ひよ

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9/30/2024, 11:22:39 PM

 風邪をひきこんで高熱でうなされた。
 夜、天へ登っていく感覚があった。
 ふと、見下ろすと、君が部屋でぼんやりテレビを見ていた。
 その時感じた言い表せない気持ちを自覚した途端、上へ登っていく感覚が終わり、気づいたら朝目が覚めて、涙が頬に流れていた。
 君の弱さや脆さに直面して、私が受け止めきれないこともあったね。この現実は誘惑や甘い罪がたくさんあってとても苦しいね。
この世の中はきっと天国なんかじゃない、ゆるやかな地獄に近いのかもしれない。
 でもね、ふいにみせる君の、無邪気に笑う顔はとても素敵だから。
 それをいつまでも、いつまでも見たいと思うから。
 きっと明日も、君と生きていく。

ー天国じゃなくてもー

9/22/2024, 11:13:31 PM

呼ぶ声が彼方から聞こえる

深い深い彼方から聞こえる

お前はどうしたいか

どう生きたいか

この世界を終えるまで

名前を何度も何度も呼ばれ

必死で掴んだ手は

柔らかくて 静かだった

その手のひらのぬくもりとともに

問われる声から、逃げない

ー声が、聞こえる

9/13/2024, 10:06:23 PM


 夜が明けたら

 君の心に伝う雫もきっと飲み干せるから

 夜が明けたら

 私の心に巣食う恐ろしい獣も

 きっと静かになるから

 夜が明けるまで ひっそりと息を潜めると

 満月がゆらゆら揺れながら輝きを放ち

 2人の間にこぼれていった

 もし空架ける天の川に願うのなら

 明けない夜も眩しすぎる朝も

 寄り添う傘ふたつであることを

ー夜が明けたらー

9/11/2024, 10:09:39 PM

 君の生まれた日が
 私の心のカレンダーに
 赤丸で書き加えられたあの瞬間
 モノクロだった私のカレンダーが
 彩り鮮やかになっていったよ
 2人で初めてデートした日、手料理を作った日、
 心のカレンダーに、ポップでカラフルな
 ラインマーカーで縁取っていく
 哀しい日もあるね。2人で肩を寄せ合って
 涙を堪えた日もあるね
 涙色のマーカーで昨日を縁取ったら、
 明日へ向けて一休み
 けたけたと笑う日も涙の日も、どんな日も
 心のカレンダーは続くよ
 寄り添いながら続くよ
 カレンダーの最後の頁には
 思いっきりでかでかと
 ピンクのラインマーカーで
  「ありがとう」

 ー心のカレンダーー

9/10/2024, 10:15:37 PM

 暗い暗い螺旋階段を歩いていた
 喪失感を抱きながら
 薄汚れた私は1人歩く
 どこまでも歩く
 喪われた夢、記憶….
 永遠に取り戻せることはない
 目的もなく彷徨い歩いていた時
 壁に一つの花が咲いているのを見つけた
 恐る恐る懐中電灯で
 照らしてみると
 鱗粉が光に反射して
 眩しく瞬いた
 いつの間にか溢れでる涙は
 いつまでも続き
 手のひらにあたたかく落ちた
「綺麗だね」
 ふと振り返ると
 いつの間にか君が 君たちが
 そばに立っていた
 1人で彷徨っていたつもりが
 同じ世界に
 誰かの息吹があったのか
 そう気づくと
 手元に持つ懐中電灯の光が
 虹色に輝きだし
 螺旋階段の通路を
 笑い出しそうなくらい
 優しく照らし未来へ射した

 『喪失感、その向こうへ』

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