4/18/2024, 12:26:48 PM
色褪せた街
灰色の空
虚ろな影たち
漂う亡霊のように
かつての夢も泡沫
淡い幻
まるで死んでしまったこの街を
それでもまだ愛しているんだと
憂鬱な雨に染まっていく
3/20/2024, 4:10:23 PM
失ったもの数えては わたしというものから目をそらした
ボロボロの脚でただひたすらに歩いた
泥に塗れた手で涙を拭う
当たり前に流れる景色が わたしには眩しすぎたんだ
やさしい夢が髪を撫でる
幼子のように嗚咽を漏らして泣きじゃくるわたしに
甘い 甘い 砂糖菓子を
温かなセピア色の風景が
無機質な灰色に変わる
あの日のわたしが見た夢に焦がれて
瞼を閉じる
今はただ全てを忘れて おやすみなさい
2/5/2024, 6:52:49 AM
ふりそそぐ
それは わたゆきのような
ふわふわと やさしい
天使の
祝福と
瞼の上に
ふれるだけの
おやすみの Kiss を
2/3/2024, 3:45:11 PM
今宵、朧月夜に咲いた花
誰を想い、月明かり見詰めているのか
空色の小さく控えめな花を好きだと言った
薄明かり照らし出す中で
悲しげに笑う貴方が浮かんでは消えていく
幾千幾億と流れる記憶の奔流に飲まれて
真っ白に揺れていた 取り戻せないままに
貴方と過ごした日々も
貴方と交わした言葉の欠片でさえも
何もないまま
ただ小さく一輪、揺れている
1/21/2024, 12:16:24 PM
白い手袋が暗闇でタクトを振る
街を埋め尽くす無数の淡い灯火たちを眺めて
星屑のレールを列車は駆け抜ける
「この旅を君と一緒に」
願いは一筋の流れ星に乗せて
深い紺色のビロードの海と
辺りを照らす夜光蝶の鱗粉と
低く響く空飛ぶ鯨の鳴き声と
この夜の奇跡を映す君の瞳は金色のビー玉のようで
どんな宝石でも敵わない
この光景を 僕は一生忘れないだろう