孤月

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6/5/2025, 8:31:27 AM

恋でも愛でもない、性欲、それだけ。

最初の印象は最悪だった。
メッセージは下ネタのオンパレード。
私も真面目に相手する気になれなくて、
気の強い女を演じた。

「俺のこと知ってから去って」
しかしこの一言に何故か興味を惹かれて、私は最悪へ飛び込んだ。

メッセージのやりとりを始めて、すぐに週末に会おうと誘われた。
経験が浅い私は、「経験豊富」という言葉に弱かった。
身体目的でも、経験を積めるならそれでいいかと割り切ったつもりで会うことを決めた。

身体目的なのに、メッセージでは意外と色々聞かれた。
私も相手の自信の源が気になって、少しずつ知ろうとした。嘘かもしれないけど、彼の言葉には確かな自信があった。

だんだんと感じ始めた。
この人は、恋人っぽいことも無料でできる性欲処理道具を求めているんじゃないかって。
私も、自分が割り切れる範囲で、その要望に応えようと思った。お金のやりとりがある関係にはなりたくなかった。

「やっぱり明日会えない?」
次の日、そんなメッセージが来た。

私は覚悟を決めた。
今の私には、誰かの性欲処理道具になるくらいしか価値がない。
だったら身体を許すくらい、何ともないと思えた。
お互い性欲を満たすためだけに楽しめば、何も悪くない。
そう、自分に言い聞かせた。

当日、車に乗ってしばらくすると、やはりホテル街をぐるぐるし始めた。
「暗くなってきたね、どこ行く?」
そわそわした声がわかりやすかった。

もう言ってしまえばいいのに。
「ホテル行きたいですか?」
私はムードも何も無視して、直球で誘った。

これで逃げ道はなくなった。
相手ももちろん乗ってきた。

ホテルに入れば、やることはひとつ。
密室。逃げられない。断る理由もない。
好きでもない、初めて会った相手に身体を許した。

私の中で、大事にしていたものが崩れていく音がした。
でも、もう、それでよかった。
そう思いたかった。

今も印象は最悪だ。
向こうもきっと、私のことを良い印象とは思っていない。ただの、都合の良い存在。
お互い相手の求めることに、ただできる範囲で応え合うだけ。

でも、性欲だけじゃない、
たまに垣間見える“表の顔”を知ってしまうと、どこかに情が入る。

これから私を、もっと壊してくれるだろうか。
私は、相手のために、どこまで応えればいいのだろう。

性欲、それだけ。
……のはずだったのに。

5/28/2025, 2:53:25 AM

全てに見放された瞬間、
孤独に押し潰されそうになるが、
どこかでやっと解放されたと思っている自分がいる。
そして、オーガズムに達したような快感を感じる。
この感覚を、私は勝手に「見捨てられ快感」と呼んでいる。

誰かに必要とされるたびに、
自分ではない何かを演じる苦しみがあった。
だからこそ、見捨てられることで、
「これが本当の自分だ」と錯覚して安心しているのかもしれない。

この快感は、たぶん幸せではない。
でも、それを繰り返すことで、
私は何かを確かめようとしているのかもしれない。
私と最後まで堕ちてくれるくらいの覚悟を持ってくれる人を、自分は努力をせずに求めようとしているのかもしれない。
人の人生を道連れにしてまでこの快感を得たいわけじゃないけど、この重さを受けとめて欲しいんだと思う。

ここまで見放されて、見捨てられることに快感を感じるのは、これで最後にしたい…

5/19/2025, 3:51:27 PM

どうしても…
あと一歩が踏み出せない。
今更って感じだけど自分の人生を歩こうと決意した。
ただ思考が邪魔をして行動に踏み切れない。

「もう幸せになっていいんだよ。許してあげるよ。」

って何度も言い聞かせているのに、根深い死にたがり癖。心のどこかでまだ許しきれない誰かがいるみたい。
それはたぶん、
期待に応えられなかった私。
反社会的行動を取るしかなかった私。
どうしたらいいかわからなかった私。
うまく笑えなかった私。
愛されたいのに愛せなかった私。

でもね、何度も考えて、前を向こうとはしてるんだ。
諦めてただけの私ではないよ、もう今は。

ただ皆もう見捨ててると思う。
一緒に堕ちてしまった人もいたし、
遠巻きに非難する人もいたし、
面と向かって嫌味を言う人もいた。

離れて見守る人、
時折声をかけてくれる人、
そっとしておいてくれる人もいた。

まだ見捨てないで欲しい。
ここからが始まりだから。

幸せになりたいって、勇気のいることなんだね。
愛って、1番の幸せだね。
今までそれに気づかなかったよ…

まだ見ててね、どうしても…を超える時がいつか来るから、待っててね。

5/15/2025, 2:44:57 PM

彼は光、わたしは暗闇。

彼の与えてくれる幸せが苦しかった。
ずっと暗闇の中を彷徨っていたのに、こんなにあっけなく幸せになってもいいのかと。
幸せになることを怖がるわたしに眩しい世界を沢山見せてくれた。
なのに、また、
暗闇にもどる。
やはり眩しすぎる光を浴びて、怖くなったようだ。
彼は引き止めなかった。
「今までありがとう」
幸せが離れるのもあっけなかった。

また暗闇を彷徨っていこうと思った矢先、わたしの胸のあたりに光が灯っていることに気づいた。
そっと胸に手を当てると何処からか彼の声が聴こえた。
「あなたはそのままで、十分、眩しい光」

これからわたしも光輝く、暗闇で。

4/29/2025, 5:55:26 AM

私は「怪物」だ。
欲に負ける。
人の涙も笑顔もわからない。
人の好意、悪意すらも弄ぶ。
何を聞いても読んでもどこか他人事。
自分の人生すら他人事で、無責任。
息を吐くように嘘を吐き、
周りを騙し、
傍若無人に振る舞い、
振り回すだけ振り回して放置する。

いや、私は「人間」だ。
基本無欲。
映画や小説を観て泣く。笑う。
人の好意には純粋に感謝できる。
悪意に傷つく。
人が悲しんでると自分のことのように胸が痛くなる、何もできないことが悔しい。
息を吐くように素直な言葉を伝え、
周りのおかげで生きていることに感謝し、
本当は風のように沢山の人と関わり、
生きている全ての人を大切に想いたい。

今日の私は怪物?人間?明日は?
そんなふうに裏表のある自分も受け入れて、楽しめたら、楽に生きれるだろうか。

怪物に呑まれている今、「人間になりたい」と心が叫んでいる。
両方ともきっと私で、今はそのままでいい。
ただ明日くらいは、人間であれたらいいな。

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