ怪訝な顔をしていたが、私があまりにも真剣な顔をしていたのか、それとも私の鬼気迫る勢いに負けたのか(笑)
ともかく、デートにはこぎつけた。


定番なデートだけど、幸せだ。
駅で待ち合わせをして、映画館に行って、公園で私お手製のお弁当を食べて、最後はカフェで大好きなケーキを食べた。
ケーキは彼がご馳走してくれた。
お弁当のお礼のようで、嬉しかった。

「なんで今日だけなの?」
そう彼は聞いてきた。

私は言おうか言うまいか躊躇ったけど、話してみることにした。

「もしも未来が見れるなら、そしてその未来が明日死ぬと分かっていたら…」

静かにそれでいて淡々と私は話す。

「悔いのないように最後まで生きたいと思ったからです」

彼は「え?」と息を呑んだ気がした。
その後は沈黙が続いた。
おそらく私の意図を汲み取るために思考を凝らしているのだろう。

構わず私は続けた。

「……なんて冗談ですよ。そういう気持ちでいれば、先輩に勇気を持って告白できるかなと思って。文字通り、死ぬ気で」

と乾いた笑いが風と共に走り去る。
私が明日、本当に死ぬのかどうかはそれほど重要なことじゃない。

今、あなたの隣にいることが出来ていることが重要なのだから。


4/17/2024, 1:22:05 PM

桜散る


桜が咲き誇る中で、
出された答えは『YES』でも『NO』でもなく、
『Pending』だった。


つまりは保留。
「考えさせて欲しい」


いつまでに?
どのくらい待てばいいの?
ちょっとでも勝算はあるの?
それとも私を気遣うための言葉なのかな?


どんなに考えても、あなたの考えが分からない。
でも彼の性格からすれば、真面目に考えてくれているのだろう。

例えその先に出た答えを聞いて、私が枕を濡らすことになったとしても。


桜が咲き誇る中で告白した時期から、
桜が散らんばかりの頃に答えを聞いた。

もうすぐ新緑の季節に移ろいゆく中で、
彼が出した答えは『NO』だった。

そっか。
と、なるべく気丈に振る舞った。
せめて友達として…と伝えるのでも精一杯だった。

多分、これから先、桜散る頃に思い出すのだろう。
この初めての告白を。

そして、時が経てば経つほど、
もしかしたら霞んだ淡いピンクの思い出として、
消化されていくのかもしれない。






4/16/2024, 12:58:50 PM

夢見る心


『将来の夢はお嫁さん』


それは昔から変わらない。
誰かを愛したいし、愛されたい。

知り合って
友達になって
恋人になって
結婚して 

お互いがお互いを大切に思えるような、
そんな人に出会ってしまったの。


ふわとろで甘々な気持ち。
白いウェディングドレスを身に纏って、
あの人と一緒に笑い合う。


まずは私を知ってもらわないとね。
夢見る私の心は、今日もあなたでいっぱいです。

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