霜降る朝
自分は器用な方だ。
新しいことを聞いたり、学んだり形にしたり…
すぐそれなりに出来てしまう。
できない分野もあるけど…例えば計算する、パソコンや携帯の使い方等
でも1番苦手なのは人間関係だ。
何が正解かわからない。
様々な仕事を経験してきたのでコツを掴むのは早い。
家族にしても会社関係にしても学校関係にしても…
自分の常識が他の非常識であることはよくある話。
それでも自分が正しいと思うことを信じて生きるしかない。
人と比べても正解がわからないのだから。
時と場所と時代と人と信条と…
でも少しずつ確かな事は分かってきた。
確かな事、真実。
霜降る朝はとても静かで…厳しく寒いということ
季節の巡りの中で、厳しい自然は教える。
人間の弱さ、たくましさを…
紅の記憶
私はすぐ怒る。
誰にでもなく決まってある人だけに瞬間湯沸器となる。
何故かイラッとするスイッチを彼だけが持っていてちょこちょこ押す。
怒鳴られる本人も嫌だろうが、周りの人は何事?と驚き私を見る。
悪いのは怒りキツイ言葉を飛ばす私と周りの視線が教える。
小さい頃、同じ様な空気感に何度も出会った。
やはり悪いのは母親でかーっとなって大声をあげていた。
たぶんその時もスイッチを何度も押していたのは父親だったんだろう。
怒りを抑え自分を抑え何も言い返さない人間だったら、母親は心の病になっていただろう。
言いたいことを言った後は引きずらず明るく過ごしていたように思う。
後半何度か巻き込まれ車で駆けつけ
仲裁したことがある。
少しずつ自分も似てきたと自覚するようになり、母親の血がそうさせるのだと思ったものだ。
鮮やかな激昂の紅の記憶は私から娘に繋がって永遠なのだろうか?
夢の断片
学生時代地図を眺めるのが好きだった。
大きくなったら世界を周る仕事に就きたいと。
結局日々生きるのに精一杯でそれどころではなかった。
海に潜る仕事に憧れて問い合わせたら土地の者ではないからと断られた。
今なら色んな選択肢があり、
情報もあるけど自分が若い頃は無知なだけだった。
考えてみたらあまり泳げなかった。
小さい頃からの夢を思い出してみると、自分の家の縁側に孫たちに囲まれ夫婦年老いていく事だった。
自分には自分の家というものがなかった。
家族も居なかった。
かろうじてケンカばかりの私達夫婦が子供を叩きながら育てたことのみだ。
子供達はそれぞれ自分の心と向き合い折り合いをつけ親を乗り越え、それぞれの家庭を持った。
そして子供を産み育て家を持ち立派な大人に成長していたのだ。
それは私達親のおかげでもなんでもなく…こんな親を持ってもこんなにちゃんと自立できたのだと証明してくれたのだ。
そんな私達でもなんとか自分達の家を持ち、沢山の孫達に囲まれている
変わらないのは今だにケンカばかりだということだ。
それでも今まで叶えられない夢ばかりだったけど、最後の最後に1番難しいと思っていた夢が叶えられたのは奇跡としか思えない。
誰に感謝すればいいのか…
若い頃の自分に、笑うことも夢をみることも忘れ、必死にもがいていたあの時の自分に伝えたい。
今通り過ぎていく夢の断片に初雪が積もっていく。
冬へ
悩みがある。どうしたらいいのかわからなくてずっと悩んでいる。
今日初雪が音無しでいつの間にか積もっていた。
冬が来たのだな〜悩んでいる間に時はどんどん過ぎていく。
誰に相談できるだろう…
最初パートナーに聞いて貰った。
ほっとけ!その内なんとかなる。出しゃばるな…
息子に相談した。
自分はカウンセリングの資格があるから詳しいけど兄弟相手は難しい。
ふざけてしまい話にならないよ…と
兄弟の間でしこりができたら後悔しそうだ。
娘に相談した。
具体的にアドバイスされたけど、そのどれもハードルが高い。
自分がカウンセリング受ければいいと言われたけど、私の発言で迷惑かけるのではないかと思うと怖い。
狭いコミュニティの中、プライバシーはないに等しく、それで解決出来て良かった良かったと笑えたらいいけど…
関係者に迷惑かけて家族間で遺恨が残れば自分だけじゃなくそれぞれに傷つけてしまわないか怖い。
結局堂々巡り…。
外はしんしんと雪が降って、空は重く鉛色…
後悔したくない。
あの時あぁすれば良かった、こうすれば良かった、やらなきゃ良かった…
解決出来ないまま時が過ぎていく。
厳しい冬へ冬へと…
祈りの果て
最近よく聞く言葉に生きづらさがある
生きるとはそもそも大変なこと。
人と関わるのも難しい事は当たり前
生きづらいのは当たり前のことなのに、なぜわざわざ取り上げるのか?
周りの人が何気なくやっていることが出来ない。
実際は何気なさを装い陰で物凄く努力していたり、痛みを抱えていたりする。
それでも自分は生きづらいと思うのは傲慢なのだろうか。
空気が読めない、自己中、思いやりが欠けている等…
原因は自分自身にある事は自覚している。
結局人とはあまり関わらないようになる。
独りの自由と孤独、気楽さと世の中を知らない無知さ
生まれたことの意味
生きていくことの意義
自分に与えられた使命
自死してはいけない理由
独りでは産まれることは出来ない
十月十日、一心同体で育まれて産まれたのだ。
たとえどの様な親であっても、この時だけは同じ苦しみを味わってくれたのだ。
一刹那の祈りの果てに生まれいづる
命の尊さ。
生き抜くのだ。
どんなに生きづらかろうと、…
最期の祈りを捧げる時まで。