冬休み
意味もなく徹夜した後に見る陽は異様に眩しかった。
手の届く範囲の夢を描いていたら朝が来ていた。
そんな毎日が、冬季休暇という立派な名前の内実だった。
特設ワゴンに引っ越した彩り甚だしい菓子と飲料をいまだに貪っている。
とっくに終わったお祝いのおこぼれを貰っている。
背伸びなんていらない
私は「休み」が大好きなのだ。
あわよくば夢まで叶えと
抱負なんぞを考えてみたりする。
いつまでも乾かないジャージを眺めながら願う
寒い日々に生まれる、ぬるま湯のような期間に浸かっていたい
きっと数年後に感傷と思い出補正で、この怠惰は美しい記憶に変わる。
「行きたくねえなあ」
気づけば自転車に乗って、見慣れた門を潜っていた。
「あけおめ」
あーあ、大事な人たちが友好的。
幸せ、とやらの
破片の味がした。
12/29/2024, 11:41:20 PM