Tanzan!te

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9/1/2023, 1:33:32 PM

Episode.14 開けないLINE


ごめんね、疲れてるのに押し付けてごめんね
もう言わないから安心して欲しい
いつも気遣ってくれてるのに僕は何も出来なくてほんとに惨めで悔しい、ごめんなさい

君は迷惑じゃないって言ってくれてるし、癒される嬉しいとも言ってくれるけど、きっと優しいからだよね

今まで受け止めてれてありがとう
いつもみたいに毎日褒めることは出来なくなるし、もしかしたら悲しいって思ってくれてるかもしれない
でもごめんね、休憩するね

またね、ありがとう


これが、僕の好きな人が最期に送ってきたLINE。
1度しか、目を通せなかった。

逃げた。

8/31/2023, 12:56:33 PM

Episode.13 不完全な僕


筆者である僕にぴったりなテーマだと思いました。
今作品は、僕の思いを綴る日記のようなものです。

僕はまだまだ経験不足で、語彙力や思考力が足りないと感じることがあります。
ですが、経験不足ながらにも努力して考えたり理解することもできます。

昔から完璧主義者で、程々に頑張ろうと考えたこともありますがやはり納得いかず…
私生活においても、ルーティン通りに行かなければモヤモヤしたり、時間が無駄になったというように1人反省会を開くことがあります。

先程努力して〜と説明しましたが、僕は殆ど努力することがありません…。
夏休みのテスト勉強も、前夜に3時間しただけ。
成績は1番高いのでそこは問題ないのですが、ただ自主的に努力すること、計画性がないのは良くないと思います。

完璧主義者でありながら、やる気もなく何も続かない。
ほんとに不完全だと思います。


もし、この文章を綴る時間を勉強に使っていたら。
もし、昼寝をしている時間を努力に使っていたら。


そんなことを考えながら、ソファでまったりしている僕は、本当に不完全だ。

8/30/2023, 2:43:06 PM

Episode.12 香水


あの日は勇気を出せたから。
今からでも、遅くないのかな。


私は中学1年生の後半から学校に行けてない。
時々別室登校はするけど、息苦しくて外に出ることもほとんどない。

テレビを付け朝のニュースを見ると、今日は微風程度で気温も丁度いいらしい。
なんとなく外に出たくなった。
私は今の気分に任せて、外で散歩することにした。


外はニュースの通り涼しくて気持ちがいい。
この時間はみんな、学校にいるんだなあ。

家の近くにある公園付近を歩いていると、前から綺麗で大人びた女性が歩いてきた。
不審に思われないようにその女性を見た。
隣を通り過ぎる時、ふわっと風が吹いた。

その時に女性からしたフローラルの香水の香り。

あれは今でも忘れることができない。

"これだ" すぐにそう思った。
可愛らしさもあるのに、綺麗でかっこよくて。
見蕩れていたところに優しい香水の香り。

私には、その女性に声を掛けられる気はしなかった。
だからきっと、もう会うこともないんだろうな。

一目惚れって、こんな感じなのかな。
一瞬で儚く切ない気持ちになった。


私もあの女性みたいになりたい。
可愛くて、綺麗で、かっこよくて。
…明日からは、頑張ってみようかな

8/29/2023, 2:14:03 PM

Episode.11 言葉はいらない、ただ・・・


きっと初めから興味すら持たれていなかった。
都合のいい女だったんだ。
でも、最後は。最後くらいは。


「おまたせ芭ちゃん、どうしたの?」

手も声も緊張で震える。

「…あの、わ、私!颯斗先輩のことが好きなんです!
 付き合ってくださいっ!!」

「え、と…ほんとに?」

「ほんとのほんとです!」

恥ずかしさでいっぱいになり、勢いのまま言葉を放つ。

「…俺でよければ、よろしくお願いします」


あの時は幸せだったなあ。
何もかも褒めてくれるし、優しくしてくれるし。
すごく好きだったはずなのに。


「芭、ごめん。別れよう。」

「…理由、聞いてもいい?」

「勉強に専念しようと思ってるんだ。
 そうなったら、芭のための時間がなくなっちゃうから
 申し訳なくて。自分勝手でごめん。」

「ほんとだよ、自分勝手…
 私のこと好きだった?」

「うん」

嘘つき。ほんとは初めから無関心だったんでしょ。
あなたが嘘をついた時の、悲しそうな笑い方。
自分の欲求を満たすための女だったのも知ってるよ。

「そっか。今までありがとう、颯斗」

「ありがとう芭、またね」

お願い、好きじゃなくてもいい、それでもいいから。
最後くらい、また優しい笑顔見せてよ。
最後だけはいいでしょ?恋人だったんだよ?
私は、わたしはほんとにすきだったのに


好きって言わなくていいから、最後は笑いかけてよ。

8/28/2023, 3:07:50 PM

Episode.10 当然の君の訪問。


やはり君は、何がしたいのか分からない。
そんな所も、まあ。


____ピンポーン。

インターホンから姿を確認すると、そこには俺の親友がいた。

「いつき〜…これ、また作りすぎちゃってさあ…一緒に
 食べてくんない?」

「おー、いいよ。
 どうせなら俺の部屋で一緒に食わない?」

彼女の名前は夏乃で、俺と同じ大学生だ。
そして、俺の好きな子だ。
俺がこの街に引っ越した時、同じマンションの隣に住んでいたのが夏乃だった。

夏乃はいつも自炊をしているらしいが、どうも作る量の感覚だけは未だに掴めないらしい。
作りすぎた日には、俺におすそ分けをしてくれる。

いつもはそのまま一人で食べるが、今日は一緒に食べよう、と誘ってみた。
夏乃は喜んでるように見えたし、とりあえず1週間お願いすることにした。


1日目。食べながら俺の部屋をぐるぐる見回す。
部屋に入ること自体が初めてのような仕草だった。

2日目。今日は落ち着きがない。
ずっと何かを気にしているように、ソワソワしている。

3日目、4日目、5日目。普段の夏乃に戻っている。
少し落ち着いたのか、笑顔も自然に見える。

6日目。夏乃はこんなことを聞いてきた

「…あのさ樹、」

「んー?なに?」

「また次の時も、一緒に食べに来てもいい?」

「おう!いつでも言ってくれよー」

7日目。夏乃は、少し真面目な顔で話しかけてきた

「そいえばさ、樹は恋人とか好きな人、いないの?」

「…好きな子ならいるけど。」

「えー!?初耳なんだけど!だれっ?誰なのー!」

「…飯食い終わったらな。」


食後、俺は心臓が飛び出るんじゃないかという気持ちでいた。
もう我慢ならない、はやく好きだと言いたい。
…夏乃も好きだと嬉しいが。

「で!好きな子、だれなの?」

「…なつの」

「ん?」

「…っだから、夏乃が好きなんだってば!」

「…はあっ!?」


俺の部屋で、お互いが顔を真っ赤にしていた。
……あ、れ?なんで夏乃まで?
期待で胸が膨らんだ。はやく、はやく。


「…い、いつから私の事すきなの。」

「会ってから1ヶ月位の時から。」

「な、ながいな…そっか…うん…」

「んで、夏乃はどうなの。」

「へ。」

「俺は夏乃のことが好き。付き合って欲しい。
 …返事は?」

「え、えと、ぁ……お、ねがいします…」

「…マジ?ほんとに?」

「ま、まじ!ほんとに!」

「やべー……めっちゃ嬉しい、好き…」

「わたしも、私も、樹のこと好き!だいすきー!!」


それから。


「樹、起きてー!朝!仕事行くんでしょ!」

「んー…おきた……」

「えらい!おはよう!」

「おはよう…ちゅーして」

「…早くしなきゃ時間なくなるよ!」

「ちぇ、けち。」

「もー…」

そう言いながら、彼女は俺の腰に手を回しハグをする。
その左手には、キラキラ輝くリングが見えた。
何度見てもにやけてしまう。

それを見た彼女がひとこと。

「なにニヤけてんのー!キモ!はやく準備しろ!」


…今日も頑張りますか!

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