孤月

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4/16/2026, 6:25:58 AM

届かぬ思い

月は満ちれば欠ける。

私たちが出会ったのは、地球が月を喰らう日でした。
私はあなたに食べられた。
そして赤黒くあなたに染まったの。

その日が私たちの絶頂で、重なる思いはそこでもうすれ違いはじめていた。

満ちて、欠けて、満ちて欠けてを繰り返し、
いずれそれすらわからぬような、
溶け合う時間を永遠に過ごす、
そんな2人になりたかった。

私はあなたに染まったはずなのに、もうあなたの色をしていない。一時だけの被捕食者。
ほんとは私が捕食者かもね、
気づかず私が欠けたと吐き捨てる、
あなたは愚かで可愛いね。
愚かな私に騙された。
知らずにあなたは私を切り捨てた。

もう重なることはないのだろうか、
染めた私と欠けた私だけ知るあなた、
満ちた私に興味はないのね?

4/14/2026, 1:25:23 PM

神様へ

どうして私をおつくりになったのですか。

私は苦しいのです。
恵まれていながらも、自分を大切にする術をわからぬまま育ってしまった。
人とのかかわりの中で、境界線がわからず傷つけてしまったり、傷つけられてしまったりすることが多かった。
ゆえに人に対して壁を作って生きることしかできなくなった。
それによって自身が孤立していくことも苦しいが、何より誰の役にも立てず、誰かの記憶に残ることもできず、迷惑をかけるだけの存在に成り果ててしまうのも苦しかった。
いつのまにか私は周りから、
「あいつは人間じゃない」
と言われるまでになった。
元から誤解されやすい性格だ、そう言われるのも仕方がなかった。いわゆる「普通」の人生を歩む人にはもちろん、敬遠された。

私はそのうち男性からお金を貰うお仕事を始めた。
そこでは私は1人の女性になれた。どこでも満たされない孤独や承認欲求を、お金をもらいながら満たしている自分に吐き気がした。でもここが居場所かもしれないと思った。

だいぶ夜職などに対する考えは柔軟になってきたとはいえ、それでも親世代の偏見は厳しい。
親には絶対そんなことは言えなかった。
結局、後ろめたい人生を送らなければいけない自分を何度壊したくなったことか。

付き合っていた彼に言われた、
「境界線がなさすぎて引く」
わかっている、でも壊すのをやめられない。

彼とは近いうちに別れることになるのだろうと直感が訴えた。私のために怒ってくれる彼は、まともな人だ。
だから、私のような人外に、かかわってはいけない。

私は何のために生まれた命かわからない。
壊すために生まれたの?

人生、いや神生経験豊富な神様なら、わかりますか?







12/25/2025, 2:40:17 PM

出会いは月が綺麗にみえる夜に突然訪れた。

祈りを捧げることはもう習慣化。
周りへの感謝を忘れず、自分を整える。

家族と別れてからこれから1人でこの生活を続けて行くと思っていた。

1年前からはじめた神社巡り。少し遠くの神社に参拝するめに、車を走らせながら向かっていた。その道中、配信をしていた。そんなに視聴者は多くない。その中で、突飛なコメントが飛び込んできた。

「2人でお話ししたいです。」

プロフィール画像は女性の後ろ姿。ぱっと見かなり若く見える。娘がいたらこれくらいだろうかと思う。そんな子が2人で話したいとは何事だろうか。配信も他に2人だけしか見ていない。興味を惹かれた私は、彼女がいいならと2人で話してみることにした。

連絡先を教えてもらい、無料通話で話すこととなった。
彼女は大学生。私の住む地域からはかなり離れた所に住んでいるようだった。たまたま見かけた配信で、私の声に惹かれたらしい。真っ直ぐに「声がどタイプでやばい好きってなった。」と伝えられると悪い気はしない。
彼女とは夜中から明け方まで話し込んだ。はじめてあった気がしなかった。特に深刻な話をされるわけでもなく、ただ心地よい時間だった。それが余計に謎であった。この日限りだろうと思っていた。

しかし次の日も彼女から連絡が来た。
「昨日の月が綺麗で、またみたいなって思ったの。」

そこから毎日彼女と連絡を取るようになった。お互いの日常を共有し、暇さえあれば電話をずっと繋げる生活になった。日常に彼女が知らず知らずのうちに侵食してきていた。

知り合って数日後俺は彼女の住む地域に行くことにした。突発的に。
別に特別会いたかったとかそういうのではない。
ただその日会う予定だった女性にドタキャンされモヤモヤしていた。顔も見たことないが、毎日長電話してくれる彼女なら、たぶん会えるだろうと直感が訴えたのだ。
あわよくばその日中に触らせてくれるかもとか考えた。まあ、最近の若い子だし警戒心はそれなりにあるだろう。期待はしない方がいい。連絡すると彼女は尻尾を振っている様子が目に見えるようなテンションで、「今日来る!?どうしよう嬉しすぎておかしくなりそう」と変なことを言いながらも受け入れてくれた。

片道5時間。
待ち合わせ場所に彼女はいた。

少し罪悪感がある。
毎日祈りを捧げていたら、こんな出会いがあるなんて。

月の元、繋がったご縁。
このご縁がまさか俺の人生を大きく変えるようになるとは。
1人で祈る毎日が、2人で祈る毎日になるのはまた別のお話。

12/3/2025, 7:53:05 AM

知らない場所から贈り物が届いた。
何が入っているかわからずゾッとしたが、好奇心の強い俺は恐れず開封することを選んだ。

中には見切り品のシールを貼られた女が入っていた。

顔は青白く、上半身は貧相で、下半身は象のようにぼてっとしていた。服も着ているのか着ていないのかわからないような薄着で、冬も目前のこの時期にはとてもじゃないがみられない格好をしている。正直ギリギリ抱けると思った。顔は美人ではないが悪くない。表情に感情は見られず、ただ口をひとつに結び俺の言葉を待っているように見えた。

どのような経緯で見切り品のシールを貼られ見知らぬ男の家に届けられたのか。謎しかないこの女を、どうするべきか。人の贈り物なんて考えたこともなかったし、ましてや知らない女だなんて、夢の話ではないのかとも思った。しかし何度見ても本物の女である。

まともな男なら通報するのだろうか?
ただ俺はまともな男ではない。
迷わずこの家で過ごさせることを決意した。
うまくいかなければ俺は終わるけど。
まずは女に同意を得ないと。

「君、話せる?君の事情は知らないけど、俺と一緒に過ごしてみない?」

女はその言葉に黙って頷いた。それは本意じゃないように思えたが、女にはその手段しか残されていないように感じた。話せない事情があると察した。

ここから俺と贈り物の見切り品女の、主従関係がはじまった。この時、まさか俺が、この女を手放せなくなるとは思いもしなかった。




9/4/2025, 10:20:19 AM

あなたも私も屑だってわかっている。
だから惹かれたんです。

何も合わないのに、離れられなかった。
あなたは友達だと言いながら、身体の関係を求める。
私は寂しさを埋めるために、友達の線を超えた距離で関わる。でも、セフレと定義された関係はただ虚しいだけだった。

「恋人じゃだめ?」

重い鎖のようなその言葉は、絶対に口に出せない。
恋人のようなことをするのに、現実的には恋人になるなどあり得ない組み合わせ。だから都合が良い、を選ぶしかなかった。

仮に関係が終わったとしても平気だと思っていたけど、あなたが引き止めようとすると、約束を果たせてないからと罪悪感で戻ってしまう。
結局何度も身体を許して、自分のプライベートもどんどん犯されていった。

私はあなたを知らないから、去れない。あなたを知ってからじゃないと去れないなら、一生私は呪いにかけられたままなのだろうか。
これは一種の洗脳…?などと思いながらもなぜか求めてしまっている。あなたをもっと知ってしまえばどんなに屑だとしても好きになってしまうとわかっているから、知るのが怖い。けど知らないままだと離れられない。

どちらも自称優しい屑。
出会ったのは必然だったのかもしれない。
けど、このままじゃ失うだけ。
いくら惹かれていても、幸せじゃないなら離れなきゃいけないかな。
あなたの呪いだって、皆にかけてるんだろう、
だったらもう離れていいよね。

あの惹かれた瞬間を忘れたくないけれど、どの関係でも私たちは壊れてしまうだろう。
知らないまま去ってごめんね。

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