仕事を終えると、まずは職場近くにあるコンビニへと向かい、美味しそうなデザートなどがないか確認する。ちなみに今日は美味しそうなデザートが有ったから4つ買った。
それから帰りの電車に乗り込む
(今日も仕事が無事に終わった)
そう思いながら帰宅ラッシュの電車の空き座席を探して座ると、決まっていつもお茶を一口飲んでリラックスする
最寄駅までは電車で20分程。その空き時間に投稿の構想練りつつ書き始める。
最寄り駅に到着すると、そこからは10分程の歩きだ。
賑やかで明るい道を一人で歩いて家の前まで着くと、元気な子供達の大きな声と、妻の楽しそうな声がよく聞こえてくる
家に帰って玄関を開けると、玄関のやわらかな光と共に子供達が出迎えてくれた
「パパ帰ってきた。おかえり」『ママ。パパ、お土産もってる。おかえり」
可愛い大切な子供達だ。が、今の子供達にとっては俺<お土産
みたいで😅 コンビニのデザートのお土産が入った袋を片手にリビングに走って行った
ちなみに今日は玄関から漂ってくる匂いからしてカレーです
やわらかな光 作:笛闘紳士(てきとうしんし)
[まゆ 私の人生No.❓]
キッチンから漂ってくる美味しそうな匂いに、お昼寝中の私が目を覚ますと、ママはいつも晩御飯の料理をしている。機嫌が最高に良い時は鼻歌を歌っていたりする。
今まではお昼寝から意識が戻ると、体を起こしてキッチンに向かっていた。だけど最近の私は違う。ママが何か用事でキッチンから離れるのを寝たふりをして待っている。私は最近ハマっている…つまみ食いに
ママが料理を一旦やめてキッチンを離れた。(勝負の時)
つまみ食いはパパが教えてくれた。初めてパパとつまみ食いしたのは[から揚げ]だった。ママが近所の人と玄関で話している時、パパが私をキッチンに手招きして、私が行ってみると、パパが「まゆ。目を閉じて、口を大きくあけてみろ」と言ってきた。私はパパのに言われるがまま、目を閉じて口を大きく開けた。すると、パパが私の口の中に、少し小さく切った[から揚げ]を優しく入れてきた。
「から揚げだ!」その美味しさに私は笑顔になった。
その後、玄関から戻ってきたママに、パパはこっ酷く怒られていた。その様子を私は[から揚げ]を噛みながら眺めていた。その日の晩御飯の[から揚げ]は、パパのだけ私とママのより2個少なかった。
それから私は一週間に1回のつまみ食いにハマっている。
つまみ食いがママにバレて「今夜のおかず、まゆのだけ無しだからね」って怒られても、晩御飯の時になると「ママ、お腹空いてないから、まゆにあげる」って言ったり「ママ、ダイエットしてるから食べなさい」と言って、つまみ食いした私におかずをくれる。そんな優しいママの事が私は大好き。くれない時はパパが私におかずをくれる。そんなパパも大好き。
私はつまみ食いの為にキッチンへと向かう。トイレに行ったママ。私はワクワクしながら静かにキッチンへ向かった
(今日のおかずは何だろう?)私が背伸びをしてテーブルを見るとそこにあったのは[コロッケ]だった。狐色に揚がったコロッケを目にした瞬間、ヨダレが出てきた。私は静かに皿からコロッケを手に取って一口齧った。
その直後だった。
「まゆ😡」
怒気を孕んだ声に私が後ろを振り返ると、鋭い眼差しで私を見るママが立っていた。
私は一瞬ビクっとしたれけど、コロッケを手に持ったまま、何事も無かったかの様にリビングの椅子に座るとコロッケを食べ続けた。そんな私をママは
(やられた)と言いたい様な顔で見ていた。
※この物語はフィクションです。実在の人物とは一切関係ありません
鋭い眼差し 作:笛闘紳士(てきとうしんし)
夏の甲子園行きの切符をかけた予選の決勝
俺は3年間、レギュラーにはなれなかったけれど、それでも、その結果に不貞腐れる事なく同級生や後輩への応援やノック練習などの支援を続けてきた。その結果、3年最後の記念打席の為の意味だとは思うけれど、俺は甲子園行きをかけた試合の代打として初めて選ばれた。その話を監督から聞いた時は嬉しくて、その日の夜は眠れなかった
そんな俺の夏の3年間がもうすぐ終わろうとしていた。
延長戦12回裏2死(アウト)ランナー無し1-0ので負けている場面。バッティング練習をしていた監督が俺を呼んだ
「記念打席だ。悔いのない様に1打席振ってこい」
監督の力強くも優しい言葉に、俺の緊張は自然とほぐれた
「はい」
そこで俺は打順を確認して驚いた
3番だった…俺の後では4番の同級生が声を飛ばしてきた
『俺の事は気にするな。3年間何度も打ってきた。お前の応援があったから、ここまで来る事ができた。俺たちは全力を出してここまで来たんだ。だから、お前も全力で1打席を楽しめ』
その言葉に涙が溢れそうになった。
『お前が出塁したら俺がホームラン打って逆転してやる。約束だ。皆んなで甲子園に行こうぜ』
同級生は…いや…チームメイトは誰一人甲子園の可能性を諦めてはいなかった。心の何処かで諦めていたのは監督と俺だけだった。俺はその恥ずかしさから唇を強く噛み締めてバッターボックスに入った
それから気がついたらカウントは、3ボール2ストライになっていて、俺はファールも含めて11球も粘っていた。
スタンドからは俺への応援の声が聞こえてくる
そして相手投手が12球目を投げた時、それがストレートだと何故か直感し、俺は渾身の力で金属バットに球を叩きつけた
金属バットからは甲高い音が鳴り響き、俺の打球は高く高く
真っ直ぐ進み、バックスクリーンを直撃した。それと同時に客席からは大きな歓声が巻き起こった
俺が初打席 初ホームラン…しかも同点
ベースをゆっくり走りながら実感のない事実を噛み締めた
(まだ、甲子園への道が繋がる)
そう考えたら自然と口元が緩んだ。その緩んだ口元でホームベースを一周して仲間の待つ所へと戻った俺は、仲間に笑顔で
もみくちゃにされた。その最中、再び甲高い音が聞こえた。振り返ると4番の同級生がホームランで相手チームに試合の終わりを伝えた。
それから俺たちは甲子園の準決勝まで進んだが、そこで圧倒的な大差で敗れ、俺の3年間の夏は終わった。
※この物語はフィクションです
高く高く 作:笛闘紳士(てきとうしんし)
子供のように、純粋に楽しめなくなったはいつからだろう?
子供のように、純粋に笑う事が無くなってきたのはいつからだろう?
子供のように、はしゃぐ事が出来なくなったのはいつからだらう?
子供のように、ぐっすり眠る事が出来なくなったのはいつからだろう?
子供のように、沢山の将来の夢を考えなくなったのはいつからだろう?
子供のように、人前で泣けなくなったのはいつからだろう?
子供の頃と比べると出来なくなった事が沢山出てきた。けれど、子供の時には出来なかった事が出来る様にもなってきた。
例えば[両親と一緒にお酒を飲めたり]
例えば[車やバイクの運転をして好きな所に行ったり]
例えば[仕事でお金を稼げたり]
例えば[大変だったけれど、好きな人と結婚して夫婦になって、二人の間に新しい命を授かったり]
例えば[年老いつつある両親に感謝したり]
例えば[授かった子供を大切に思ったり]
人生はまだまだ途中だけど、出来る事と出来なくなる事は同じ数だけ出てくると思う。…それが人生と言うものかも知れない
子供のように 作:笛闘紳士(てきとうしんし)
[まゆ 私の人生No.❓]
これは、強い雨が降っていた、小学1年生の時の放課後、七夕の前日である7月6日の事。忘れもしない、今は亡き飼い猫(家族)との出会い。
放課後…小学校から家までの帰り道。私は友達の火野 翼(ひの つばさ)ちゃんと、強い雨が降る中、傘をさし、喋りながら通学路を歩いていた。その時、草むらから何か鳴き声が聞こえた。
(ニャ-)
その小さく弱々しい声に私は足を止めた。
「どうしたの?」翼ちゃんが不思議そうな顔で聞いてきた
「仔猫の鳴き声がした」
「私には雨の音で何も聞こえなかったけれど…」
「絶対に聞き間違いじゃない」
「まゆちゃんの事、疑ってないよ。それにもし、この雨の中で捨てられでもしていたら弱っていると思うし、探して何とかしてあげよ?」
「うん」
私は鳴き声のした周囲を見渡した。その近くに有ったのは、通学路で毎日の様に見てきた、手入れのされてない、背の高い草が生い茂る場所だった。
「ここかな?」私は雨に濡れた草で服やスカートを濡らしながらも草を少し掻き分けて進んだ。翼ちゃんは、私の後ろをついてきた。そこで私達が目にしたのは、段ボールに捨てられた1匹の仔猫だった。その光景に私達は言葉を失った
雨で弱っている為だろうか?呼吸をしているものの、動かずじっとしていた
「私、急いで家に帰ってママに相談してくる。雨も強いし」
こうして私は翼ちゃんと別れて家へと急いだ
急いで家に帰った私は、事の次第をママに話して、人生で一番大きな我儘(わがまま)を言った
「私、その仔猫飼いたい。私には家族が…パパとママがいるけど、あの仔は今も一人だから、助けたい。あの仔と家族になりたい」
「その仔猫を飼ったとしても、猫はまゆより長く生きられないのよ?」
「分かってる」
「その仔猫が亡くなった時、飼わなければよかった なんて後悔しないって約束できる?」
「できる」
「その仔猫、まゆ一人で飼うの?」
「うん」
「餌のお金だって必要になるだよ。そのお金はどうするの?」
「私がお小遣いや お年玉で出す」
ここまでは想定していたママからの質問だった。けれど、次のママからの質問に、私は言葉を失った
「病気になったり怪我したら、その子の病院代はどうするの?まゆのお小遣いじゃ全然足りなくなるのよ?」
動物の怪我や病気の事なんて考えて無かった私は、お金が無くて飼えないと思い、悔しさから涙が溢れて止まらなかった
「お金ないから飼うの諦める」
私は泣きながらママに言った
けれど、その言葉を聞いたママは首を何故か横に振った
「ママも一緒に飼わせて?家族で飼いましょ。大人でも動物を一人で飼うは大変。でも、家族ならそれが出来る。お金の事は心配しなくて大丈夫だから、まゆはその仔猫の事、家族の中で一番可愛がってあげなさい」
その言葉に私の涙は止まった
「パパ、駄目って言わない?」
「駄目って言ったらパパと離婚して、ママと二人で一緒に飼いましょ」
「そんなん…」
大好きなパパとママが私の我儘のせいで離婚したらどうしよう…そんな不安から再び涙が溢れた
「冗談だから。ごめんね。パパはママが駄目って言わせない」ママは私を抱きしめながら誤った
「そんな事、冗談でも言わないでよ💢」
ママの冗談に私は泣きながら怒った
「傘とタオル持って車に乗ってて。その仔猫、ママも見たいし、一緒に迎えに行きましょう。雨も更に強まってくるみたいだし」
私はママに言われ支度をすると、ママと一緒に通学路へ車で捨て猫を迎えに行った
その仔猫はまだ捨てられていた。そこで私はママに傘をさしてもらいながら、タオルで仔猫を優しく包むと、ママと車で家まで帰った。家に帰る頃には仔猫は車内の暖かさと安心感からか静かに眠っていた。
※ この物語はフィクションであり、実在の人物とは一切関係ありません
放課後 作:笛闘紳士(てきとうしんし)
この物語[まゆ 私の人生]は、他のサイトに投稿しようと考えていましたが、上手く作れずボツにした、浅倉(あさくら)まゆ と言う主人公の女の子の人生の話の一部になります。これからも機会があれば[まゆ 私の人生]シリーズを書いていきたいと思います。