今年の抱負
私は私になります。
再スタートを切ります。
私は再生します。
私は私を救います。
私は華を咲かせます。
私の中の私に、覚めたままで夢を見せます。
新年
明けましておめでとうございます。
昨年もたくさん読んでくださり、本当にありがとうございました。
今年も一緒に、進んでいきましょう。
1年間を振り返る
取り巻く状況は水槽のようだった。
苦しくなるほど他の世界がよく見える時代故の
自分になり切れない焦りで息継ぎに失敗したりしていた
本心はいつも世間と反対になるばかり
時代の暴風は矮小な自我を吹き飛ばそうとしたけれど
自分だけの答えと気づきを得ようとする
割に合わない思考や行動を諦めないために耐えた
それを美学とさえ思い込んでいたから
文字通り泣きながらやり過ごした
そんな、延命のような時間だった
馬鹿だね、本当に
賢く生きる戦略なんていくらでもあるのに
基本的に苦しくて効率の悪い方法が
最も答えと気づきを生むって体感してしまったから
馬鹿なままでいる覚悟なんか決めてしまったよ
後悔はしてないよ
来年はもっと馬鹿になるよ
馬鹿は死んでも治らないらしいからね。
みかん
ユーザー名だった。
最も自分らしくいられるアバターの名前だった。
姿も知らない人たちから呼ばれるたびに
私は「私」になっていった
解離したまま消えてしまうような気がしていた私にとって、それは命を救うことに値した。
インターネットは宝物になった
当時出会った人は今も、本名を知っているのにこの名前を口走る。
呼んだ自覚さえないほどに馴染んでいるようで
それがとても嬉しくてたまらない。
私は今日も、なんてことない果物の名前に守られている。
冬休み
意味もなく徹夜した後に見る陽は異様に眩しかった。
手の届く範囲の夢を描いていたら朝が来ていた。
そんな毎日が、冬季休暇という立派な名前の内実だった。
特設ワゴンに引っ越した彩り甚だしい菓子と飲料をいまだに貪っている。
とっくに終わったお祝いのおこぼれを貰っている。
背伸びなんていらない
私は「休み」が大好きなのだ。
あわよくば夢まで叶えと
抱負なんぞを考えてみたりする。
いつまでも乾かないジャージを眺めながら願う
寒い日々に生まれる、ぬるま湯のような期間に浸かっていたい
きっと数年後に感傷と思い出補正で、この怠惰は美しい記憶に変わる。
「行きたくねえなあ」
気づけば自転車に乗って、見慣れた門を潜っていた。
「あけおめ」
あーあ、大事な人たちが友好的。
幸せ、とやらの
破片の味がした。