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6/26/2024, 9:43:00 AM

(繊細な花)
(創作です)

「はぁ〜」
「あっすいません、まだ開店準備中で……ああいやすみませんオーナー、珍しいですね」
「うんほんと店長ごめん、邪魔しないからとりあえず座らせて」
「入るなりでっけえため息つきやがってまあ」
「うっさ。お前だってこんな時間にこんなとこいて、相変わらずの不良刑事が、通報するぞ?」
「れっきとした休憩時間ですー。
って何だ、奴とまた喧嘩か」
「……」
「……」
「グラス下げますねー」
「ああ、ありがとう」
「……またってほどじゃない。あっちがへそ曲げたから一旦離れただけだ。すぐ戻る」
「あっそ。じゃ俺はそろそろ署に戻るかな〜邪魔だろうし〜」
「っ女だと! ご機嫌取りにスイーツ、とかたまにいじられてるけどっ、男ってどうなんだ……モノに頼るつもりはないが……」
「そりゃ、人にもモノにもよるからなんともかんとも」
「そもそも、どっちかが悪いとかの話なんです?」
「違うと思う、同意して欲しかったらしいのを、どうでもいいから素通りしただけなんだが……或いは言い方か……っくそ、面倒くさい」
「だいたい、嫌んなったら追い出せばいんじゃん。お前んちなんだし」
「まあまあ、そこまでじゃないんでしょうよ。
オーナーもあんまり考え過ぎないで。気が向いたら声かけてください」
「すまない」
「よっと、オジサンちょっとお花を摘みに」
「はいどうぞ」
「乙女かよ」
(立場は完全にこいつの方が上なのに、これほどまでに気にするとか、どんだけのノロケぶりだよ……犬だって食わねーどころか見向きもしねーぞ。
まっ、俺もぼちぼちトンズラこきますかね)
「さってーと、おっさん不良刑事は退散しましょうかね、通報される前に。
……頭下げるつもりなら、もう皆の前とかはやめとけ? みじめになるからよ? そん位は分かるよな? で、やっぱ解決すんなら夜なんじゃねぇの?」
「! びっくりした耳打ちすんな。
余計なこと言うな。早く戻れよ」
「失っ礼しやした〜」
「今度は営業時間内にどうぞ〜」
(やれやれ一体どっちが繊細な花なんだろな、ははっ。
せっかくだから、帰りに嫁さんに何か買ってみるかな)

6/23/2024, 7:56:00 AM

(あくまでも創作です)

(日常)

昼近く、やっと目が覚めた。まあ明け方まで起きていたのだから仕方がない。私は横たわったまま、ゆらゆらと体をくねらせほぐしてから起き上がった。
風呂を沸かし、昨日の洗濯物を取り込んで仕舞い、空いた竿に布団を掛ける。入浴のち朝食だ。それから洗濯。さて今日は(買い出しとログボノルマの他に)何をしようか。
仕事を辞め、ハロワ縛りも過ぎてしばらく。貯金で気ままな一人暮らしを堪能している日々。
先ほど、「何をしようか」と書いたが、良く言われるし、ニートが続かなかった人によくある「毎日(暇を持て余して)何してんの?」は全くもって心配御無用。この「何」とは言い換えれば「やりたいことのどれをやろうか」なのだ。読書、録画消化、ゲームかはたまた気まぐれに何か書く(描く)のもいい、コレクションを眺めてぼんやりするのも満たされるし、などと書き出せばきりがなく、むしろ働く時間など無い。
金さえあればいつまでもこうしていたい。家族もそうだが、元から少ない友達というものも、ずいぶん前から疎遠になっており、今や傍目には「無敵の人」かもしれないが、そんなことをする筈がない。だって今の生活にほぼ不満が無いのだ。わざわざ騒ぎを起こしてまで楽しみを終わらせるなど、冗談でもやめてくれと言いたい。何人たりとも、慎ましく、けれど払うものはちゃんと捻出しており、最低限の社会義務は果たして暮らしている私を引っ掻き回す権利は無いし、こちらも皆さんの生活にとやかく口を挟むことは無い。せいぜいツィッターでポチポチ反応する程度だ。

やがて夜になり、日付も変わるが、今朝起きた時間を考えると、すぐ寝るのは早いしもったいない。もう少しなら……。
先々など、いろいろ考えないといけないことはままあるが、急ぎではないし、明日は○◯をやらねばならなくて、それどころではない。
とりあえず寝よう。風呂は起きてからでいいや。私はゆっくりとパジャマに着替え、そのまま布団に転がった。さあて今日おしまい、また明日。

(くれぐれもフィクションですが、そうでない部分も無くはない)

6/22/2024, 2:32:31 AM

(好きな色)
厄介なことに、黒・紺・緑・青などを好む私は、これからの季節には閉口させられる。ここまででお察しできる方もいらっしゃるだろうが、夏の強い日差しに濃色は、まるでフライパン上の食材よろしく焼かれるように暑いためだ。若い頃は気にならなかったが、加齢のせいか、最近は無理になってきている。仕方なく対策として、薄めの灰色や青系のものを着ているが、全身黒で固めた若い子などを見る度に、うらやむというより(大丈夫か?)といういらん心配がよぎってしまう。近年は加えて宗教的なやつも増えて、あれは本邦において、宗教・文化以前に体調的に平気でいられるのかと気が気でない。
まあ、他人においてはいくぶん「盛って」いるので、現状どうでもいいんだけどねwww
以上、ついこないだ(当社比)50を過ぎたBBAのたわ言である。

6/20/2024, 9:55:56 AM

(創作です)
(おや、予報が当たって帰りは雨になったな)
 下校時、こともなげに傘を取り出して、昇降口から出ようとすると、向こうから言い合いが聞こえてきた。
「ん? お前傘持ってきてないのか? 珍しいな。そこまでなら入れてやってもいいぞ? ん?」
「うっ、うるさいわねっ、ちゃんと置き傘してたと思ってたのよっ。ただの思い違いだし」
「ふーん、猿も木から落ちるだな。で? 入ってくのか行かないのか?」
(ああ、いつもの二人だな)
 こいつらは、校内ではほぼ誰一人として知らない者など居ない、我が校の名物カップルと言ってもいい。美男美女でもあり、もはや熟年夫婦かと見まがう丁々発止も見ものだ。
 そして何より、双方頑なに「付き合ってなどいない」と主張するのだ。こんな面白い状況など今どき漫画でもなかなか無いかもしれない。無論エンタメとして消化してることについては皆正しく黙っているぞ。
 せっかくなので、少し続きを追ってみようと思う。くれぐれも、見守っているだけだからな。
「し、仕方ないわね、入ってあげてもいいわ。ほら、早く来なさいよ?」
「はいはい」
 案の定、彼君は彼女さん方へ傘を片寄らせ、自分が濡れるのを厭わず守ってあげている。しかしそこはそれ、キュンなどどこへやら、彼女さんは口をへの字に曲げて、
「ちょっと、こっちはいいから、自分が濡れないようにしなさいよ」
 と、傘の軸の傾きを正そうとする。そこは彼君も負けじと、
「俺の高さだと、お前もっと雨に当たるぞ? 入れてやってるんだから大人しくしとけよ。それに、制服濡れて、シャツとか透けたら困るのはそっちだろ」
「そりゃあそうだけど……だからって、調子乗らないでよね? たまたま、本当に偶然、方向と時間が同じだったからに過ぎなくて、なのよ?」
「当たり前だ」
☆☆☆
 これで、付き合ってないということらしい。いやはや、ごちそうさまでした。

6/5/2024, 9:36:35 AM

「狭くてすいませんねぇ」
 申し訳無さそうにうつむき、消え入るように話す、おっさんのような何か。何かというのは当然、全身隅々実体化されてはいない、有り体に言えば幽霊だからだ。こうして俺と会話できる事もそもそもおかしいし、しおらしく登場するのも、昨今の霊事情? 的に流行り廃りとかあるもんなのか、とかいろいろよぎるが、まあ、床にあぐらをかいて動じることなく応対している俺も俺だが。
 事の発端は、必死の就活ようやく潜り込めた会社を、僅か一年足らずで飛び出し、とはいえそれなりの蓄えを手にした俺が、それでも費用は抑えたいとすがりついた、新居であるこの事故物件を契約したことからだろう。商店街の端っこの、年季の入った小さなビルの三階の一室。空室もそこそこある中、件の理由により破格の値段で借りることができた。前職は寮住まいだったので、本来ならば住居専用物件が必要だったのだが、まだ若いし、しばらくは勤めに出ずに、どうせなら何かやってみよう、と思い立ち、兼用可能の部屋にしてみた。

といったところで時間切れサーセンwww
そのうち適当にこねくり回したやつを、どっかに上げると思います失礼しましたwww

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